世田谷区奥沢にある小さなチョコレートショップ「世田谷トリュフ」。ショコラティエのウォーマック夕美子さん(65)が2019年夏に開いた、知る人ぞ知る和風トリュフの名店だ。 実はウォーマックさん、1980年代に宮下智の名前で田原俊彦の「ハッとして! Good」や、少年隊の「まいったネ 今夜」など、ジャニーズ・アイドルのヒット曲を数々生み出した作詞作曲家でもある。サンフランシスコ音楽院を首席で卒業し、昭和の華やかな芸能界で活躍した彼女は、1991年に結婚を機に渡米。そこからなぜ職人の道を選んだのか。波瀾万丈の半生を語っていただいた。(全3回の1回目。2回目、3回目を読む) ――はじめに、世田谷トリュフをオープンしたきっかけを教えてください。 本当に山あり、谷ありの人生を私は歩んできました(笑)。2017年10月までは、カリフォルニア・ワインの名産地ナパ・バレーに近いサンタローザという街に数年間住