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ブックマーク / sorae.info (22)

  • 直径約13億光年の巨大構造物「ビッグ・リング」を発見 宇宙原理に反する構造か

    私たちの宇宙について、広い目線で見れば天体や物質の分布が均質であるという「宇宙原理」が広く信じられています。しかし近年の観測では、宇宙原理に反すると思われる巨大構造物(宇宙の大規模構造)がいくつも見つかっています。 セントラル・ランカシャー大学のAlexia Lopez氏は、地球から約92億光年離れた位置(※)に、直径が約13億光年にも達する巨大構造物「ビッグ・リング(Big Ring)」を発見したと、アメリカ天文学会(AAS)の第243回会合の記者会見で発表しました。Lopez氏は2021年にも同様の巨大構造物である「ジャイアント・アーク(Giant Arc)」を発見していますが、両者は非常に近い位置と距離にあります。これは宇宙原理に疑問を呈する発見です。 ※…この記事における天体の距離は、光が進んだ宇宙空間が、宇宙の膨張によって引き延ばされたことを考慮した「共動距離」での値です。これに

    直径約13億光年の巨大構造物「ビッグ・リング」を発見 宇宙原理に反する構造か
  • JAXAが月探査機「SLIM」によるピンポイント着陸成功を発表 探査ロボットが撮影した画像も公開

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年1月25日、日の探査機として初めて月面に軟着陸した小型月着陸実証機「SLIM」および小型プローブ(探査ロボット)「LEV-1」「LEV-2(愛称:SORA-Q)」の月面着陸結果・成果等に関する記者会見を開催しました。 JAXAによると、SLIMは2基搭載されているメインエンジンのうち1基を降下中に喪失するトラブルに見舞われたものの、最終的に着陸目標地点から約55m離れた地点へ接地しており、大きな目的だった精度100mのピンポイント着陸技術実証を達成しました。また、放出されたLEV-1とLEV-2も月面に到達して活動を行ったことが確認されており、LEV-2のカメラで撮影されたSLIMの画像が公開されています。【最終更新:2024年1月25日18時台】 【▲ 小型月着陸実証機「SLIM」から放出された探査ロボット「LEV-2(SORA-Q)」のカメ

    JAXAが月探査機「SLIM」によるピンポイント着陸成功を発表 探査ロボットが撮影した画像も公開
  • 小惑星「リュウグウ」のサンプルから太陽系誕生以前の物質を新たに発見

    JAXA(宇宙航空研究開発機構)の小惑星探査機「はやぶさ2」は、探査対象の小惑星「リュウグウ」で採取したサンプルを2020年12月に地球へ持ち帰ることに成功しました。現在、複数の国際研究チームがリュウグウのサンプルの分析を行っています。太陽系誕生時の情報をそのまま保持しているとされるリュウグウのサンプルからは、これまでに水、アミノ酸、貴ガス(希ガス)、炭酸水といった非常に様々な物質と、それらの起源を示す情報が見つかっています。 また、リュウグウは最初から現在の形で形成されたのではなく、天体同士の衝突で砕けた破片が集まることで形成されたことが分かっています。そのため、サイズがわずか数mmのサンプルでさえ、その中では太陽系の外側領域の低温環境で作られた鉱物と、太陽系の内側領域の非常に高温な環境で作られた鉱物とが隣同士で混在していることもあります。では、そのほかの物質にはどのようなものがあるので

    小惑星「リュウグウ」のサンプルから太陽系誕生以前の物質を新たに発見
  • 宇宙の年齢は267億歳? 早すぎる初期銀河の発達を説明できる新たな理論モデルを提唱

    近年の初期宇宙の観測により、誕生から数億年後の宇宙にはすでに大規模な銀河や銀河団が存在していたことがわかってきたものの、銀河がそこまで進化するには時間が足りないという新たな問題が浮上しています。オタワ大学のRajendra Gupta氏は、これを解決するための「CCC+TLハイブリッドモデル(CCC + TL hybrid model)」を提唱しました。もしもこのモデルが正しければ、宇宙は今から約267億年前に誕生したということになります。 現在の宇宙は誕生から137億8700万年(±2000万年)が経過していると考えられています。この推定年齢は過去から現在に至る様々な観測を積み重ねた結果であり、その集大成は宇宙モデル「Λ(ラムダ)-CDMモデル」として確立されています。しかし、初期宇宙の観測が進むにつれて、当時の宇宙の様子と宇宙の推定年齢には大きない違いがあることも判明しています。 【

