出版界の活性化を、と10数年前にスタートした「本の街 神保町を元気にする会」が毎年1回発行する「神保町が好きだ!」という小冊子がある。故鷲尾賢也氏(講談社OB)の発案で創刊され、5号から野上が編集を引き継いだ。昨秋発行の第12号では「いま、出版社のPR誌はこんなにおもしろい!」を特集。そこでは、1897(明治30)年に丸善から創刊された「學の燈(まなびのともしび)」(1902年から「學燈」)に始まり、1936(昭和11)年に岩波書店から刊行された「岩波月報」(38年に「図書」に改題)や、戦後各社から刊行されたPR誌の歴史と現在を俯瞰した座談会の他、岩波書店、有斐閣、集英社、筑摩書房、小学館、平凡社のPR誌担当者に編集方針や現状を寄稿してもらった。 一口にPR誌といっても発刊の趣旨やねらいも微妙に違い、誌面を比較してみると、各誌各様の特徴が際立って見えて面白い。岩波書店の「図書」は、戦中の1