私は子どもの頃、失敗するとひどく落ち込む子どもだった。 中学生になった頃、父親から言われた。「お前は失敗するとひどく落ち込む。けれど周囲からしたら面倒くさいだけ。「あはは!やっちゃった!すんません!」って笑うくらいのほうが頼もしく思えるものだよ」 私はそれもそうか、と思った。 今思えば、ひどく落ち込んで見せるのも「これだけ反省して、自分を責めてるんだから、これ以上僕を責めないでね、もし責めたらそれはあなたが極悪人ということだからね」という防御壁を設けていたのだと思う。責める人を道徳的に反撃する構えを見せていたわけ。そりゃ面倒くさいわ。 それから何年もかけて、失敗したら落ち込むクセをなるべくやめ、代わりに「あー!やっちゃった!ごめーん!てへぺろ!」と、朗らかに笑って謝るスタイルへと移行した。すると周囲は「こいつ失敗したくせに」と思いつつ、「しゃーないな」と笑って許してくれることが増えた。切り