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ブックマーク / hongokucho.exblog.jp (8)

  • 「私の履歴書」の続き=田淵語録です | 本石町日記

    野村証券元会長の田淵節也氏の語録。連載が終わってから前回の続きをやってもいいのだが、印象に残った一文を忘れるかもしれないので、刻んでいきます。 まずは「第13回」(11月14日)より。ここでは「岸信介首相時代にできた資主義計画経済の金融は…」のくだりが興味深い。金融カーストの下層に甘んじた田淵氏の屈辱感が強くにじむが、つい最近まで続いた護送船団行政(今は処分行政?)によって「金融が市場原理の世界に至る道のりは遠かった」のはその通り(まだ遠いです)。でも、あれですね。興銀と山一は当に好きじゃなかったのですね(笑)。以下、数回分より思いつつままに。 ・「英語使いの国際派は国内営業とは関係なしに動いており、別会社のようだった」 →だから田淵氏は国際部を廃止し、内外一体営業を図ったのだが、私自身はこれをひっくり返して国際営業を主軸として国内部(営業)を廃止したらどうだったのか、と思考実験的

    tomber
    tomber 2007/11/20
  • 日経新聞・経済観測=三菱東京UFJ銀行頭取、「金利、上げにくい」 | 本石町日記

    という部分がインタビュー内容に合うヘッドラインではないかとの印象を受けた。全般に率直な意見が表明されており、少なくとも間接金融ルートでは利上げはあまりできない(orしない方がいい)のではないかと改めて思った。ポイントは以下の通り。 ・国際経済に組み込まれた業種は好調な一方、内需関連は冴えない ・設備投資はキャッシュフローの範囲内。資金需要はかつての景気拡大期と同じには戻らない ・地価はバブルではない ・(追加利上げがあったら)優良企業向けの貸出金利は上げにくい これらの指摘から浮かび上がる産業構造は、外需組と内需組の格差であり、しかも後者ほど非優良先が多いと思われるため、利上げを続けるほど格差を助長する方向に働く。勝ち組のキャッシュリッチは企業はむしろ利上げはメリットである一方、負債の多い内需関連(中小・零細企業の多く)はデメリットを受けるわけだ。 銀行貸出は全体としては伸び率はピークアウ

    tomber
    tomber 2007/07/18
  • 日経『経済教室』の「邦銀、債権流動化加速を」は正しいか | 本石町日記

    日の日経「経済教室」を読んで幾つか引っかかった。まず、見出しとなった債権流動化の加速論だが、流動化するかしないかの是非論に絞ると流動化はした方がいい。ただし、マクロ的な資金循環における「金融システム(銀行群)」が背負った機能(宿命)の観点では、必ずしも流動化加速が現実的な対応とは限らない。 たびたび指摘することだが、銀行経営を資産側だけで論じるのは中途半端で、負債側の特性を考慮しない議論は不毛となる。邦銀の場合、預金に対して受け身であり、経済教室の筆者も指摘する「銀行部門に向かう家計(それに企業)の膨大な資金」は受け入れざるを得ない。 この状態で貸出資産を流動化すると何が起きるか。その分、資産は減り、一方で負債は変わらないので、バランスシートはバランスしなくなる。従って、銀行は減った分を補う貸出を実行するか、別な資産を組み込むしかない。現状、借り入れ需要は弱いので、別な資産は「国債」とな

  • 本石町の悲惨な一日=総裁の村上ファンドへの資金拠出問題、株価暴落… | 本石町日記

    下のエントリーで私が予想した理想のシナリオ(豪州戦勝利、株高、短期金利の安定、そして“静かなる当預の10兆円割れ”)はガラガラと崩壊。なんと福井総裁の村上ファンドへの資金拠出が明らかになり、そして株価は暴落するという想像を絶する展開となった。石町にとっては悲惨な一日である。「人生、一寸先は闇」と言うが、それが現実化した感じである。 今後の展開 ・W杯→クロアチア戦での勝利を祈る(しかない) ・株→景気が日銀のシナリオ通りなら、いずれ持ち直す。シナリオが間違えていて景気変調の予兆で崩れているなら、下値模索へ ・資金拠出→服務規程上は問題ない、とは言え、道義的な問題が残る。福井総裁は純粋に村上氏の初心を応援したかったのだと思うが、私は正直なところ、資金まで提供していたのには驚いた。総裁に就任するとき、解約さえていれば良かったのだが…。この問題、現時点では今後の展開は読めない。

