ブックマーク / finalvent.cocolog-nifty.com (24)

  • 韓国への輸出規制強化は中国問題ではないのか?: 極東ブログ

    半導体などの原材料について、韓国への輸出規制が強化された。NHKはこれを、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題が背景にある措置だろうという見解を報道していた。そうだろうか? 「半導体などの原材料 韓国への輸出規制強化」より。 政府は、韓国に対する輸出の優遇措置を見直し、半導体や軍需物資の製造などに使われる原材料について輸出の規制を強化します。「日韓の信頼関係が著しく損なわれたと言わざるをえない状況だ」としていて、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題などが背景にあると見られる異例の措置です。 このニュースはこう続く。 経済産業省は、韓国に対して、安全保障上の友好国に与えている輸出管理の優遇措置を見直す方針を発表しました。 合わせて、高純度のフッ化水素、フッ化ポリイミド、それにレジストの3品目について輸出の際の規制を強化します。 これらの3品目は主に半導体などの製造に使われますが、軍需物資の製造に

  • 香港大規模デモについて: 極東ブログ

    現下の香港の大規模デモについては、日のメディアでもけっこう報道されていることと、このブログでは香港の民主化についてこれまでも扱ってきたので、ごく簡単に言及しておきたい。 まず、なぜデモなのか?という原点を確認したい。これがもっとも重要な点だとも言える。理由は、議会が普通選挙による民主的な議会ではないためだ。日のように普通選挙が実施されている民主主義国なら、市民はデモを行っても当然よいが、政治参加としては投票に次ぐものになる。ところが、香港には、市民の普通選挙がない。市民の意思表示は、デモ以外にはないのである。 この原点が意味するところは、2つに分けて考えてもいい。①議会が市民の代表ではないということ、②普通選挙が実施されていないこと。前回の雨傘運動は、この普通選挙を求めるものだった。そして、その意味での、普通選挙を求める香港市民の意思は変わりない。そこが目標でもある。 次に、現下のデモ

  • カトリーヌ・ドヌーヴを含め100人の女性が主張したこと: 極東ブログ

    ル・モンドで発表された(参照)、カトリーヌ・ドヌーヴを含め100人の女性が主張したことを、自分でも考えてみたいと思い、仮訳してみました。誤訳があるかもしれません。というか誤訳が多いかもなので、あくまでご参考までに。 《私たちは、性的自由に不可欠な、迷惑をかける自由を擁護します。》 レイプは犯罪です。しかし、しつこかったり下手くそだったりしても女の気をひこうとする行為は違反ではありませんし、女をくどくことは男性優位主義の攻勢でもありません。 ワインスタインの事件後、特に権力を乱用する男性のいる職場において、女性に対する性的暴力が法的に認識されるようになりました。それは必然的なことでした。しかし、その言論の自由は今日逆の方向を向いています。こうすべきだという口調や、むっとくる人を黙らせることを私たちに命じています。そして、そうした押し付けを拒む女性は、裏切り者だ、同罪だと見なされます! 魔女狩

  • [書評] 隷属なき道(ルトガー・ブレグマン): 極東ブログ

    ブログが長く休止状態だった昨年だが、その休止を挟む10月22日に実施された衆院選挙に関連して、私はポリタスに『たぶんあなたは採用しない「3つの投票方法」』(参照)という寄稿をした。この寄稿には自分ではいくつかのモチーフがあった。一つには、日風のリベラルと保守の対立は党派的すぎて、もし来のリベラリズムがあるのなら、ごく簡単な原則を基的な要素として重視するはずだという指摘がしたかった。これに実質的にはアイロニカルな含みが生じるのはわかっていた。いわゆるリベラル派が党派性のために来のリベラリズムを二次的なものにしていることへの批評である。 しかしこうした私の主張は、批評的アイロニーの想定内であるように、あまり顧みられることはなかった。私としては、リベラリズムの倒錯的な状況よりも、もっと来のリベラリズムが何を主張すべきなのかという指標を描くことが重要だと思っていた。そのとき、おそらく指標