    宇宙の年齢は267億歳? 早すぎる初期銀河の発達を説明できる新たな理論モデルを提唱
  • 「位相欠陥(トポロジカル星)」の画像化 黒くないブラックホールのような天体

    「ブラックホール」は非常に知名度の高い天体ですが、その存在がカール・シュヴァルツシルトによって最初に予言されたのは1915年です (公表は1916年) 。アルベルト・アインシュタインが一般相対性理論を発表したわずか1か月後に、シュヴァルツシルトは一般相対性理論を解くことでブラックホールに当たる天体が出現することを数学的に証明しました(当時はまだ “Black Hole” という名称は与えられておらず、1964年に初めて使用されました)。 当初は実在が疑われたブラックホールですが、その後の天文学の発展により、ブラックホール以外では説明のつかない天体や天文現象が次々と発見されているため、今日では実在を疑う声はほとんどありません。しかし、ブラックホールは存在しないという考えは今も根強く存在します。その理由は「特異点」の存在です。 特異点はブラックホールの質量が詰まっている1点であり、大きさはゼロ

    「位相欠陥(トポロジカル星)」の画像化 黒くないブラックホールのような天体
  • 小惑星「2023 BU」が静止衛星軌道の内側に入る 最接近前に観測された小惑星としては史上最短の距離

    太陽系には無数の小惑星がありますが、その中でも地球の近くを通過する「地球近傍小惑星」 (※1) は現在までに3万個以上発見されています。 ※1…公転軌道が一定の条件を満たした天体は「地球近傍天体 (NEO: Near Earth Object)」と呼ばれます。「地球近傍小惑星 (NEA: Near Earth Asteroid)」は、地球近傍天体の中で小惑星に分類される天体を指します。地球近傍天体の99%以上は小惑星です (残りは彗星) 。 地球近傍小惑星に分類される小惑星の一部は地球のとても近くを通過しますが、その観測は困難です。サイズの大きな小惑星は地球から離れていても見つかりやすい一方で、サイズの小さな小惑星は地球にかなり接近しなければ望遠鏡で観測できるほどの明るさにはなりません。ところが、地球に近づくと見た目の移動速度も急激に変化するため、複数の観測記録を1つの小惑星としてつなげる

    小惑星「2023 BU」が静止衛星軌道の内側に入る 最接近前に観測された小惑星としては史上最短の距離
  • 「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」が観測史上最も遠い銀河の記録を更新

    宇宙に「銀河」が誕生したのは、宇宙誕生後どのくらい経ってからなのでしょうか? 銀河という物質密度の高い天体が誕生するには、重力で物質同士が引き合い、集合する必要があります。この物質同士が引き合う最初の段階は、宇宙誕生後の物質密度のわずかな違い(ゆらぎ)に由来すると考えられています。宇宙が誕生してから銀河が誕生するまでの時間は、初期宇宙の物質密度の違いがどの程度だったのかを決定するパラメーターとなります。 【▲ 深宇宙を観測するジェイム・ウェッブ宇宙望遠鏡の想像図(Credit: AlejoMiranda)】ただし、誕生から数億年程度の宇宙を観察するのは容易なことではありません。「過去の宇宙を観る」という行為は、「より遠い宇宙を観る」ことと同じであり、天体の見た目の明るさはそれだけ暗くなります。また、初期宇宙の銀河が放った光は宇宙の膨張によって波長が引き延ばされ、紫外線や可視光線は赤外線にな

    「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」が観測史上最も遠い銀河の記録を更新
  • ブラックホールの“4本目の毛”?「渦度」を持つ可能性が示される

    【▲ 楕円銀河「M87」の中心にある超大質量ブラックホールの画像。2019年4月公開(Credit: EHT Collaboration)】「ブラックホール」は宇宙で最も極端な天体だと言えますが、実は理論で取り扱うのが比較的優しい天体だと言えます。 太陽や地球のような “普通の星” は、物質の構成、質量、温度、形状、色などの様々な性質が組み合わさってできており、理論的に取り扱うことは困難です。一方でブラックホールは簡単です。ブラックホールの性質は質量、電荷、角運動量 (回転速度あるいは自転速度) のたった3つで、他の性質は全て失われています。これを “ブラックホールには毛が3しかない” と喩え、ブラックホール無毛定理と呼びます。 このようにブラックホールは理論的には扱いやすい天体であり、M87の中心にあるブラックホールの直接撮影画像で実際に証明されたように、はるか遠くにあるブラックホール

