6月10日、東芝の失態は、日本全体にとってかえって「けがの功名」になるかもしれない。都内の東芝本社前で2017年1月撮影(2021年 ロイター/Toru Hanai) [メルボルン 10日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 東芝の失態は、日本全体にとってかえって「けがの功名」になるかもしれない。かつて日本の技術開発の中心に位置した東芝は、また新たなスキャンダルの渦中に放り込まれた。10日に公表された外部弁護士の調査報告書によると、同社は政府と結託して株主の権利を台無しにした。そのため以前にまとめた内部報告の信頼性も損なわれた。だがこれは有意義な出来事になるとやがて判明するはずだ。 東芝に対する外国人投資家の圧力が最高潮に達したのが、昨年7月に開かれた定時株主総会だった。そこでこれら投資家が提出した取締役選任案は否決されたものの、今回の調査によって投票結果は公正性が欠けていたことが