「つけ麺大王」というラーメンチェーンをご存じだろうか。 昭和50年代に都内を中心に、最盛期は1日1店舗ペースで展開。つけ麺という名称を始めて用いた元祖にして、麺をスープにつけて食べるというスタイルを世に知らしめた一大フランチャイズチェーンだったが、時代の流れとともにいつしか街角から姿を消していった。 残った店舗は各店舗独自に定食メニューなどを充実させ、街の中華店的に営業を続けているが、総本店を掲げる自由が丘店は、炒め物以外につけ麺も、他の「つけ麺大王」とは一線を画す独自進化を遂げているという。 かつて一世を風靡(ふうび)したつけ麺の立役者は今どうなっているのだろうか。創業家三代目の槇大介氏に話をうかがってみた。 大勝軒のつけそばがヒントに ▲自由が丘総本店店長にして三代目の槇大介氏 ── 総本店とありますが、創業からずっと自由が丘なのでしょうか。 槇氏:いえ。ウチの祖父は戦前に大井町で中華