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  • 猪瀬直樹『太陽の男』が三島由紀夫という鏡に映した石原慎太郎、そして映さなかった像 - 石川智也|論座アーカイブ

    猪瀬直樹『太陽の男』が三島由紀夫という鏡に映した石原慎太郎、そして映さなかった像 「作家・石原」と「政治家・石原」 分けて論じることはフェアかアンフェアか 石川智也 朝日新聞記者 作品は作者に還元できない。作品の価値と作者の人格は別ものである。 そう心得ていたにしても、作者への負の念があまりに大きい(あるいは逆に強く好感を抱いている)場合、その作品を冷静に公平に批評することは可能なのか。そんな古典的な難題に向き合わされた数週間だった。 昨年2月1日に永眠した石原慎太郎の一周忌に合わせ、猪瀬直樹氏による評伝『太陽の男 石原慎太郎伝』(中央公論新社)が刊行された。石原とは都知事時代に一度か二度、記者会見に出席した程度の接点しかないが、正直なところ悪しき先入観しかなかった。書を読み、自分の中の石原像は少なからず改変を余儀なくされた。と同時に、これまで石原に抱いてきた違和感の正体も見極められたよ

    猪瀬直樹『太陽の男』が三島由紀夫という鏡に映した石原慎太郎、そして映さなかった像 - 石川智也|論座アーカイブ
    tomoyaiskw
    tomoyaiskw 2023/02/28
    「(石原慎太郎に対しては)正直なところ悪しき先入観しかなかった。本書を読み、自分の中の石原像は少なからず改変を余儀なくされた。と同時に、これまで石原に抱いてきた違和感の正体も見極められたように思う」
  • 鈴木邦男の正体は「右」か「左」か~「反米」「反共」「愛国」のあわいを生きた言論人 - 石川智也|論座アーカイブ

    鈴木邦男の正体は「右」か「左」か~「反米」「反共」「愛国」のあわいを生きた言論人 ほとばしる情念の魅力と危険を熟知しつつ、テロを防ぐ「対話の効用」をあえて選んだ 石川智也 朝日新聞記者 右派を代表する論客として知られた鈴木邦男(稿では敬称を略させていただく)の訃報が流れたのは1月27日だった。 以来1週間、その死を惜しむ声は左派護憲リベラルからばかり挙がり、右翼から届く声は、控えめに言っても冷ややかなものが多かった。 「脱右翼」したリベラル言論人? 右派にありがちな「言論より行動」を否定し、テロを支持しない姿勢を鮮明にしていた。表現の自由を訴え、「愛国心の強制はいけない」と教育法改正に反対し、「自由のない自主憲法より自由のある占領憲法を」と言い続け、呼ばれるのはいつも護憲派の集会……。 朝日新聞や週刊金曜日にも、好々爺然とした表情の写真とともに自由主義擁護のご意見番として度々登場した

    鈴木邦男の正体は「右」か「左」か~「反米」「反共」「愛国」のあわいを生きた言論人 - 石川智也|論座アーカイブ
    tomoyaiskw
    tomoyaiskw 2023/02/08
    鈴木邦男という人は、ほとばしる情念の魅力と危うさを熟知していたからこそ、テロや暴力を防ぐため「対話」の効用を説き、みずから意見の異なるものとの交流を積極的に進めたのではないだろうか。
  • 本間龍「東京五輪開催は99%あり得ない。早く中止決断を」 - 石川智也|論座アーカイブ

    間龍「東京五輪開催は99%あり得ない。早く中止決断を」 スポンサー企業に名を連ねた新聞社に五輪監視は不可能だ 石川智也 朝日新聞記者 「もうやれないだろう」「それどころではない」 多くの人が内心そう思っているのではないか。 東京五輪・パラリンピックの延期決定からそろそろ半年。人々の会話から五輪の話題はもはや消えつつある。コロナ禍が経済と国民生活を蝕み続けるなか、なお数千億円の追加費用を投じ五輪を開催する正当性への疑問は膨らむばかりだ。 それでも国、東京都、大会組織委員会は、五輪を景気浮揚策にすると意気込み来夏の開催に突き進んでいる。 いや、突き進む、は不正確な表現かもしれない。組織委の現場ですらいまや疲労感が漂い、職員たちの士気は熱意というより惰性と日人的な近視眼的責任感によって支えられているようだ。 まだ日中に五輪への「期待」が充満していたころから東京五輪に反対してきた作家の間龍

