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ブックマーク / davitrice.hatenadiary.jp (12)

  • 読書メモ:『猫の精神生活がわかる本』 - 道徳的動物日記

    の精神生活がわかる 作者:トーマス・マクナミー 出版社/メーカー: エクスナレッジ 発売日: 2017/12/24 メディア: 単行(ソフトカバー) 作家である著者が、愛の「オーガスタ」との出会いから共同生活、オーガスタの死による別れを綴りながら、の心理や行動や生態について、動物行動学や心理学・生理学などの様々な論文や専門家への取材を参考しつつ書いた。また、飼っているを幸福にするための飼い主の心構えから具体的な飼育方法(餌の与え方や撫で方、しつけ方など)から、(アメリカにおける)のメディアでの扱いや社会問題としての野良問題と、に関する題材が広く扱われて書かれているだ。 オーガスタとの死別という経験もあって「を飼う時には後に後悔を抱かないような飼い方をすべきだ」ということや「飼い主のせいでの問題行動が起こる」ということについての意識がとりわけ鋭くなっていることがうか

    読書メモ:『猫の精神生活がわかる本』 - 道徳的動物日記
  • ネット言説における「合理性」信奉 - 道徳的動物日記

    もしかしたらこのブログの読者ならご存知かもしれないが、私にはインターネット中毒の傾向がある。 特に、Twitterはてなブックマークはついつい見てしまう。 会社でフルタイムで働きだすようになってからはを読める時間が減った一方で、インターネットを見る時間は増えてしまった(仕事の合間にもブラウジングしてしまうことは可能なためだ)。 だが、中毒であるということは、なにも好きこのんで意欲的にネットを見ている訳ではないということだ。 むしろ、Twitterはてなブックマークで見れるような人々の意見やコメントにはうんざりさせられることが多い。 ところで、ここ数ヶ月は、生活習慣や生活環境を変えたことで、学生時代ほどではないが多少は読書をする時間を取り戻すことができた。 そして、しばらくネットの海にひたった後に改めて読書を再開すると、ネットに書かれていることとに書かれていることとの傾向の違いを以前

    ネット言説における「合理性」信奉 - 道徳的動物日記
  • 反出生主義は女性差別? - 道徳的動物日記

    生まれてこない方が良かった―存在してしまうことの害悪 作者: デイヴィッドベネター,David Benatar,小島和男,田村宜義 出版社/メーカー: すずさわ書店 発売日: 2017/11/01 メディア: 単行 この商品を含むブログ (2件) を見る 先日に聴きに行った、学習院大学で行われた反出生主義のシンポジウムに関連する雑感。 シンポジウムのまとめについては他の人が書いているのでそちらを参照してほしい。登壇者たちのレジュメも人たちが各自で公開しているようなので、気になる人は自分で探せばよい。 シンポジウムの終盤には質疑応答が行われたが、その際に中心となった話題は、登壇者の一人である橋迫瑞穂氏(以下敬称略)による「ベネターの著作は女性差別的である」という主張である。 橋迫によるベネターへの批判点を要約すると以下のようなものになる。 「ベネターは"産む性"である女性の観点や女性の主

    反出生主義は女性差別? - 道徳的動物日記
  • 村上春樹「ヒエラルキーの風景」、受験制度についての雑感 - 道徳的動物日記

    やがて哀しき外国語 (講談社文庫) 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1997/02/14 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 29回 この商品を含むブログ (115件) を見る 高校生の頃から村上春樹にはまっていて、小説だけでなくエッセイも多々読んだ。 村上春樹のエッセイは基的には『村上朝日堂』シリーズのように日常や生活や目についた時事問題のことを気軽につづった雑記のようなものが多い。しかし、プリンストン大学に客員研究員として滞在していた二年間に書かれた『やがて哀しき外国語』は日アメリカとの比較社会論といった趣があり、一つ一つのエッセイの分量が多く、内容もなかなか硬派で異彩を放っている。 その中でも「ヒエラルキーの風景」という題のエッセイがとりわけ印象に残っている。特に、昨今の共通テストだか民間試験だかをめぐる騒動やそれについての人々の反応を見ていると

