ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/reizei (110)

  • 日本の総選挙の結果をどう見るか

    アメリカはコネチカット州の小学校での乱射事件のショックに沈んでおり、日の総選挙のニュースは「囲み記事」であるとか、「画面下のテロップ」という扱いしか受けていません。ですが、とりあえず今回の選挙を「遠くから」見ていた者として、直後の感想をメモしておきたいと思います。 (1)民意は「少々勝たせすぎた」と思っているのではないでしょうか? 大量当選を「権力の白紙委任」などと考えたら失敗します。憲法論議などは、あくまで景気と雇用で実績を上げて信用を獲得してからでないと難しいということを肝に銘じた方が良いと思います。 (2)特に難しいのが原発に対する選択です。再稼働を明言した自民党が圧勝したからと言って、ドンドン再稼働する、その一方で情報公開などで古い体質が出ると世論はソッポを向くと思います。原発だけでなく、一時が万事であり、同じ自民党だからと言って以前の麻生内閣以前の時代のコミュニケーション様式に

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    toronei 2012/12/17
  • 安倍自民党の「インフレターゲット論」3つの問題点

    3%というターゲットを設定した上で、インフレが進行するように金融緩和を思い切り行う、そうしてデフレを脱却し超円高を是正して成長トレンドを回復するという政策については、ここ1年ぐらい安倍晋三氏はかなり熱心に語ってきています。ですから気といえば気なのでしょうが、総選挙を前にしてここまでハッキリと政策として掲げてくるとは思いませんでした。 結論から言えば、3つの問題点があるように思います。 まず、外部環境がこの年末から年明けにかけて変化しつつあるという点です。例えばアメリカの場合は、これまでのFRB(連邦準備制度理事会)やオバマ政権は「QE(量的緩和)1からQE3」によってジャブジャブとドルをばらまいてきたわけです。その結果としてのドル安も容認し、ドル安による多国籍企業のドルベースでの利益の極大化というメリットも享受してきました。 この問題に関しては、大統領選の争点になっていました。オバマに

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    toronei 2012/12/05
  • 日本の対立軸にはどうして「経済合理性+国際協調」という選択肢がないのか?

    今回の衆院選は、多数の政党が登場しています。勿論、乱立だとか混乱だという形容は当たっているのですが、少なくとも選択肢は増えたというメリットはありそうです。ところが、どうしたものか21世紀の現在において、最も重要で現実的だと思われる選択肢が見事に欠落しているのも事実です。 それは「経済合理性と国際協調を同時に重視する」という立場です。 この選択肢がないのです。例えば今回の党首討論でもニコニコ動画では10、記者クラブ主催のものでは11も政党があるのに、見事なまでにない。これは当に困ります。例を挙げればキリがありませんが、 ----安倍自民党は軍事外交では親米で、ビジネスにはフレンドリーなのかもしれませんが、靖国参拝とか国防軍といった右派イデオロギーがどうしてもセット定で付いてくるわけです。これでは、自由世界での友人を作るといっても大きな限界があります。 ----野田民主党は、その点ではやや

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    toronei 2012/12/05
  • どうして日本は6年間に6人の総理を取り替えたのか?

    今回『チェンジはどこへ消えたか オーラをなくしたオバマの試練』というを出版しました。2008年には「チェンジ」であるとか「イエス・ウィ・キャン」といったメッセージで全米を席巻し、2009年に就任すると「核廃絶のプラハ演説」や「カイロでのイスラムとの和解演説」などを評価されてノーベル平和賞を受賞したオバマですが、結局は1期目の4年間では「チェンジ」はできなかったのです。 その「結果」は世論にある種の落胆を感じさせました。ですが、それでもオバマは再選されたわけで、その理由を探る中から「向こう4年間」のアメリカの進路を読者の皆さまとご一緒に考えていきたい、それがこのの主旨です。 それにしても、アメリカの失業率は辛うじて8%を切ったばかりで、景気の戻りには強さは全くないわけです。また若者の雇用に関しては依然として状況は厳しく、このの中でも取り上げましたが「ウォール街占拠デモ」というのは「深層

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    toronei 2012/11/28
  • 村上春樹氏のノーベル賞見送り、これで良かったという理由