    本間龍「東京五輪開催は99%あり得ない。早く中止決断を」 - 石川智也|論座アーカイブ
    tomoyaiskw
    tomoyaiskw 2020/09/27
    東京五輪では暑さ対策のため観客のペットボトル持ち込みを認める方向だが、ワールドワイドパートナーのコカ・コーラとの協議で、ラベルをはがすなどの対応を強いられそう。スポンサーファーストのオリンピック
  • 「核のゴミ」最終処分場の前に、原発廃止か継続かを決着せよ! - 石川智也|論座アーカイブ

    「核のゴミ」最終処分場の前に、原発廃止か継続かを決着せよ! 現在の原子力政策の継続を前提とした処分地探しは必ず頓挫する 石川智也 朝日新聞記者 「いつか来た道」である。そして今後も、結局は同じ経過をたどるであろうことは目に見えている。 北海道寿都町の片岡春雄町長が、原発から出る高レベル放射性廃棄物(*)の最終処分場の候補地選定に向けた国の「文献調査」に応募する方針を表明した。応募の理由は、きたる町財政の危機と、それを国からの交付金で補塡しようという皮算用だ。 *高レベル放射性廃棄物 フィンランドやスウェーデンなど諸外国では原発で発生した使用済み燃料の「直接処分」が主流だが、日では、使用済み核燃料を再処理してプルトニウムとウランを取り出した後に出た廃液をガラスで固め、高さ1.3メートル、直径40センチの円筒にしたもの(ガラス固化体)を指す。安全なレベルまで放射線量が下がるまで数万から10万

    「核のゴミ」最終処分場の前に、原発廃止か継続かを決着せよ! - 石川智也|論座アーカイブ
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    tomoyaiskw 2020/08/29
    寿都町の高レベル放射性廃棄物処分場への名乗り、いつか来た道のとおり、頓挫は目に見えている。
  • ウルトラシリーズの脚本家・上原正三は「在日琉球人」として本土で生き抜いた - 石川智也|論座アーカイブ

    ウルトラシリーズの脚家・上原正三は「在日琉球人」として土で生き抜いた 代表作『帰ってきたウルトラマン』の「怪獣使いと少年」。マイノリティー迫害を描く 石川智也 朝日新聞記者 「ウルトラマン。籍地、沖縄。やはり、私は、こう記入したい」 初期ウルトラシリーズの監督、実相寺昭雄は、著書にそんな言葉を残している。 1966年~72年に放映された『ウルトラマン』『ウルトラセブン』『帰ってきたウルトラマン』の作品世界は、じっさいのところ、沖縄と日、米国の関係を色濃く映していた。 この3作品に参加した数多くのシナリオライターのなかで、基設定と物語の骨格を作り上げ、脚全体を統括するメインライターを務めたのは、金城哲夫と上原正三というふたりの沖縄人だった。 その上原正三さんが1月2日、82歳で世を去った。早逝した盟友・金城の思いを引き継ぎつつ、「在日琉球人」として土で生き抜いた半世紀だった。

    ウルトラシリーズの脚本家・上原正三は「在日琉球人」として本土で生き抜いた - 石川智也|論座アーカイブ
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    tomoyaiskw 2020/02/05
    金城哲夫と上原正三、ふたりの沖縄人が加わったことで、ウルトラシリーズの脚本の深みは増した。
  • 『リチャード・ジュエル』が問う日本の司法と報道 - 石川智也|論座アーカイブ

