戦争や原爆のマンガを描いたのは、たまたま縁があって、たまたま手が空いていただけ。みんなと同じように、できることをやりたかったからです。 核兵器がいまだになくならないのは、持っていればみんなが一目を置き、黙って言うことを聞くと思われているからでしょう。 でも、広島や長崎についてもっと知る機会があれば、決して、そんな考えにならないと思います。こんな兵器を使う者のことは、誰もが、恐れても、心の中では信用しないからです。 原爆や戦災を生き延びて、今…
戦争や原爆のマンガを描いたのは、たまたま縁があって、たまたま手が空いていただけ。みんなと同じように、できることをやりたかったからです。 核兵器がいまだになくならないのは、持っていればみんなが一目を置き、黙って言うことを聞くと思われているからでしょう。 でも、広島や長崎についてもっと知る機会があれば、決して、そんな考えにならないと思います。こんな兵器を使う者のことは、誰もが、恐れても、心の中では信用しないからです。 原爆や戦災を生き延びて、今…
医師免許がないのに客にタトゥー(刺青〈いれずみ〉)を施したとして、医師法違反の罪に問われた大阪府吹田市の彫り師、増田太輝(たいき)被告(29)の判決公判が27日、大阪地裁であった。長瀬敬昭裁判長は罰金15万円(求刑罰金30万円)を言い渡した。弁護側は即日、控訴した。 増田被告は2014年7月~15年3月、医師免許がないのに客3人にタトゥーを施したとして15年8月に略式起訴された。翌月、略式命令を受けたが拒否し、正式裁判を求めた。公判で弁護側は、タトゥー施術は病気治療などが目的の医療行為ではなく、憲法が保障する職業選択や表現の自由にも反するとして無罪を訴えていた。 タトゥー施術が医療行為にあたるかどうかが、最大の争点だった。判決は、医師法の定める「医業」について、医師が行わなければ保健衛生上の危害を生ずるおそれがある行為だと指摘。施術には皮膚障害を起こす危険があり、医学的知識や技能が不可欠な
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太陽の表面で起きる大規模な爆発現象「太陽フレア」により、江戸時代に史上最大級の磁気嵐が起きていた可能性が高いと、国立極地研究所と国文学研究資料館などのチームが20日、発表した。当時の日記に残されていたオーロラの記述から規模を推定した。 太陽フレアが起きて、地球に粒子が飛来すると磁場を揺さぶられて磁気嵐が起こり、オーロラも活発になる。1770(明和7)年9月17~18日には各地でオーロラが見られたという記述が、当時の天文現象をまとめた「星解」などの古書籍に残されている。 このうち、研究チームは京都府の伏見稲荷大社の経営を任されていた東羽倉(ひがしはくら)家の日記に注目。17日午後10時以降の「紅色の雲が北側の空の半分を覆い銀河(天の川)にせまり」「赤気のなかに白気がまっすぐ立ち上り、白気が一筋銀河を貫き……」という趣旨の記述と、この日の天の川の位置を元にオーロラの規模を推定した。その結果、オ
国内の科学者の代表機関である日本学術会議は、東京電力福島第一原発事故に伴う子どもの被曝(ひばく)線量が、旧ソ連で起きたチェルノブイリ原発事故より「はるかに低い」などとする報告書を公表した。そのうえで、健康影響の不安に対し、きめ細かなコミュニケーションの必要性を訴えた。 日本学術会議の放射線防護・リスクマネジメント分科会は、国際機関の報告書や国内外の学術論文などを整理。第一原発事故による子ども(胎児と0~18歳)への放射線の影響などを分析し、その結果を報告書にまとめて1日に公表した。 報告書は、第一原発事故による放射性物質の総放出量について、日本政府の情報などから、チェルノブイリ原発事故の約7分の1だったと指摘。また、県民健康調査では比較的、被曝線量が高いと予測された地域の約1万人の約95%が5ミリシーベルト未満で「ベラルーシやウクライナの避難者集団の平均と比べるとはるかに低い」と強調した。