    村上春樹「ヒエラルキーの風景」、受験制度についての雑感 - 道徳的動物日記
  • 反出生主義についての雑感 - 道徳的動物日記

    Better Never to Have Been: The Harm Of Coming Into Existence 作者: David Benatar 出版社/メーカー: Oxford University Press, Usa 発売日: 2008/09/15 メディア: ペーパーバック 購入: 2人 クリック: 72回 この商品を含むブログ (1件) を見る 先日にペット動物と反出生主義についての論文を読んで内容を要約したメモを書いたところだが、せっかくの機会なので、反出生主義について自分が思うところをつらつらと書いてみよう。 反出生主義といえば基的には人間に対して当てはめられるものだ。「不幸な人生を歩ませることになる人間を生み出すべきではない」や、「人間の人生には何らかの苦痛や悲しみが必ず含まれる以上、人間を生み出すことは危害である」など。…しかし、人間を対象にした反出生主義に

    反出生主義についての雑感 - 道徳的動物日記
  • 読書メモ:『良き人生について - ローマの哲人に学ぶ生き方の知恵』 - 道徳的動物日記

    良き人生について―ローマの哲人に学ぶ生き方の知恵 作者: ウィリアム・B・アーヴァイン,竹内和世 出版社/メーカー: 白揚社 発売日: 2013/09/11 メディア: 単行 この商品を含むブログを見る 人生哲学としてのストア哲学の知見をわかりやすく紹介して、現代人の生活にとってストア哲学の考え方がどのように役に立つかということを解説する。ストア哲学については最近のこのブログで二度ほど記事を書いているし、同じ著者の『欲望について』の紹介記事もこの前に書いたばっかりだ*1。このに関しては気に入った文章の引用を主にして、軽く紹介して済ませることにしよう。 ここでストイックのアドバイスを受け入れ、他の人にどう思われているかを無視することに決められたとする。それでもいざ実行となると難しい。ほとんどの人は、自分についての他者の意見から逃れられない。私たちが熱心に働くのは、第一に他の人びとの讃嘆

    読書メモ:『良き人生について - ローマの哲人に学ぶ生き方の知恵』 - 道徳的動物日記
  • アダム・スミスは現代社会を嫌がりそう(読書メモ:『スミス先生の道徳の授業』) - 道徳的動物日記

    スミス先生の道徳の授業 ―アダム・スミスが経済学よりも伝えたかったこと 作者: ラス・ロバーツ,村井章子 出版社/メーカー: 日経済新聞出版社 発売日: 2016/02/25 メディア: 単行(ソフトカバー) この商品を含むブログ (2件) を見る 経済学の祖であるアダム・スミスの主著といえば『国富論』だが、このではもう一つの代表作である『道徳感情論』の中身をわかりやすく解説して、現代の世界における我々の生活に『道徳感情論』の知見はどう関係するかということも論じられている。 基的に紹介する内容を『道徳感情論』のみに絞っているので話があちこちに飛ぶこともなく、また現代社会における諸々の事例を挙げながら解説してくれるので、『道徳感情論』で述べられている知見の面白さや意義なんかも伝わりやすい。一人の思想家に絞った哲学の入門書は幾多も出版されているが、その中でもかなりクオリティが高い方だと

    アダム・スミスは現代社会を嫌がりそう(読書メモ:『スミス先生の道徳の授業』) - 道徳的動物日記
  • 人はなぜ過去の選択にこだわるのか - 道徳的動物日記

    幸福はなぜ哲学の問題になるのか (homo viator) 作者: 青山拓央 出版社/メーカー: 太田出版 発売日: 2016/09/14 メディア: 単行 この商品を含むブログ (6件) を見る 昨日にも『幸福はなぜ哲学の問題になるのか』の感想を書いたが、書の中でも特に印象に残った「物語的完全主義」について論じている節から抜粋して紹介しよう。 ……完全主義のなかには少し特殊な事例があります。節ではそれを「物語的完全主義」と呼ぶことにしましょう。物語的完全主義に陥ると、自分が過去にやってきたことを望ましい人生の一部とするために、いま現在の選択にて、最善の選択をしないことがあります。なぜ、最善を選ばないのに完全主義かといえば、過去から今に至る自分自身の物語の完全性にこだわるからです。「私が過去にあれを選んだ以上、今これを選ばないことはーーそれが最前でないとは分かっていてもーー許せない」

