日銀の黒田東彦総裁は、来年にはインフレ率が減速するとの見方を維持している。エネルギーを含む国際商品市況の軟化や円相場の反転などに照らすと、蓋然(がいぜん)性を有する見通しであることは事実だ。2020年1月都内で撮影(2022年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
ロシアのウクライナ侵攻を機に、食料安全保障への関心が高まっている。政府は食料安全保障強化等の観点から、食料・農業・農村基本法を見直すとしている。しかし、真剣に食料危機への対応を考えるのであれば、食料・農業政策を根本から見直す必要がある。 日本で起きない食料危機 世界人口の増加(2022年の80億人から2050年には97億人)と畜産物需要の拡大のため、世界の食料生産を2050年までに60~70%程度増加しなければならないと主張される。 しかし、心配することはない。人口は1900年17億人、1980年45億人であり、過去はこれを上回って増加した。さらに、人口が増えていって食料危機が起きるのであれば、すでに穀物価格は上昇しているはずだが、物価変動を除いた穀物の実質価格は、過去1世紀ずっと低下傾向にある(注1)。人口増加を穀物生産の増加が大幅に上回ったからである(1961年比では、2020年人口2
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