12日正午過ぎ、沖縄県読谷村にある洞窟「チビチリガマ」が荒らされている、と警察に通報があった。嘉手納署が現場の状況を調べている。 読谷村役場によると、ガマ入り口の説明版が引き抜かれ、内部では瓶やつぼが割られて散乱していたという。 母の両親やきょうだい計5人が犠牲となった遺族会会長の与那覇徳雄さん(63)によると、ガマの入り口の看板が引き抜かれ、小さな骨や生活に使っていたビンなどを集めていたガマ内部では、ビンが割れ、入れ歯が動かされていた。遺族会は、ガマは犠牲者の墓でもあるとして立ち入りを禁止していた。「人のお墓に……。ショックと怒り」と憤った。さらに「なぜこんなことが起こったのか。許してはならない。遺族はまた苦しむ。だが、また立ち上がって平和を発信したい。こんなものには負けない」と話した。 チビチリガマは、沖縄戦の際、避難していた約140人のうち80人以上が集団自決した場所。ガマの入り口前
生物が生存できないと考えられてきた地下300メートルの地底に、メタンをエネルギー源とする微生物が生息していることを東京大などのチームが発見した。太古の地球の生態系などの解明につながる可能性があるという。英科学誌に8日、掲載された。 鈴木庸平准教授らは2013~15年、岐阜県瑞浪市にある日本原子力研究開発機構・瑞浪超深地層研究所の地下300メートル地点の岩盤に、直径5センチの穴を開けて地下水を採取した。岩盤はマグマが冷えて固まった花崗岩(かこうがん)で、エネルギー源が乏しいため、生物は生きられないと考えられてきたが、約200種類の原核生物と呼ばれる微生物が生息しているのを発見した。 さらに微生物の1種類の遺伝子を詳しく調べたところ、マグマに含まれるメタンからエネルギーを得ていることが判明。地上に光合成生物が現れた35億年前以前の太古の地球でも地底で存在していた可能性が示されたという。 鈴木准
戦国時代の下克上を代表する武将、松永久秀(1508?~77)。将軍や主君を殺すなど、裏切りを繰り返した「梟雄(きょうゆう)」とされ、最後は織田信長に攻められ、茶器とともに爆死したともいわれる。ところが、天理大の天野忠幸准教授(日本中世史)の研究で、これらの逸話は後世の創作や誇張で、実際には忠義の人だったことが明らかになってきた。 江戸中期に岡山藩の儒学者が記した逸話集「常山紀談(じょうざんきだん)」は、徳川家康が信長に対面した際、信長は久秀について「普通の人が出来ないことを三つした」として、将軍を殺し、主君を殺し、東大寺大仏殿を焼いたと紹介し、久秀は汗を流して赤面した、と記す。 現代でも多くの小説やマンガ、ゲームなどに個性の強い悪役として登場し、天野准教授も「調査するまで、主君を裏切り、暴れまくるイメージしか持っていなかった」。 ところが、久秀は父親の名前…
国土交通省は、観光地の交通渋滞を緩和するため、一般道を走る車からお金を徴収する制度を本格検討する。神奈川県鎌倉市と京都市が制度導入を目指す地域に選ばれ、今秋にも徴収に向けた実験を始める。実験結果を踏まえ、課金する地点や徴収方法を検討し、法的な枠組みを整備したうえで実際に徴収する実験に進む考えだ。 7日にあった同省の研究会で、応募のあった4自治体の中から、課金制度の導入に向けた計画が具体的だとして、鎌倉市と京都市が選ばれた。他には神戸市と長野県軽井沢町が応募していたが、課金を検討する範囲が絞り込めていないとして「計画の具体化を進めていく」とした。 今秋の実験では料金は徴収せず、議論の元になるデータを集める。走った道やブレーキをかけた場所を記録できる次世代型のETC車載器やカメラを活用し、季節や曜日、催しの有無によって、観光地の交通量や渋滞が始まる場所がどう変わるかを分析する。 徴収システムは
