「オフショア並みの料金でお願いしたい」。最近、こんなシステム商談が増えていることにITサービス会社の経営者らは危機感を募らせている。その1人が大手ITサービス会社TISの岡本晋社長だ。 06年初めに岡本氏に取材した際、「今年は請負ではなく、知恵を出しての作品作りをしていきたい」と抱負を語っていた。ここには、ユーザーと対等な立場でモノ作りを進めていくという意味が込められていたが、06年春頃から対等な関係が築けなくなってきたというのだ。理由の1つは、交渉する相手がIT部門からエンドユーザー部門に変わってきたことにある。 IT部門はシステム化のシナリオやプライオリティ、利用する技術などを把握し、それらをITサービス会社に伝える。ところが、エンドユーザー部門はIT部門に比べると、システム構築というモノ作りの難しさに対する理解度が低い。所属する部門の事業計画と予算に基づいてシステム化を計画していくの
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