このあいだ撮った私の写真ちょうだい。 彼女を撮った写真をUSBメモリにコピーして渡すことにした。 うん、メモリに入れて会ったら渡すよ。 いつでも会ったときに渡せるようにUSBメモリをポケットの中に入れていた。 写真もらっていい?私今から帰るけど。 そう言われて彼女にUSBメモリを手渡した。 全部写真入ってるから、上手く撮れてるのが何枚かはあるよ。 そう言うと彼女はニコッと笑って、 ありがとう。あなたのパソコンの中にも写真コピーあるの? はにかんだ感じに見えた彼女は、そのままそう言いながら、 すーっと夜の闇に融けるようにして帰って行った。 律儀な彼女だから、近々USBメモリ返しに来るだろう。 でも、返してくれなくてもいいかな、って思う。 想いをのせて撮った写真のかけらが彼女のそばにあるんだから。