    『リチャード・ジュエル』が問う日の司法と報道 全国公開されているこの映画とゴーン逃亡劇は、日の刑事司法を考える格好の題材だ 石川智也 朝日新聞記者 米国の冤罪事件の年表に必ず登場する名 時宜を得たというべきかどうか、カルロス・ゴーン逃亡劇に続き、日の刑事司法のあり方について考える材料を提供してくれる一映画が、1月17日から全国公開されている。 『リチャード・ジュエル』。主人公であり実在の人物の名が題名になった作品だが、この名は冤罪事件の年表やメディア史には必ず登場する。 米国人にとって、日で言えば松サリン事件の被害者である河野義行さんのような響きを持つと言えばよいだろうか。一時は「アメリカの英雄」としてメディアの寵児に祭り上げられながら、一転して凶悪な爆弾テロ犯に仕立て上げられた男だ。 周囲の目が突如一変する不条理性や権力の非人間性をあぶり出したという点ではカフカの『変身』や

    『リチャード・ジュエル』が問う日本の司法と報道 - 石川智也|論座アーカイブ
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    tomoyaiskw 2020/01/24
    司法クラブ系の記者は、決して受け入れられないだろう。自身の記者人生を否定することになるから。
  • 村上春樹はアゴタ・クリストフの夢を見るか? - 石川智也|論座アーカイブ

    村上春樹はアゴタ・クリストフの夢を見るか? 映画『ドリーミング村上春樹』がひそかな人気。翻訳という営為とは。 石川智也 朝日新聞記者 『ドリーミング村上春樹』という小品映画が、封切り1カ月を過ぎても全国のミニシアターで順次上映を続け、ひそやかな人気を集めている。 村上春樹作品は世界50以上の言語で出版されているというが、この映画は村上文学をデンマーク語に訳している翻訳家メッテ・ホルムの日常を映したドキュメンタリー。カメラは、村上作品ゆかりの上野駅やデニーズ、芦屋などを訪ねるメッテを追い、彼女がデビュー作『風の歌を聴け』と2作目『1973年のピンボール』を訳し終え村上との対談のステージに向かう場面で終わる。村上人は一度も登場しない。 メッテは『風の歌を聴け』の有名な書き出し「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」にどんな訳語をあてるか極限まで悩み抜くが、

    村上春樹はアゴタ・クリストフの夢を見るか? - 石川智也|論座アーカイブ
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    tomoyaiskw 2019/11/29
    アゴタ・クリストフについて語るときに、村上春樹の語ること
  • 上映中止に追い込んだ「自覚なき検閲」 - 石川智也|論座アーカイブ

    上映中止に追い込んだ「自覚なき検閲」 上映中止から一転上映へ。KAWASAKIしんゆり映画祭の舞台裏で起きたこと 石川智也 朝日新聞記者 「英断」とは評せない舞台裏 KAWASAKIしんゆり映画祭で、川崎市の「懸念」からいったん上映中止が決まった『主戦場』が、一転して最終日の11月4日に上映されることとなった。 ひとまずは朗報である。しかし諸手を挙げて喜べる話では、到底ない。 あいちトリエンナーレ問題と同様、一連の経緯は、幾つもの疑問と課題と禍根を残したままだ。 関係者によれば、方針再転換の舞台裏は、英断とはとても評せないものだった。 10月24日夜に朝日新聞による初報が出て以来、是枝裕和監督が映画祭の舞台挨拶で「あるまじき判断」と声をあげ、若松プロダクションが出品2作品のボイコットを決めるなど、批判の声が高まったが、主催者代表の中山周治氏らは上映中止の判断を変えようとはしなかった。 潮目

    上映中止に追い込んだ「自覚なき検閲」 - 石川智也|論座アーカイブ
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    tomoyaiskw 2019/11/05
    しんゆり映画祭で『主戦場』を上映中止に追い込んだ「自覚なき検閲」
  • ポピュリズムやパリテに抱く「リベラル」派の幻想 - 石川智也|論座アーカイブ

