アマゾンでクリック、カートに入れて決済すれば、やがてお坊さんが自宅にやってくる。僧侶手配サービス「お坊さん便」は、そのユニークなネーミングもあって大きな反響を呼びました。仏教界が販売の中止を求めても商品化が止まらない背景には、頼む側、頼まれる側双方に事情があるようです。 受話器から、ため息交じりの声が聞こえた。 「試しにクリックしたら、在庫切れって表示されたんです。僧侶がモノ扱い、在庫扱いですよ」 昨年12月、ネット通販大手アマゾンに法事や法要に僧侶を手配するサービス「お坊さん便」が出品され、ネット上やテレビで話題になった。旧知の僧侶に電話で感想を求めると、こんな答えが返ってきた。 「宗教の商品化」に、仏教の主な宗派でつくる全日本仏教会(全仏〈ぜんぶつ〉)は黙っていなかった。昨年暮れ、当時の斎藤明聖(あきさと)理事長名で「宗教に対する姿勢に疑問と失望を禁じ得ない」との談話を発表。今年3月に