    人はなぜ過去の選択にこだわるのか - 道徳的動物日記
  • 「死ぬ権利」を整備することは「死ぬ義務」につながるのか? - 道徳的動物日記

    以下のツイートを目にしたのをきっかけに、前々から思っていたことを書こうと思う。 この学会の構成員は医療従事者(半数が医師)約4000人で、比較的小さな学会だが、こういうところからも「尊厳死」の世論作りを始めてきたんだね。 / ”人が望まなければ救命措置せず” 臨床救急医学会が提言 | NHKニュース https://t.co/r8V8ZGXIpz — 双極鑷子 (@shiso_ume) 2017年4月7日 それを受けて”自称”安倍晋三の盟友である横倉日医師会会長は、高齢者の尊厳ある終末期医療について検討を始めることを決めたが、「財政の観点ではなく、人間の尊厳ある死を国民と考えていくことが大切だ」と述べた。しかし、尊厳ある生がこれほどおろそかにされた社会で、尊厳ある死を持ち出すか。 — 双極鑷子 (@shiso_ume) 2017年4月7日 近代医療の技術はそのまま輸入し、近代医療の生権

    「死ぬ権利」を整備することは「死ぬ義務」につながるのか? - 道徳的動物日記
  • トランプ当選とかアイデンティティ・ポリティクスとかに関する適当な備忘録 - 道徳的動物日記

    ・ 以下の記事のなかで、会田弘継は以下の発言をしている。 synodos.jp よくトランプ現象は人口が減っていく白人たちの雄叫びというように解釈されますが、それも短絡的な考え方ではないかと私は思っています。たしかに、トランプだけ見ずにサンダースの方も見ながら考えると、まさに白人労働者階級を軸としてマルクス主義的な歴史観で語られるような、大きな時代変革を起こしうる階級闘争が起きている気配はあります。 しかし、そんな単純な話でもない。ここで起きている根源的な変化の一つは経済的なものと文化的なものが絡んできます。まさにリベラルなデモクラシーがずっと普遍的な価値を保ったまま進んできた末に、内在していた問題があらわになってきたわけです。 それはつまり、さまざまなグループごとにアイデンティティーを強調しあう「アイデンティティ・ポリティクス」と呼ばれる現象です。これはリベラルな民主主義の中でしか起こり

    トランプ当選とかアイデンティティ・ポリティクスとかに関する適当な備忘録 - 道徳的動物日記
  • 「健康保険制度において人命の比較考量が必要となる理由」by ピーター・シンガー - 道徳的動物日記

    2016 - 11 - 04 「健康保険制度において人命の比較考量が必要となる理由」by ピーター・シンガー 生命倫理 倫理学 時事問題 http://www.nytimes.com/2009/07/19/magazine/19healthcare-t.html?pagewanted=all&_r=0 今回の記事は、2009年に 倫理学 者の ピーター・シンガー がニューヨークタイムスに掲載した" Why We Must Ration Health Care"という記事。 バラク・オバマ が大統領になってから1年後で、 オバマ が提案していたアメリカの 医療保険 制度の改革を支持する内容の記事である。当時、公金による 国民皆保険 制度の実施に対する反対理由の一つは、それは国民の健康や生命に関して金銭的価値に基付いて判断する"割り当て(比較考量、rationing)"を実施することになる、外

    「健康保険制度において人命の比較考量が必要となる理由」by ピーター・シンガー - 道徳的動物日記
  • 「私たちは道徳的に賢くなっているのか?:IQの上昇、暴力の減少、経済的リベラリズムの関係」 by マイケル・シャーマー - 道徳的動物日記

    reason.com 今回紹介するのは、心理学者で疑似科学批判者で無神論者のマイケル・シャーマー(Michael Shermer)が Reason.com というサイトに掲載した「Are We Becoming Morally Smarter?」という記事。 シャーマーは昨年に『 The Moral Arc: How Science and Reason Lead Humanity toward Truth, Justice, and Freedom (道徳の弧:科学と理性はいかにして私たちを真実と正義と自由に導くか)』というを出版している*1。副題の通り、人々が科学的・理性的な思考方法を身に付けるにつれて、他人に配慮した道徳的な思考もするようになったり、正義などの抽象的な概念を理解したり、宗教の権威を否定したり、民主主義などが普及したりして、暴力が減少してより多くの人々に権利や自由が認

    「私たちは道徳的に賢くなっているのか?:IQの上昇、暴力の減少、経済的リベラリズムの関係」 by マイケル・シャーマー - 道徳的動物日記
    tonkotutarou
    tonkotutarou 2016/04/18
    人類の抽象的思考力は上昇し、道徳的領域も広がり続けている(ただし、僕も同じように進歩していくとは限らない)
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