    ポピュリズムやパリテに抱く「リベラル」派の幻想 井上達夫インタビュー(上)/「リベラル」な人々へ 石川智也 朝日新聞記者 ブレグジットBrexitの混迷のトンネルからいまだ抜け出せない英国で、「第二のトランプ」が新首相に選出され、またぞろ右派ポピュリズムの隆盛がしきりに論じられている。 ユーラシア逆端のこなたでは、先般の参院選期間中、「消費税廃止」に「奨学金チャラ」などと左派ポピュリズム的政策を訴えた「れいわ新選組」が熱狂的支持を集めたが、主要メディアは黙殺。「改憲勢力」の議席が焦点かのような報道が政治的言説空間を覆った。 ブレグジットと改憲にまつわるメディアの報道には知的倒錯があり、その根っこには憲法9条問題がある、と論じるのが法哲学者の井上達夫・東大大学院教授だ。 「正義」という概念をもとに、リベラリズムの立場から右も左も舌鋒鋭く批判してきたが、特にゆがんだレンズでものを見ているのは護

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    tomoyaiskw 2019/10/11
    現在の混乱や政治的閉塞の原因が2016年のブレグジット国民投票にあり、それは悪しきポピュリズムであるという見解ですね。日本のメディアや言論界で大きく取り上げられているこうした言説は、完全に間違っています。
  • 「文化守らぬ文化庁」今も昔も - 石川智也|論座アーカイブ

    文化守らぬ文化庁」今も昔も トリエンナーレへの補助金不交付に、映画『靖国 YASUKUNI』李監督は何を思う 石川智也 朝日新聞記者 イチャモンとしか言いようがない補助金不交付 相変わらずだな。まずそう思った。文化庁のことだ。 「表現の不自由展・その後」はおよそ2カ月ぶりの再開に向けて新たな局面を迎えたが、問題はなんら解決していない。大村秀章・愛知県知事が展示再開の意思表明をした翌日、文化庁は不自由展を含む「あいちトリエンナーレ2019」全体に対する補助金7800万円全額の交付を取り消した。 言うまでもなく、今回のトリエンナーレ実行委は被害者だ。 事前に警察と相談し、警備を手厚くしたり撮影を禁じたりすることで不自由展の開催は可能と判断していた。明らかに犯罪である脅迫や想定外のテロ予告に対して前もって予測し申告しなかったなどという理由をいまさら持ち出すのは、イチャモンとしか言いようがない。

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    tomoyaiskw 2019/10/11
    #文化を殺す文化庁 #文化庁は文化を殺すな
  • 終戦の日、熱海の「もうひとつの靖国」を訪ねた - 石川智也|論座アーカイブ

    終戦の日、熱海の「もうひとつの靖国」を訪ねた 「戦争責任」と「追悼」にまつわる、ふたつの場所 石川智也 朝日新聞記者 令和最初の「8・15」 令和最初の「8・15」。全国戦没者追悼式での安倍首相の式辞には7年連続で近隣諸国への加害への言及や「反省」の文字がなかった。 一方、新天皇は平成時代の表現を受け継ぎ「深い反省」を表明した。 もっとも、その「おことば」の全文を子細に読んでみると、この「反省」は、誰のどのような行為と結果に対してのものなのか、主語も目的語も判然としない。 ちょうど74年前の正午、ラジオから流れた昭和天皇による肉声が「敗北」ではなく「時局ヲ収拾」と述べ、「戦争を始めた天皇」がいつの間にか「戦争を終わらせた天皇」に換わってしまったのと似たレトリックがある。 「8・15」は国を挙げての鎮魂の日であり、さきの大戦について思いを馳せる日とされている。しかし、過去を冷静に見つめ責任の

    終戦の日、熱海の「もうひとつの靖国」を訪ねた - 石川智也|論座アーカイブ
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    tomoyaiskw 2019/10/11
    靖国神社とはあまりに対照的な「もうひとつの靖国」
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