報道関係者に初めて公開された、リニア中央新幹線の改良型試験車先頭車両=3月25日午後、山口県下松市の日立製作所笠戸事業所 新型コロナウイルス感染拡大が、JR東海のリニア中央新幹線の整備計画に影響を及ぼしている。緊急事態宣言の5月31日までの延長が決まり、東海道新幹線の旅客数の回復が先延ばしとなったほか、リニア中央新幹線の工事の半分が一時中断を余儀なくされているからだ。同社は、運輸収入の約9割を占める東海道新幹線の収益力を背景に、リニア新幹線の建設費を全額自社で負担する計画だが、計画の見直しへの懸念が高まっている。 10年ぶり減収減益JR東海が4月27日発表した令和2年3月期連結決算は、売上高が前期比1.8%減の1兆8446億円、最終利益が9.3%減の3978億円の減収減益だった。減収減益となるのは10年ぶり。感染拡大などの影響で2月以降、東海道新幹線や在来線の輸送量が落ち込み、売上高は約7