「若者の○○離れ」といったニュースに象徴されるように、近年、若者の“低欲望化”がしばしば話題となっている。こうした現象について大前研一氏は、「若者たちがあまり欲をもたなくなっていること自体は、ある意味で合理的な選択だと思う」と一定の理解を示す。が、一方で「大志なき若者」を憂いている。若者はどう行動すれば良いのか? 『低欲望社会─「大志なき時代」の新・国富論』(小学館)を上梓した大前氏が、未曾有の難題への答えを解き明かす。 * * * 若者に大志を育てるにはどうすればよいのか。根本的な処方箋は、今の日本を覆っている“予定調和の怠惰な共産主義的社会”を変革していくしかない。 その方法は、たとえば異質な人たち──移民や留学生をどんどん受け入れて競争を活発化させることだ。そうすれば、同質社会の中で弛緩した日本の若者たちの間に、今の自分の能力では食べていけない、もっと努力しなければ路頭に迷うという緊