<資本主義と民主主義を拡大する流れで発展してきた国際社会だが、現在は各国でこれに逆行する出来事が相次いでいる> このところ、資本主義や民主主義といった、いわゆる近代的システムがうまく機能しなくなっていると懸念する声をよく耳にする。長期的な時代の変化というのは、後になってみなければ分からないものであり、短期的に結論を下すことは避けたほうがよい。 だが、近代的枠組みが大きく揺らいでいるのは間違いなく、そうした視点での議論も必要となってくるだろう。 過去100年の国際社会は、近代国家の枠組みを軸に資本主義と民主主義を拡大する流れで発展してきた。国ごとに程度の違いはあるにせよ、大きな方向性としては効率のいいグローバル市場の追求と、世界共通の理念として人権を担保する方向性が模索された。だが近年、一連の流れと逆行する出来事が相次いでいる。 欧米社会とは基本的価値観が異なる中国が覇権国として台頭し、ロシ