  • [書評] メディア不信(林香里): 極東ブログ

    簡素だが興味ひかれる表題への関心と、それが岩波新書であることの信頼から、『メディア不信(林香里)』(参照)を読んだ。なるほど、表題が示すテーマを簡潔にそれでいてグローバルにきちんとした論旨でまとめていている好著だった。が、微妙にではあるが、当初このを手にしたとき期待していたものはそれだったのだろうかと、読後、小さな疑問がわいた。きちんとまとまった論旨の背景にある現在性と自分がそのなかで生活している現在の感覚に微妙なずれのような感覚も覚えた。そこだけ取り上げて誇張するなら、なんというのだろうか、宇宙人に宇宙船に連れられてきて、ほらあれが君の星、地球だよ、と告げられているような感覚だろうか。 構成はわかりやすい。まず、「メディア不信」という問題提起が序章にあり、第一章ではドイツの事例(右翼グループ台頭)、第二章ではイギリスの事例(Brexit)、第三章では米国の事例(トランプ現象)という展開

  • [書評] 日本の地下で何が起きているのか(鎌田浩毅): 極東ブログ

    今年を振り返って何があっただろうかといろいろ思うなかで、熊の地震はどうだっただろうというのがあった。すぐに何か勘違いしていることに気がついた。あれは2016年のこと、昨年のことだった。一年半くらい前になるし、何より今年の出来事ではない。なのに奇妙に心に引っかかったのは、あの地震がどことなく終わった感じがしないことだった。 東北大震災の後もそうした、思いの引っかかりがあった。阪神大震災の後もあった。そしてもう少し何かが引っかかっている感じがして心を探ってみると、人の生きる時間と自然の時間の、埋めがたい差のような何かがある。人は生きてたかだか100年といったところだが、地球の歴史では100年はわずかなものだ。だが、そのわずかの人間の生の時間に、1万年単位の歴史が交差する。地震や火山爆発はそうした象徴のように思われたし、日列島に生きることの意味を別のロングスパンで考えさせられた。 思いのなか

  • 都議選は数字上は革命的な結果になりそうだが: 極東ブログ

    今回の都議会選挙の目玉は、知事支援の小池新党とも言える「都民ファーストの会」(以降、都民ファースト)という新しい地域政党の出現だろう。そこで、この党について3つの問いから考えてみたいと思っていた。と、過去形で書くのは、当初この記事はポリタスへ記事としたかったのだが、状況の見極めと、自分の考えをまとめるのに間に合わず、今日の選挙日を迎えた。 とりあえず、その3点だが。 ① 都民ファーストは勝つのか? ② 都民ファーストとは何か? ③ 都民ファーストが勝つことで何が起きるのか? 都民ファーストは勝つのか? まず、「勝つ」を定義しておかなくてはならない。基的は、議会において同党の主張が優位を保てる過半数を超える状態にもっていけることだ。都議会定数が127なので、同党とその連携政党でその過半数を超える64名の当選が、ゆえに「勝つ」ということになる。 前提となるのは、都民ファーストの立候補者は50

    都議選は数字上は革命的な結果になりそうだが: 極東ブログ
  • 朴槿恵韓国大統領弾劾議案可決での雑感: 極東ブログ

    朴槿恵韓国大統の弾劾議案が国会で可決し、大統領の職務が停止となった。この件については他国の内政でもあり、またこういう結末になることも予想していたので驚きはないものの、現実として直面すると、ある種の落胆のような感覚があった。憲法というものがどうあるべきか、憲法はどう機能すべきか、という思いでもある。 日では、憲法といえば、連合国統治下に日国が置かれた主権のない時代に制定された成文法である日国憲法が想起されるが、憲法の原義は国家構成の規定であり、1つの成文法である必要はない。いずれにせよ、そうした国家構成の規定という点で韓国のこの事態を見て、いろいろ考えさせられるものがある。 民主主義国において憲法は基的に国家の権力を縛るものである。が、同時に民主主義の質的な欠陥である衆愚政治における衆愚の権力に歯止めをかける仕組み(構成)でもある。 当然のことだが、韓国の今回の事態が、衆愚政治の結

    朴槿恵韓国大統領弾劾議案可決での雑感: 極東ブログ
  • オバマ米大統領が広島に運んだ核兵器の発射ボタンに言及したインデペンデント紙の記事について: 極東ブログ