    下馬評では可能性大と言われていた、村上春樹氏のノーベル文学賞受賞ですが、結果的に今回の受賞は中国の莫言氏ということになり、村上氏の受賞は見送られました。残念とも思いますが、冷静に考えてみれば今回はこれで良かったのかもしれません。 1つは、莫言氏にノーベル賞を授与するということの政治的な意味です。私は莫言氏の作品は同氏が原作・脚を務めた映画『紅いコーリャン(紅高梁)』(張藝謀[チャン・イーモウ]監督)を通じて知っているだけで、小説そのものは読んでいないのですが、この映画を見れば同氏の政治的位置が「体制内批判者」だということは分かります。 映画については大変に立派な作品ですが、その中でも「赤(紅)」という色の鮮烈な使い方が特徴的です。タイトルの真っ赤な文字から始まって、ヒロインの真紅の花嫁衣装、花嫁行列の輿の色、そのヒロインが次の夫となる男性と結ばれる際の紅い衣装、そしてコーリャンからできた

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    toronei 2012/10/12
  • アメリカではどうして「労働ストライキ」が可能なのか?

    この9月には、アメリカでは大きな労働争議で「ストライキ」に発展したものが、3つありました。シカゴの教員スト、全米のNFL(プロ・フットボール)審判組合のスト、そしてアメリカン航空のパイロットによるものの3つです。 一言で「ストライキ」といえば、それはそれぞれの会社の事情というように考えがちですが、この3つは、それぞれに大変に規模が大きく、社会的な影響も無視できないものでした。 例えば、シカゴの教員ストは、結局1週間続き35万人という子供たちが影響を受けました。子供たちにとっては、新学期になっても学校が始まらないわけですし、急遽ベビーシッターを雇わなくてはならなくなった保護者など、市全体が混乱しました。 結果的に教委と組合の妥協は成立したものの、オバマ大統領に近いエマニュエル市長(民主)は教委側で激しく組合と対立、共和党のライアン副大統領候補がその市長の「応援」という「嫌がらせ」に近い行動を

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    toronei 2012/10/09
  • 大津いじめ事件、苦境の越市長の取るべき道は?

    大津市と言えば、越直美市長はハーバード・ロースクール出身の国際弁護士として華々しく当選し、その一方で、当選直後から「自身がいじめに遭った経験」なども語っていたわけです。ですから、今回の「中2いじめ自殺」の事件に関しては、明快なリーダーシップを発揮するのではと思っていたのですが、初動から現在までの対応は迷走しているようです。 問題になっている「自殺の練習をさせられていた」というアンケート結果が明るみに出る前の話ですが、事件のあった学校の卒業式(今年の3月、つまり被害者が自殺した半年後)に来賓出席した際に「自分もいじめに遭って自殺を考えた」とスピーチで述べている一方で、被害者の両親による事件に関する民事訴訟では、市側を擁護する証言をしたりしていたようです。 ここまでの越市長は、直接の公選で選ばれた首長としてメッセージ性のある行政を進めることを期待されている立場と、終身雇用制の官僚組織の支援を受

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    toronei 2012/07/10
  • 誤解されてしまった、ダルビッシュの「謙虚さ」

    メジャーリーグのオールスターが7月10日に迫る中、両リーグのメンバーが発表になりましたが、そこにレンジャースのダルビッシュ有投手の名前はありませんでした。取りあえず「最後の1人枠をかけた投票対象の5名」には入っているのですが、とにかく選出から外れたのは間違いありません。 私は、これまでの堂々たる成績、地元ならびに全米での話題性ということから考えると、出場は当然だと思っていました。それこそ、1994年度の野茂英雄投手のように、球宴の先発に指名されても全く不自然ではないと思います。しかも、アメリカンリーグの監督は、レンジャースのワシントン監督その人であり、更に言えばピッチャーというのは監督指名で決まるのです。 一体、何が起きているのでしょう? 1つには、ここ数年の躍進でレンジャースの全国的人気が高まる中、ファン投票でレンジャースの選手が3名(ハミルトン、ベルトレ、ナポリ)も選ばれたということが

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    toronei 2012/07/02
  • ハーバードはどうしてホームレス高校生を何人も合格させるのか?

