日本の常識、世界の非常識。この言い方がよく出てくる。当たりの場合もあるが、はずれの場合もある。当たりの場合はいいが、はずれの時に妙に焦ると危険だ。はずれを当たりと思い込んで(あるいは思い込まされて)、行ないを改めてしまうと、後で泣くことになる。 今、二つの面でこの問題が発生しかけていると思う。その一が「働き方改革」なるものを巡って。その二が「消える現金」というテーマに関して。 政府が「働き方改革」と称している構想の中に、「高度プロフェッショナル制度」というのがある。ご承知の通りだ。働いた時間の長さではなく、成果に対して報酬を支払う。専門職で年収が高い人を対象に、この方式を導入しようというのが、その趣旨である。脱時間給制という表現も使われる。 このやり方は、いまや、世界の常識だといわれる。日本で、この方式になぜ異が唱えられるのかわからない。日本には、世界の当たり前が通用しない。時代遅れだ。こ