    オバマ米大統領の広島訪問は海外でも広く報じられた。そのなかで少し関心を引いたのが、インデペンデント紙の記事「広島のバラク・オバマの高慢な修辞は、彼の混合した記録と矛盾している(Barack Obama's soaring rhetoric in Hiroshima contradicts his own mixed record)」(参照)」だった。 記事の副題には、「在任中、オバマ大統領はアメリカの核の力を向上させるために30余年の努力を開始した(In office, President Obama has launched a three-decade effort to upgrade America's nuclear strength)」とあるが、これが表題にある「his own mixed record(彼の混合した記録)」に呼応している。一方では核廃絶の修辞を高慢に掲げつつ、

    オバマ米大統領が広島に運んだ核兵器の発射ボタンに言及したインデペンデント紙の記事について: 極東ブログ
  • 中国軍事パレードで気になったこと: 極東ブログ

    昨日、北京では6年ぶりに行われた大規模軍事パレードで、西欧諸国を除く各国から多くの首脳が参加したが、なかでも注目されたのは、国際刑事裁判所(ICC)から、人道に対する罪および戦争犯罪の容疑で逮捕状の出ているスーダンのオマール・アル・バシル大統領が参加したことだった(参照)。以下、バシル容疑者と記す。 バシル容疑者が中国共産党政府からどのような扱いになるのかは気になることでもあったので、NHKの7時のニュースで記念写真を取る様子を見たところ、小柄ながら中央に目立つ韓国の朴槿恵大統領からずいぶん離れ、正面から見て右の端のほうにオマール・アル・バシル容疑者が映っていた。 バシル容疑者への人道に対する罪および戦争犯罪の容疑は、20万人とも30万人以上が殺害され、数千人がレイプされ、数百万人が避難民となった2003年以降のダルフール紛争についてである。具体的には次のようにまとめられている。2009年

  • アキノ比大統領が日本に期待していたこと: 極東ブログ

    フィリピンのアキノ大統領が2日に来日し、国会や都下で講演を行なった。非常に興味深いものだった。そこまで踏み込んで発言するのかと意外にも思えたのは、質問に答えた形ではあったが、中国の軍事侵出をナチスに例えたことだった。AFP「来日中のフィリピン大統領、中国をナチスにたとえる」(参照)より。 都内で開かれた国際交流会議「アジアの未来(Future of Asia)」に出席したアキノ大統領は、中国の脅威とそれを抑制する米国の役割に関する質問を受け、「真空状態が生じて、例えば超大国の米国が『わが国は関心がない』と言えば、他国の野望に歯止めがかからなくなる」と回答。 さらに、「私は歴史学を学んだアマチュアにすぎないが、ここで思い出すのは、ナチス・ドイツがさぐりを入れていたことと、それに対する欧米諸国の反応だ」と述べ、第2次世界大戦(World War II)勃発の前年にナチス・ドイツがチェコスロバキ

    アキノ比大統領が日本に期待していたこと: 極東ブログ
  • 駅名をなぜハングルで表示するのだろうか: 極東ブログ

    新宿を歩いていてふと「西武新宿駅」という表記に目が止まった。我知らずという感じである。この時の意識が自分でも不思議なのだが、なぜその表記を見ているのか、理解していない。自分がなぜ?と改めて思ってから我に返る。そこにあるハングル表示が気になっていたことに気がつく。「세이부신주쿠역」 それが「西武新宿駅」の表記であることはわかる。口を突いて読んでみる。「セイブシンジュクヨ」。たしかに。最後の「역」は韓国語の「駅」を意味する言葉で、音の響きからわかるように、元は漢字の「駅」である。 というところで、はぁ?と変な気持ちになった。その時の意識もよく思い出せないが、口をついて今度は中国語で読んでいた。「シーウーシンスーイー(Xīwǔ xīnsù yì)」最後の「駅」は、日語では「站」だから、「シーウーシンスーチャン(xīwǔ xīnsù zhàn)」のほうがいいだろうか。 中国語はいい。漢字を読めば

