コミックス原作のブロックバスター。リメイクやリブートされたフランチャイズもの。豪勢なネットフリックス・オリジナル。最近の映画界といえば、こうした作品が圧倒的な主流だ。そうした地平の中で、家族に目線を据えた地道な社会風刺で、階級と格差を描きだす作品は、実に異例だ。 それと言うのも、最近の映画会社の重役たちは、「パラサイト」のような映画はスクリーン上映にふさわしくないと考えるからだ。映画館よりも自宅上映に適していると。最近のあの巨大なテレビ画面で。誰かがファミリー用のワゴン車を居間に駐車したのかと錯覚するような、あの場違いに大きいテレビで。 それと同時に、最近の映画会社の重役たちは、「パラサイト」のような映画は2時間に収めるのではなく、10シーズンも続くドラマシリーズに引き伸ばすべきだと考えている。エミー賞をたくさんとって、ボックスセットになるような。そのため、「パラサイト」のような映画は結局