遺伝の法則の「優性」「劣性」は使いません――。誤解や偏見につながりかねなかったり、分かりにくかったりする用語を、日本遺伝学会が改訂した。用語集としてまとめ、今月中旬、一般向けに発売する。 メンデルの遺伝学の訳語として使われてきた「優性」「劣性」は、遺伝子の特徴の現れやすさを示すにすぎないが、優れている、劣っているという語感があり、誤解されやすい。「劣性遺伝病」と診断された人はマイナスイメージを抱き、不安になりがちだ。日本人類遺伝学会とも協議して見直しを進め、「優性」は「顕性」、「劣性」は「潜性」と言い換える。 他にも、「バリエーション」の訳語の一つだった「変異」は「多様性」に。遺伝情報の多様性が一人一人違う特徴となるという基本的な考え方が伝わるようにする。色の見え方は人によって多様だという認識から「色覚異常」や「色盲」は「色覚多様性」とした。 学会長の小林武彦東京大教授は「改訂した用語の普
細胞や動物の実験結果をもとに商品の宣伝をしている健康食品をよく目にします。また、細胞・動物実験の結果を報道する記事を目にすることもあります。このような情報は、生活習慣の改善や治療法の選択肢としてどれほど現実味のあるものなのでしょうか。 ▼細胞や動物で効果があったからと言って、ヒトで効果があるとは限らない ▼細胞や動物実験は、医薬品を開発するために必要不可欠な研究 ▼細胞や動物実験に基づく健康・医療情報に対する向き合い方には注意が必要 いきなりですが、ここで、クイズです。 ある日の新聞に「細胞の実験で抗がん効果が証明された」という記事があったとします。この記事の評価として、正しいのは次のうちどれでしょうか? 1.ヒトの治療薬(抗がん剤)として有効である。 2.ヒトの治療薬(抗がん剤)として有望である。 3.ヒトの治療薬(抗がん剤)になる可能性がある。 答えは、 「1.×(明らかに間違い!)」
埼玉県坂戸市小沼で「金魚仙人」と呼ばれている金魚養殖家・川原やどる(うかんむりに居)さん(97)が今春、品種改良で緑色の金魚の繁殖に成功した。約40年前、金魚を飼い始めて間もなく決意してから、様々な品種同士の交配と失敗を繰り返してきた。「ついにやった。生きているうちにできて良かった」と感慨深げだ。 長崎県生まれの川原さんは、元陸軍砲兵でシベリア抑留の経験もある。帰国後、仕事で親族を頼り坂戸へ来た。機械工場で働くかたわら、「娯楽がない土地だったから」と趣味で金魚を飼い始め、定年退社後、本格的に品種改良と販売に乗り出した。「他にないから」と、緑色に挑むことにした。 当初は、親のどちらかに似た色柄ばかりでうまくいかず、試行錯誤と苦労の連続だったという。やがて、黄色が鮮やかな「ミューズ」、ひれが長く優雅な「オーロラ」などのヒット作を生み出した。 青色と黄色を交配させれば緑…
飼い犬への年1回の接種が義務づけられている狂犬病ワクチンをめぐって、獣医師がもめている。自治体からの委託で集団接種をしている獣医師会の設定料金に対して、獣医師会に所属しない獣医師が格安で実施。愛犬家にはうれしいことだが、獣医師会は「国民の健康を守るワクチンなのに、このままでは接種率が下がってしまう」と反発する。いったい何が起きているのか。 本間獣医科医院(本院・静岡県磐田市)は今年、ホームセンターなど21都府県の305カ所で狂犬病のワクチン接種を行った。料金は1回2千円(税抜き)。獣医師会の設定料金より3割ほど安い。「消費者サイドに立って、安全なワクチン接種を適正な値段でやっている」 こうした動きの広がりに対して、獣医師会からは「国民の健康のための事業で、ビジネス感覚でディスカウント(値下げ)が広く行われている」といった批判が出ている。 狂犬病のワクチン接種は、狂犬病予防法で義務づけられて