    この春、ノースカロライナ州のローンデールという小さな町に住む、ドーン・ロギンスさんという女子高校生のもとに、ハーバード大学から一通の封書が届きました。この春高校を卒業するロギンスさんは、何校かの大学に願書を出しており、既に分厚い入学案内を同封した合格通知も受け取っていたのです。ですが、ハーバードから来たのは薄い封筒でした。 これは不合格通知に違いないと思って開封したロギンスさんは、文面を見てビックリすることになります。そこには、いかにもハーバードらしい文面で「小職は合格者選考委員会の決定に従って、あなたを2016年卒業見込み生として入学を許可する旨、ここに通知することを喜びとする者であります」と書かれていました。ロギンスさんは、ハーバード大学に合格したのです。地元のバーンズ高校としては開校以来初めての快挙でした。 現在18歳のロギンスさんは、貧困とドラッグ中毒に囲まれて育ちました。父親は家

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    toronei 2012/06/16
  • 少子化問題その根源を問う(第2回)

    それにしても、日ではどうして「核家族」に尊敬が払われないのでしょう? 例えば、先週の2つの事件は実に象徴的です。 まずお笑い芸人の河準一さんの実母の生活保護支給に関しての議論に関しては、色々な見方があると思いますが、その際に違和感を感じたのは、この河準一さんという人が既婚で子供さんもいるという事実が全く報道されなかったことです。 そんな中で、経済的な余裕のある子どもは困窮した親を扶養する義務があるという民法上の規定が、世論の「空気」によって拘束力を増したように思います。勿論、成人した子の親への扶養義務という概念は、アジアだけでなく欧米の各国の法制や慣習の中にも程度の差こそあれ、厳然と存在します。 ですが、結婚して子どももいる世代に取っては、まず「その核家族」を経済的に安定させること、そして未成年の子どもに十分な成長の環境を与えることが最優先だという、物事の順序というのはあると思うので

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    toronei 2012/06/07
  • ハリウッドが女性主人公のアクションを作り続ける理由

    アメリカ社会での女性の地位が向上する一方で、ハリウッド映画の世界では、アクション映画の主人公は男性という構図はずっと続いていました。 中には、アンジェリーナ・ジョリーの『トゥームレイダー』シリーズのように、完全に女性が主役というのもありましたが、これとか往年の『チャーリーズ・エンジェル』シリーズなどは、男性客を意識した特殊なジャンルと言えるでしょう。20世紀末のシャロン・ストーンなどもそうした性格の役で売れていったわけです。 例えば、クエンティン・タランティーノ監督が女性のヒロインに激しいアクションをさせていますが、彼の場合は、フェミニズム的な香りが残るのを厭わず、被害者側の復讐劇にジェンダーを絡ませて、それをスタイルにしてしまっているわけです。 ミラ・ジョボビッチなんていう人もいますが、『バイオハザード』シリーズなど、アクション映画での彼女のキャラというのは、アメリカの視点からすれば、や

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    toronei 2012/06/05
  • アメリカが拉致問題などで「日本の立場」を十分に理解できない理由

    北朝鮮による拉致被害者家族連絡会のメンバーが、米国務省でキャンベル国務次官補と面会した際、キャンベル氏が、北朝鮮の拉致の問題と同時に国際結婚の破綻に伴う「日人親による子の連れ去り」問題に言及、並行して親権の問題を考えて欲しいと発言したという報道があります。 その場にいた家族会メンバーは「親権の話は夫婦間の問題だが、拉致は国家的な犯罪。北朝鮮で命の危険にさらされている人間の問題を親権の問題と同一視するのは納得できない」(産経の電子版による)と反論したそうですし、米国国務省は後で「両者は別次元の問題」だという見解を出したようです。 この問題ですが、他でもないキャンベル次官補の口からポロッと出たというのは、ある種アメリカ国務省のホンネを表していると見るべきでしょう。そういう言い方をしますと、憤りを覚える方もあるかもしれませんが、何しろこれは外交であり、アメリカという相手がある話ですから、相手側

