→紀伊國屋書店で購入 著者のカーター・J・エッカートは朝鮮史を専門とするアメリカの歴史学者でハーバード大学コリアン・インスティチュート所長をつとめている。本書は韓国近代史の基本図書とされている本で、副題に「高敞の金一族と韓国資本主義の植民地起源 1876-1945」とあるように、京城紡織株式会社をおこして大財閥となった高敞金氏の発展をたどりながら、韓国資本主義の起源が日本統治時代にあったことを立証した研究である。 高敞金氏といっても日本ではなじみがないが紡績業で成功をおさめた民族資本家で、1939年には南満洲紡績会社を設立し、役員も技術者も三千人の職工もすべて朝鮮人の大工場を奉天近郊に建設するまでになった。ちなみに韓国三大紙の一つである東亜日報と名門私立大学として知られる高麗大學校は金一族が創立したものである。 エッカートは朴正煕時代の韓国に平和部隊の一員として滞在し、後に「漢江の奇跡」と