  • 平和安全法制をどう理解するか?: 極東ブログ

    昨日14日、政府は臨時閣議で「平和安全法制」関連法案を閣議決定した。これから国会で審議されることになる。同法制については、ネットなどを眺めても賛否の声がいろいろある。そうした国民の各種の声を国会での熟議に反映させることは民主主義国としてよいことだろう、と思う。 私はこれをどう考えているのか? 私はどういう意見を持っているのか。賛成なのか反対なのか? 率直に答えると、わからない、のである。 しかし、いずれ可否が決まるのに、どうするのか?とさらに問われるなら、現時点で取り分け反対ではないので、結果が賛成ということになればそれでよいと考えている。 なぜ、そんななさけないことになってしまったのだろうか? その理由をブログに書いてみたい。 結論を先に書く。「平和安全法制」は私の理解を超えている。それはどういうことなのかというのは後で触れる。ようするに「わからない」のである。なさけないなと思うが、どう

  • オバマ大統領が後世に残す名言「武力でわからせてやる!」: 極東ブログ

    ぼけっと国際ニュースを見ていたら、オバマ大統領が出て来て、またなんかごにょごにょ言っているなあと聞き流していたのだが、ふと、え?と思った。ちょっと待って。今、なんて言ったの? ほかのこと考えていた。 ニュースは録画したのを見ることにしているので、おもむろに今のところに戻ってみた。あんだ? 赤毛のアン? ちがう。おいおい、なんか、すげーこと言っているぞ。 話は、24日、ニューヨーク開催の国連総会で演説である。イスラム教過激派組織「イスラム国」打倒の演説である。ブッシュ大統領のときのように各国に支援を求めていたのだが、その中で、こう言っていた(参照)。 The only language understood by killers like this is the language of force. こんな人殺しがわかる言葉は、唯一、軍事力という言葉である。 「ランゲージ(language)

  • 韓国は侵略戦争の被害者ではなく共犯者だったと言っても韓国政府に通じない理由: 極東ブログ

    この手の議論には参戦したくはないし、する気もないが(原理的に不毛だからということをこれから説明する)、このところなんどかツイッターとかで見かけたブログの話題に、韓国は侵略戦争の被害者ではなく共犯者だった、というのがあった。 そういうネタを書く人々のことがまったく理解できないわけでもないし、いやそれは違うと反論したいわけでもない。だがそれ以前に、そのネタ話は、原理的に韓国政府に通じない理由は、はっきりさせておいたほうがいいんじゃないかとは思った。ネタを真面目に受け止めている人が多そうなである。 ところが、ネタを正す話になるとあまり見かけないように思う。ネットだとどうしても反韓か反日みたいな紅白歌合戦風になってしまうので、しかたがないのかもしれない。簡単に概要だけはメモしておきたい。 このネタ話だが、前提を簡単にまとめておく必要があるだろう。曰く……戦前の朝鮮半島は日の領土であり、その地の市

  • 広島市の土砂災害で心にずっとひっかかっていたこと: 極東ブログ

    広島県広島市で先月20日に発生した土砂災害のごとか、ぼんやりとだが、ずっと心に引っかかっている。 なにが、どう、自分の心に引っかかっているのか、うまく言葉にならないので、さらに心にひっかかる。結論も主張もないが、そのひっかかりの感覚からブログで少し言葉にしてみたい。 心のひっかかりの一つの焦点は死者が多いことだ。正確には思い出せないが、海外報道で、日の自然災害でこれだけの多数の死者を出したのは東北大震災以降初めてのことだ、という指摘を見かけた。海外報道で見ることで、これは大災害だなと私は思った。BBCなどもよく報道していた。 災害後しばらくは死者数が確定しなかった。現時点では、死者73名、行方不明者1名、重軽傷合わせた負傷者44名(参照)とのこと。行方不明者の探索はほぼ終わり、死者数も確定したかに見える。 なぜ先進国の日で土砂災害で多数の人が亡くなってしまうのだろうか。そうナイーブに疑