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    toronei 2012/05/11
  • 「週末も働け」というアップルが必ずしも「ブラック」でない理由

    企業の人事制度や就活中の学生に対して、常見陽平氏が発信するメッセージには注目しています。中長期の視点で企業側へ変革を促しながら、短期の視点では学生たちに戦術レベルで有効なサジェスチョンを続ける姿勢に誠実なものを感じるからです。今回アゴラに掲載された『アップルが新入社員に渡すメッセージがブラック企業みたいな件』というコラムも、妙な形で社員のモチベーションを操作しようという日企業の「ブラック性」に対して若者に警戒せよと呼びかける良心的なものでした。 ただ、コラムのタイトルにもなっているアップル社の「新入社員向けメッセージ」については、少々注釈が必要と感じたのも事実です。常見氏がフェイスブックで見つけたというそのメッセージはこんな感じです。 "There's work and there's your life's work. The kind of work that has your

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    toronei 2012/05/09
    自分の仕事にやりがい感じてる高給取りの理屈と常識と正義感に、時給7-800円台の労働者を巻き込んでんじゃねーよって話で済むことだよね。
  • 少子化問題その根源を問う(第1回)

    毎年5月5日の「こどもの日」が来ると、わざわざ総務省が15歳未満の「子ども人口」が減った話をプレスリリースとして出し、新聞やテレビが発表するというのが恒例になっているようです。今年の場合も、各紙の報道を見ると「15歳未満の子供の推計人口は、前年比12万人減の1665万人。子供の数の減少は31年連続」というような表現になるわけです。 そもそも「こどもの日」というのは祝日法の条文によれば「こどもの幸福をはかる」ための日にだそうですが、毎年その日になると「子どもが減った、子どもが減った」と嘆くというのは、何ともやり切れない感じがします。 それにしても、少子高齢化というのは深刻な問題です。ですが、ここ数年の動向を見ていると、もう小手先の対策ではダメではないかという印象があるのです。勿論、若年層の経済力が損なわれていること、保育所の待機児童の問題、男性の家事・育児参加の問題、長時間労働の問題、数度の

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    toronei 2012/05/08
  • アメリカの外食産業に過労死がない理由とは?

    大前提として客も店も細かいことはゴチャゴチャ言わないし、とりわけ中堅以下の企業化されたファミレス系やファーストフード系に至っては、サービスの水準はかなり低いという問題があるわけです。その点では、日とは全く別世界で比較の対象にはならないのですが、個別の問題では参考になる点もあると考えて箇条書きにしてみました。 (1)役割分担がハッキリしています。例えば、注文を取るのは「サーバー」、最初に接客して客をテーブルに誘導するのは「ディスパッチャー」などという「専任」ですし、料理を運んだり皿を下げる専門の「アシスタント」など接客だけでも細かく分かれています。厨房の中も役割分担が明確です。 (2)職務内容は契約書で明確になっています。ですからコストカットのために、ある仕事を他の人間にカバーさせるなどということは不可能です。また契約に書いてあることは双方が履行しなくてはなりません。野球の井川慶選手がヤン

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    toronei 2012/03/05
  • 留年させるなら先輩後輩カルチャーも止めるべきでは?

    これも大阪の橋下市長の発案ですが、所定の学力に到達しない生徒はたとえ小中学生でも留年や科目の再履修をさせるべきだという案が議論されています。そもそものアイディアは教育評論家の尾木直樹氏で、小中学校での学力の底上げを図るには必要だというのです。(尾木氏ご人は大げさに取り上げられて困惑しているようですが) 確かに、今の日の小中学校では、何らかの理由で全休しても卒業証書が出るという運用がされており、結果的に学力不足のまま高校へ行ってしまう子供が存在するのは防げないわけです。高校の「底辺校」では「6桁の数字が読めない」などという衝撃的なレポートもあるわけで、結果的には高校を中退することで貧困層を生み出しているとも言えるわけです。 私は留年はともかく再履修に関しては基的には賛成です。いじめや不登校の原因になるとか、同級生意識を壊すので可哀想だという意見もありますが、生きてゆくのに最低限必要なス

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    toronei 2012/02/24
    これは全面的に賛成したい。
  • ニューヨーク・フィルの「iPhone 着信音事件」、その時指揮者は?

