民間の事業者が街頭に設置している防犯カメラの画像と、警視庁が所有するテロリストらの画像を機械的に照合するシステムを、警視庁が昨年三月から試験運用していることが、警視庁への取材や情報公開請求で開示された文書で分かった。カメラの所有者や設置場所、具体的な運用方法は明らかにされておらず、いつ、どこで、どのような画像が使われているのか、都民に知らされないままの運用が続いている。　開示された文書などによると、試験運用しているのは「三次元顔形状データベース自動照合システム」で、民間の防犯カメラ二十台と接続している。　カメラに写った映像の中から人の顔を検出し、警視庁が作成したテロリストや指名手配容疑者の顔画像のデータベース（ＤＢ）と自動的に照合。ＤＢと一致した顔が見つかると、カメラの設置場所を管轄する警察署に自動通報され、警察官が急行する。一致しなかった画像は廃棄する。　テロリストらの二次元画像を情報技

東京電力の社員や家族だけを診療し、稼働率が低い東電病院（東京都新宿区）を東電が保有し続けている問題で、東京都の猪瀬直樹副知事は２７日、株主総会で東電側が虚偽の答弁をしたとして「東京都を冒涜（ぼうとく）する発言だ」と文書で抗議し、発言の撤回と陳謝を求めた。

安中市の鉄道テーマパーク「碓氷峠鉄道文化むら」で十九日、機関車の故障により現在運休中の「トロッコ列車シェルパくん」の代替ディーゼル機関車が搬入された。早ければ今週末にも運転が再開される見通しとなった。　（樋口聡） シェルパくんは、同文化むらから旧丸山変電所を経て碓氷峠の森公園・峠の湯までの二・六キロを結ぶ人気アトラクション。五月の大型連休中に、エンジンの動力を車輪に伝えるトルクコンバーターと進行方向を変える逆転機が壊れ、運行不能になった。 機関車は、旧国鉄が碓氷峠専用の保線用に製造したＴＭＣ５００Ａ機関車二両のうちの一両。今では修理部品がなく、運行可能な車両も国内では見当たらないため、機関車の新造が決まった。完成までの間、東京の車両整備会社から代替機関車を借りることになり、この日の納車となった。

北総鉄道（鎌ケ谷市）は２８日、東日本大震災で被災した東北・関東の鉄道会社の硬券乗車券セット「スクラムきっぷ〜鉄路は未来へとつづく」を発売する。「鉄路の仲間たちの一日も早い復興を願って制作した」（同社）といい、乗車券５社分が入って１４００円。２０００セットを用意した。売り上げは額面通り各社に分配する。 セットに盛り込まれたのは北総鉄道のほか、三陸鉄道（盛岡市）、阿武隈急行（福島県伊達市）、ひたちなか海浜鉄道（茨城県ひたちなか市）、鹿島臨海鉄道（同県大洗町）の各乗車券。鉄道施設や車両が深刻な被害を受け、いまだ一部区間で運休が続いている路線もある。券面には各社の代表的車両がプリントされ、来年の３月３１日まで有効。北総線各駅で販売されるほか、通信販売も。問い合わせは、北総鉄道運輸部営業課＝電０４７（４４５）１９０１＝へ。

福島第一原発をイメージしたと思われる、故岡本太郎氏の「明日の神話」に描き加えられた部分＝１日午後、東京・渋谷駅構内で 東京・渋谷駅構内に飾られている画家の故・岡本太郎氏の壁画「明日の神話」の一角に、福島第一原発事故をイメージさせる絵が付け加えられていたことが一日、分かった。絵を描いたベニヤ板を張り付けており、何者かのいたずらとみられる。警視庁渋谷署も把握し、同日夜にＮＰＯ「明日の神話保全継承機構」（渋谷区）の立ち会いのもとで、ベニヤを撤去した。　「明日の神話」は岡本氏が一九六八〜六九年にかけてメキシコで描いた縦五・五メートル、横三十メートルの巨大壁画。五四年に米国の水爆実験で日本漁船が被ばくした第五福竜丸事件などをモチーフにしている。行方不明になっていたが二〇〇三年に発見。修復作業を経て〇八年十一月、渋谷駅のＪＲ改札と京王井の頭線改札の間にある通路に展示された。　ベニヤの絵は福島第一原発の

ひたちなか海浜鉄道の「アイドル」で、那珂湊駅にすむ雄の黒猫「おさむ」が無事だったことが分かった。東日本大震災後、地元やファンからおさむを心配するメールなどが海浜鉄道に寄せられていた。 おさむは五、六歳で一昨年から駅にすみついた。海浜鉄道は利用者増につなげようと、「黒ネコのタンゴ」で知られる歌手皆川おさむさんから名前を拝借し、「駅猫」として採用。主な仕事は駅ホームの巡回という。

関東大震災を教訓に建てられた「復興小学校」の最初期の一つ、東京都中央区立明石小学校（同区明石町）校舎の解体工事が十日、始まった。日本建築学会が「国の重要文化財に相当する」と評価し、研究者や卒業生らは工事の中止を求めていたが、区は予定通りに計画を進めた。　建て替えによる新校舎は、二〇一二年七月に完成する予定で、事業費は四十七億二千万円。校舎は現在の基準でも耐震基準を満たしており、建て替えの理由について、区は「教育環境の向上」と説明している。　同日、校内の不要物を撤去したり、校庭の木を切ったりする作業に着手。今月下旬には工事用通路を確保するため、半円形の窓や列柱が特徴とされる玄関などが取り壊される見通し。復興小は、旧東京市が大正末期から昭和初期にかけ百十七校を、耐震性に優れた鉄筋コンクリートで整備。現在、他の施設に転用されたものも含めて十九校が現存し、うち十校が同区に集まっている。（東京新聞）