測 候 時 報 第 80 巻 2013 - 15 - 気温観測用通風筒の特性調査 気象測器検定試験センター * 要 旨 気温をより正確に測定するために,日射や風雨の影響を遮蔽する様々な気象 観測用の通風筒が考案されているが,これまで客観的な影響評価がされていな い.そこで,通風筒の様々な性能を比較する基準を設け,技術的資料とするた めに,現在市販されている通風筒の中から,6 種類の強制通風式と 4 種類の自 然通風式を選定し,JMA-95 型地上気象観測装置用通風筒を比較基準として特 性調査を実施した. 強制通風式について,構造の違いにより日射の影響によると考えられる正の 気温差がみられた.これらは断熱材がない二重構造の場合であった.自然通風 式について,最大 +3.9℃,最小 -3.4℃の気温差が見られた.これらの要因は, 前者は日射の影響,後者は夜間の気温急変時における放射冷却による応