    昨年末にご紹介した小澤征爾氏と村上春樹氏の対談について、一点気になる部分がありました。それは往年の巨匠レナード・バーンスタイン(『ウェストサイド物語』の作曲者でも有名)が音楽監督だった時代に研修生として指揮をした経験に基づいて、小澤氏がニューヨーク・フィルハーモニーの演奏姿勢について否定的であった点です。 小澤氏の批判は、特に弦楽器の奏法が「軽い」というものでしたが、この点に関しては一昨年からアラン・ギルバート氏が音楽監督に就任したことで大きく改善されています。楽団の名誉のためにも、そのことを申し上げておきたいと思います。このギルバート氏は、日人のお母様が同楽団の現役バイオリスト、お父様も同楽団のバイオリニストで人もバイオリン奏者であり、就任早々に弦楽セクションの奏法を変更しているからです。 さて、このギルバート氏ですが、NYフィルの音楽監督として最も力を入れているのは、グスタフ・マ

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    toronei 2012/01/13
  • 「橋下イズム」と「ティーパーティー」その同時代性 | 冷泉彰彦 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    予想通りの圧勝でした。大阪市の橋下候補はともかく、大阪府の松井候補も大差での勝利、しかも歴史的な高投票率ということですから、この選挙結果は無視できません。それにしても、アメリカで見ていて思うのは、日米の政治風土が酷似しているということです。 非常に小さな例では、例えば私の住んでいる地区では、大学町のプリンストンでも似たような事件がありました。町の中心部にある自治区(プリンストン・ボロ)と、その周辺を取り囲むような町(プリンストン・タウンシップ)というのは、コスト配分を巡る争いから100年以上分裂した自治体を形成していたのです。ですが、今年行われた住民投票の結果で、最合併することになりました。その目的は単純で行政二重コストの削減です。試算によれば、合併後の全域で、固定資産税の減税が可能になるというのです。勿論、リストラの痛みは伴いますが、双方での住民投票の結果ですから仕方ありません。 このプ

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    toronei 2011/11/28
  • 現代社会では直接民主制は機能しないという3つの理由とは?

    それにしても、ギリシャのパパンドレウ首相の声明には驚きました。一旦合意したはずの国家債務処理スキームに関して改めて国民投票にかけるというのです。欧米の株価はこれを受けて急落しました。「国民投票で救済パッケージが否決される可能性」「ギリシャ国債の更なる暴落」「ギリシャはユーロからの追放」「ユーロ圏維持の救済スキーム破綻は、イタリアやスペインへも波及」というように、恐怖の心理が一気に広がったのです。 折角ソフトランディングへ向けて欧州首脳が頑張ったのに、スロバキアなどの渋る参加国も何とか説得したのに、ということですが、一方で1日(火)の米国東部時間午後にはギリシャの野党筋から「所詮はパパンドレウの延命策、国民投票など不可能」というコメントが出ると、少し市場には安堵の色が出たりしています。いずれにしてもギリシャに振り回された一日となりました。 では、どうして欧米市場は「レファレンダム(国民投票)

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    toronei 2011/11/02
  • ハーグ条約加盟、小手先の法案では対応不可能ではないのか?

    国際結婚が破綻した際に、一方の親が子供を出身国に連れ去るケースに対して、子供を両親が同居していた以前の国に戻すことを原則とするハーグ条約に、日は2011年の5月にようやく加盟する方針を打ち出しました。アメリカの国務省の主張によれば日人母が離婚裁判を省略し、あるいは判決に反する形で子供を日に連れ去っている問題については145件という事例があるそうで、主としてアメリカとカナダなどが外交上たいへんに強硬な抗議を続けているのです。 日ではあまり報道されていませんが、米政界では「日は子供の連れ去りの容認という拉致をしているのだから北朝鮮の拉致問題で協力する必要はない」という言い方が半ば当たり前のように言われているのです。今回の条約加盟方針はその点で外交上は不可避であったとも言えます。 いずれにしても、今回の加盟方針決定を受けて、その関連法を整備することになり作業が続けられています。その中で

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    toronei 2011/10/04