    広島市の土砂災害で心にずっとひっかかっていたこと: 極東ブログ
  • パソコン遠隔操作事件、その後の雑感: 極東ブログ

    世間的にはパソコン遠隔操作事件はあっという間に終わってしまったのかもしれない。だが、この数日間、関連して私の心には奇妙に沈んだものがあった。でもなあ、また、いやなコメント貰うくらいなら黙っていてもいいのだけど、とも思う。でも、やはり少し書いておこうかとも思う。うーん。書いてみよう。 その話の前に、関連はあるけど、直接的に関係した話ではないことに少し触れておきたい。佐藤博史弁護士の会見報道(参照)で思ったことだ。この部分である。 《あふれる涙をこらえる姿を見せると、会見場に詰めかけたカメラマンは一斉にシャッターを切った》 佐藤弁護士「ただ、これから私たちの仕事は胸を張ってというものではないですが、これ(弁護人に嘘をついていた片山被告の弁護)も仕事と割り切っている」 《佐藤弁護士は、カトリック教会における「悪魔の代理人」という言葉を引き合いに出した》 佐藤弁護士「宗教裁判で悪魔として裁かれる人

    パソコン遠隔操作事件、その後の雑感: 極東ブログ
  • 李白「静夜思」を巡って: 極東ブログ

    中国語の勉強をしていると漢文について学んだことが別の視点から見えるようになっていろいろ面白いのだが、なかでも漢詩について得ることが多い。どういうことかという一例として、李白「静夜思」を取り上げてみたい。 暗記し、吟詠している人もいるだろう(ちなみに僕もね)。味気ないけど、あえて横書きにするとこう。 床前看月光 疑是地上霜 挙頭望山月 低頭思故郷 下しはいろいろあるかと思うが、私の場合。 床前、月光を看る 疑うらくは是れ地上の霜かと 頭を挙げて山月を望み 頭を低れて故郷を思う いきなり余談だが、現在の中国では縦書きはほとんど見かけない。先日、自分が中国語を勉強しているという話を人にしたおり、日語と中国語は縦書きですよねという話になり、いや、そうでもないんですよと言うと驚いていた。さておき。 吟詠は流派とかあるんだろうけど、こんなたとえば、こんな感じ。録音悪いけど、字面が見やすいので。 若い

    李白「静夜思」を巡って: 極東ブログ
    toyoashiara
    toyoashiara 2014/05/01
    >唐というのが日本文化の成立に与えた珍妙な影響は大きなもんだなと思うし、反面、唐が早々に滅亡したおかげで、日本文化が、変な方向に自由に進んでいくことができたのだろうなと、しみじみとする。
  • ウクライナ連邦制が落とし所: 極東ブログ

    ウクライナ情勢でそれなりに見えてきた点についてこの時点で簡単に言及しておきたい。落とし所としてのウクライナ連邦制がようやく見えてきた。 クリミアのロシア編入に続いて、西側報道ではウクライナ東部がどうなるか、ロシアに編入されるかという領土的な枠組みで話題になることもあった。だが、ロシア、プーチン大統領の出すメッセージは当初からこの点では明瞭だった。クリミアが「固有の領土」であると言及した時点で、ウクライナ東部編入はないことは自明だった。 しかしこの問題が「固有の領土」の問題ではなく、ロシア系住民の安全の問題となれば、ロシア軍が動くことは避けられないし、その覚悟も示さざるを得ない。このことは実は西側諸国も了解していたので、ウクライナ暫定政権が挑発に出ないよう気をもんでいた。 混迷にロシア政府の関与はないのか。ウクライナ東部のドネツクで政府庁舎などを占拠した親ロシア派武装勢力の背後にロシアの支持

  • [書評]近代書き言葉はこうしてできた(田中牧郎): 極東ブログ

    近代日語がどのようにできたか。これがよくわからない。特に近代日語の書き言葉がどのように成立したのか、少なくとも関心をもってきたはずの私にはよくわからない。研究はされているんだろうが、ざっと見たかぎりでは文人の文体論のようなものが多く、それだと言語現象の説明とは違う。 特に気になっていたのは、「だ」がどこから生じたか、なのだ。これがよくわからないのだ。 という、文末の「だ」である。 常体というやつで、もうひとつ「である」がある。「吾輩はである」の「である」である。現代の常体だと「吾輩はだ」とも言える。では、「である」と「だ」はどこから生じたいのか。 もちろん、まったくわからないわけではない。辞書を引くとそれなり説明はあるにはある。デジタル大辞泉(参照)は比較的詳しい。 [助動][だろ|だっ・で|だ|(な)|なら|○]《連語「である」の音変化形「であ」がさらに音変化したもの》名詞、準体

    [書評]近代書き言葉はこうしてできた(田中牧郎): 極東ブログ