コウノトリの保護・増殖活動に取り組む兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市)は12日、秋田県仙北市でコウノトリの飛来が確認された、と発表した。これで国内で放鳥が始まった2005年以降、47都道府県すべてでコウノトリの飛来が確認されたことになる。 秋田市在住の会社員遠藤英之さん(41)が11日、電柱の上にいるコウノトリを撮影し、郷公園に写真を提供した。装着していた足輪から、15年3月に千葉県野田市の飼育施設で生まれ、その後放鳥されたメスと確認された。 国内の野生のコウノトリは46年前にいったん絶滅。人工繁殖を経て、05年に豊岡市で放鳥されて以来、野外の生息数が徐々に増え、今年6月には100羽に到達していた。郷公園の山岸哲園長は「コウノトリの野生復帰は、私たちが掲げた『全国へ、そして世界へ』の合言葉がひとつ実現し、新しいステージへと入ったと確信しています」とコメントした。(藤本久格)
その瞬間まで、確かにそこにあった街、暮らし、命。当時の人々の営みを丹念に描いた映画「この世界の片隅に」がロングランを続けている。主役のすずが見つめた風景から、失われたものに思いをはせる。原爆投下から、きょうで72年――。
東京電力福島第一原発事故から6年余り。人の姿が消えた町では、手つかずの自然が生活の痕跡をのみ込み、辺りを緑一色に染めていた。7回目の夏を迎えた福島の帰還困難区域をドローンで撮影した。 双葉町の沿岸部。風でたなびく雑草の中に取り残された車が見えた。除染廃棄物の中間貯蔵施設の建設が予定されるこの周辺は、津波が押し寄せた田んぼだったという。 双葉町営広町住宅。妻と2人の子どもと暮らしていた男性(38)は「若い家族が多く、子どもたちの遊ぶ声が家の中までよく聞こえていた。思い出はいっぱいあるけど、今は戻ることは考えられない」と話す。 大熊町立熊町小。雑草は腰の高さまで伸び、鉄棒などの遊具には草が絡まっていた。 サッカーゴールが置かれたままの校庭にセミの鳴き声が響いていた。(写真・文 竹花徹朗 小玉重隆)
自費診療で高額な治療を提供しているクリニックのウェブサイトでは、治療前後でCT画像を提示して「がんが消えた」と称するなどしています。本当にがんが消えるのならいくらでもお金を出す患者さんもいるでしょう。私も患者さんを紹介したいです。 ただ、信頼できるかどうかを検証するためには情報が必要です。科学においてはデータは第三者が検証可能なように論文として発表されますが、こうしたクリニックのウェブサイトでは論文の文献情報が記載されていることは稀です。また、文献情報があっても元の論文を読むと、動物実験や試験管内レベルの話にすぎないことが多いです。仕方がないのでウェブサイトに載っている情報を吟味するのですが、治療前後の画像をよく見ると撮影条件が異なるなどします。 撮影条件の一つに造影剤の使用の有無があります。造影剤とは画像検査のときに診断能力を上げるために使う薬剤です。造影剤にもいろいろあって、一般の方に
原発の使用済み燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)を地下深くに埋める最終処分場の選定に向け、経済産業省は28日、処分に向いた特徴を持つ可能性がある場所を示した全国地図「科学的特性マップ」を公表した。火山や活断層、炭田などがなく、船による輸送もしやすいといった条件を満たす「好ましい」地域は、国土の3割に上った。経産省は今後、処分場に関心がある自治体が現れれば、詳しい調査への協力を申し入れる方針だ。 最終処分場は、使用済み燃料を溶かしてガラスと混ぜた固化体を300メートルより深い地下に埋める「地層処分」をする。ガラスや容器が数万年で溶けても、放射能が地表に影響しないレベルに下がる10万年は閉じ込められるよう、地下水や地盤の変化などの影響が少ない場所を探す。 地図は、これまでに公表されていた活断層や火山、地盤などの情報をベースに、日本全国を4色に色分けした。火山から15キロ以内や活断層の
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