「全国どの病院でも名前を明かさず出産できる」200年以上前に"匿名出産"を制度化したフランスの"すごい仕組み" 出産医療費の自己負担ゼロ、年間約600人が生まれている 匿名出産で生まれた人々による発信が多くある 匿名出産の歴史が長く、養子縁組が社会的に受容されているためだろう、フランスでは匿名出産で生まれた人々の発言や発信が多く見られる。20世紀後半に子供側の「出自を知る権利」に関する制度整備の議論が高まった背景にも、当事者たちの意見表明があった。 たとえば大手全国紙「ル・モンド」では、2016年、匿名出産で生まれた30代女性のインタビューを長文で紹介している(ル・モンド“Pour moi, être née sous X et avoir grandi dans ma famille, c’est une grande chance”2016年6月28日)。養父母に愛情深く育てられた女性