    ブラックホールの“4本目の毛”?「渦度」を持つ可能性が示される
  • 【前編】火星の内部構造が明らかに NASAインサイトのデータより

    【▲ NASAの火星探査機インサイト(InSight)のイラスト。火星の内部構造などを調べている(Credit: NASA/JPL-Caltech)】NASAは7月23日、NASAの火星探査機インサイト(InSight)の地震計のデータを使って、火星の地殻、マントル、コアの深さ、大きさ、構造などについてその詳細が明らかにされたと発表しました。研究成果は、3の論文にまとめられ「Science」誌に掲載されました。 なお、インサイトはNASAの火星探査機で、2018年11月に火星のエリシウム平原に着陸し、Perseveranceなどの火星探査車とは違って移動はしませんが、地震計などを使って火星の内部構造などを調べています。 ■火星の内部構造はどうなっているの?太陽系の惑星は大きさが数kmほどの微惑星が衝突・合体を繰り返すことで形成されました。そのため形成された当初はとても高温で表面はマグマに

    【前編】火星の内部構造が明らかに NASAインサイトのデータより
  • IST「ねじのロケット」打ち上げ実施、2019年以来2度目の宇宙空間到達に成功!

    【▲ エンジンが点火され離床する「ねじのロケット」(MOMO7号機)。ISTによる打ち上げのライブ配信より(Credit: インターステラテクノロジズ)】インターステラテクノロジズ(IST)は2021年7月3日、北海道大樹町の北海道スペースポートから観測ロケット「ねじのロケット」(MOMO7号機)の打ち上げを実施しました。ISTによると今回の最高高度は約100km(暫定値)で、2019年に打ち上げられた「MOMO3号機」以来となる宇宙空間到達に成功しています。 ■全面改良した「MOMO v1」による宇宙空間到達に成功当初「ねじのロケット」の打ち上げ日時は7月3日11時ちょうどが予定されていましたが、上空にある氷結層が打ち上げ基準を満たさなかったため、次の打ち上げ可能時間帯である16:05~17:50に変更されていました。 ISTによると、17時45分に打ち上げられたねじのロケットは4分後の

    IST「ねじのロケット」打ち上げ実施、2019年以来2度目の宇宙空間到達に成功!
  • NASAの太陽探査機が撮影した金星夜側の画像、研究者を驚かせる

    2020年7月11日(現地時間、以下同様)、アメリカ航空宇宙局(NASA)の太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」は3回目の金星スイングバイを実施しました。スイングバイとは惑星などの重力を利用して軌道を変化させる手法のことで、パーカー・ソーラー・プローブでは全部で7回の金星スイングバイが予定されています。 2021年2月25日、NASAは前年7月の金星スイングバイ時にパーカー・ソーラー・プローブの広視野カメラ「WISPR(Wide-field Imager for Parker Solar Probe)」によって撮影された金星の画像を公開しました。こちらがその画像で、およそ1万2400km離れたところから見た金星の夜側が画像の左側に収められています。 太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」の広視野カメラ「WISPR」によって2020年7月に撮影された金星の夜側。金星の中央付近に見え

    NASAの太陽探査機が撮影した金星夜側の画像、研究者を驚かせる
  • 土星の約27度傾いた自転軸、今も傾きを増し続けている可能性

    土星(奥)とその衛星タイタン(手前)。土星探査機「カッシーニ」が撮影(Credit: NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute)フランス国立科学研究センター(CNRS)のMelaine Saillenfest氏らの研究グループは、土星の自転軸は軌道面(公転軌道が描く平面)に対する傾斜角が今も増し続けていて、その角度は今後数十億年で現在の2倍以上になる可能性を示した研究成果を発表しました。 ■土星の自転軸は約10億年前から傾き始めた?太陽系で2番目に大きく、幅の広い輪が印象的な惑星である土星の自転軸は、軌道面に対して約27度傾いています。巨大惑星の自転軸の傾きはさまざまで、太陽系最大の惑星である木星の自転軸は3度ほどしか傾いていませんが、天王星はほぼ横倒し(約98度)になっているほどです。 ▲関連:自転する太陽系8惑星を比較した動画が面白い!横倒しや逆