  • 金利リスクをばら撒く国家のアウトライヤー規制とは | 本石町日記

    アウトライヤー規制に関して、以前から“そもそも論”としての疑問点があった。簡単に言えば、ミクロで正しいことがマクロ的な不安定化をもたらすのではないか、ということだ(一言で言うなら、合成の誤謬)。金融行政上、バンキング勘定の金利リスクが過大にならないように規制をかけるのは一般的には正しい。だが、日の財政事情、および国内資金循環における金融システムの役割などを考えると、辻褄が合わない側面も浮かび上がる。 金利リスクを取るとは、国債を購入することだが、日ではご存知のように政府が大量に国債を発行している。金利リスクを国内に大量にばら撒いているわけだが、金融システムの銀行群がかなり吸収しているため、財政リスクプレミアムが強く顕現化するには至っていない。 銀行群が金利リスクを取っている(国債を購入している)のは、そうしないとバランスシートのバランスが取れないからだ。これを国内資金循環(ストックベー

  • 「預超銀行」の貸出金利引き上げは合理的か(追記あり) | 本石町日記

    複数の銀行関係者によると、貸出金利が上がっているようだ。「市場金利が上がっているため」とのことで、金利設定が市場連動するなら上がらざるを得ないのだろう。ただ、よく考えると、必ずも貸出金利が市場連動する必要はないのではないか、と思った。なぜなら、銀行の大半は預金超過であり、市場から資金を取り入れて融資に回しているわけではない。市場から金を調達しており、そのコスト(金利)が上がったから貸出金利に転嫁するならまだ話は分かるが、預金でほぼ貸出が賄えているなら、貸出金利を市場金利に追随させる必然性は乏しいように思われる。 原油高に直面した製造業と比較してみよう。原材料価格が上昇した場合、製造業は合理化努力によって製品価格への転嫁を可能な限り避けようとしている。これは卸売物価の上昇が消費者物価にダイレクトに波及していないことにもうかがえる。日銀の量的緩和解除によって足元金利を除いて市場金利は上昇してい

  • 時価会計が歪める?リスクのとり方(追記あり) | 本石町日記

    先般、ある地銀幹部と会う機会があった。そこで、私はかねて暖めていたアイデアを披露した。それはテクニカルには多少無理があるが、いくらでも貸し出しが増やせる方法で、しかもリスクフリー。さらには金融庁を満足させるオマケ付きである。 私が会社を設立し、資金を融資してもらう。その金で私は長期国債を買い、買った国債は担保に差し入れる。アンダーJGBの超低利融資だが、実質的には国債担保で焦げ付きはない。しかも、中小企業向け融資に区分されるので、御当局もハッピーというわけだ。 これを聞くと地銀幹部はニヤリと笑い、「それに近いスキームは2、3年前から出回っている」とし、その手の営業に熱心な証券会社を幾つか挙げていた。私のアイデアは原始的なものであり、実際のスキームは味付けがあるようだ。『ハコモノ』と言われているそうで、現物国債にデリバティブを組み合わせて見た目のクーポンを多少高めたりしているようだ。 これは

  • 「バブル潰しは日銀のお家芸」という誤解 | 本石町日記

    それほど頻度は多くないが、勉強会のような会合で「日銀および金融政策運営」について説明役を求められることがある。先般もそういう機会があり、参加者から興味深い質問を受けた。具体的には「物価はそれほど上がらない中で、株や土地がじりじりと上がり、いわゆるバブルの香りが匂い始めたときに日銀はどうするのだろうか」という内容である。こうした質問が出る背景は、先般の財政諮問会議での奥田委員のバブル警戒発言やそれに乗っかった格好の福井総裁の金融正常化論などを念頭に、日銀がバブル予防の利上げを行うのではないかという警戒感が根強いからだろう。 こうした質問が出ること自体、日銀にとっては不幸なことだと思う。なぜなら「バブル潰しは日銀のお家芸」のような印象が浸透していることを暗示し、日銀自身は決してそういうつもりはないからだ。確かに80年代後半のバブルを退治しようとする利上げ(崩壊の原因として金融政策以外にも土地融

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