広告最大手の電通の元エンタテインメント事業局企画業務推進部長(46)が2002〜08年、本来の目的とは異なる業務発注を繰り返し、40億円以上を流用していたことがわかった。取材に元部長が認めた。親族が役員だった広告会社などに業務を下請けさせ、入った資金を運営を担当していた音楽施設の資金繰りの穴埋めなどに使っていたという。 元部長は社内調査にも一連の発注を認め、電通は元部長を懲戒解雇とした。元部長による一連の取引を巡っては、業務委託先の3社が電通などを相手取り、未払いの委託料など計約46億8700万円の支払いを求める訴訟を東京地裁に起こしている。 元部長や電通によると、元部長は東京都渋谷区にあるライブハウス「シブヤボックス」の立ち上げにかかわり、02年4月、電通やテレビ東京などがこの施設の運営目的で設立した共同事業組合の事務局次長に就任した。 元部長によると、知人が役員を務めていた大阪市