就任後に初めて臨んだ施政方針演説で、岸田文雄首相は「国会での議論を通じた憲法改正への世論喚起」を訴えた。憲法論議と言ったら「改憲」VS「護憲」、あるいは「保守」VS「革新」が対立軸のような気がしていたが、それよりもずっと手前の段階に本質的な問題が横たわっていると言うのは、政治学者の境家史郎・東京大教授(43)だ。「ルール無視の現況が続けば、下手をすると憲法の死文化を招く危うさがあるのです」 憲法について、政治家も学者もムズカシイ言葉を振りかざすけれど、はっきり言って、ややこしくて、よく分からない。東京大法学部の3号館に境家さんを訪ねると、いきなり謎かけをされた。「日本で一番有名な憲法を知っていますか?」。まごついていると、境家さんはこう続けた。「聖徳太子の十七条の憲法です」 日本史の教科書に載っているアレですか? 「憲法って何となく聖徳太子の時代の『和をもって貴しとなす』みたいなイメージを
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