    土星の約27度傾いた自転軸、今も傾きを増し続けている可能性
  • 恒星の種類によるハビタブルゾーンの違いを解説した図表

    ハビタブルゾーン(ゴルディロックスゾーン)の恒星種類別比較図表ハビタブルゾーン(地球型生命が居住できる可能性のある領域)はゴルディロックスゾーンとも呼ばれ、恒星の周りを公転する惑星の表面に、液体の水が存在できるような、暑すぎたり寒すぎたりしない温度の領域のことです。 この図表では、太陽のような黄色のG型星、オレンジ色のK型星(橙色矮星)、赤色のM型星(赤色矮星)の3種類の恒星が比較されています。K型星とM型星は、どちらも太陽より表面温度が低く、太陽ほど明るくありません。 図表上段のM型星には、恒星のすぐ近くに小さなハビタブルゾーンが存在します。また、寿命は1,000億年ほどの長寿の星で、天の川銀河にある星の約73%を占め、とてもたくさん存在する星です。しかし、非常に活発な磁場を持っているため、生命に有害な放射線を多く出している可能性があります。そのX線の放射量は、静穏時の太陽の400倍と推

    恒星の種類によるハビタブルゾーンの違いを解説した図表
  • 宇宙から見た巨大な月の影。国際宇宙ステーションから撮影

    2020年6月21日、日全国で部分日が見られました。天気が悪く観測できなかった地域もありましたが、うまく見ることができたでしょうか。 この画像は国際宇宙ステーションの外に取り付けられた高解像度カメラで撮影されたもので、カザフスタンと中国との国境付近が写っています。この辺りでは今回は金環日となりました。金環日は太陽が細い輪のように見えるもので、日では2012年に東京などで観測されたものです。なお、画像左上にあるのは国際宇宙ステーションにドッキングした宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙ステーション補給機「こうのとり」9号機です。 【▲ ISSから見た月の影が落ちた地球(Credit: NASA ISS Expedition 63)】画像の中央には月の影が写っています。日はそれほど頻繁には経験できない現象ですが、私たちが肉眼で見る距離では(太陽を直接見てはいけませんが)小さい光の

    宇宙から見た巨大な月の影。国際宇宙ステーションから撮影
  • 観測史上2番目に遠く、超大質量ブラックホールを有するクエーサーを発見

    銀河全体よりも明るく輝く活発な銀河中心核「クエーサー」は、ビッグバンから10億年ほどしか経っていない初期の宇宙にも数多く見つかっています。今回、観測史上2番目に遠いクエーサーが見つかったとする研究成果が発表されています。 ■地球に光が届くまで130億2000万年、太陽の15億倍の質量があるブラックホールを持つとみられるクエーサー「J1007+2115」、通称「Pōniuāʻena(ポーニウアエナ)」を描いた想像図(Credit: International Gemini Observatory/NOIRLab/NSF/AURA/P. Marenfeld.)Jinyi Yang氏(スチュワード天文台)らの研究グループは、2019年5月に確認されたクエーサー「J1007+2115」が、太陽のおよそ15億倍の質量がある超大質量ブラックホールを持つとする研究結果を発表しました。 J1007+211

    観測史上2番目に遠く、超大質量ブラックホールを有するクエーサーを発見
  • ボイジャーが離脱した太陽圏は球形ではなく、やはり彗星のような形か

    長く伸びる太陽圏の尾(ヘリオテイル)を描いた想像図(Credit: NASA’s Scientific Visualization Studio/Conceptual Imaging Lab)1977年に打ち上げられたNASAの無人探査機「ボイジャー1号」と「同2号」は、どちらも「太陽圏(Heliosphere:ヘリオスフィア)」を離脱して星間空間に到達したとみられています。この太陽圏の形が3年前に発表された研究において指摘されたような球形ではなく、以前から考えられてきたように彗星のような形をしていたとする研究成果が発表されています。 ■NASAの観測衛星IBEXによる11年分以上の観測データから分析太陽圏は太陽風と星間物質が混ざり合う境界面である「ヘリオポーズ(Heliopause)」から内側の領域を指す言葉です。太陽風が星間物質と衝突して速度が落ち始める部分は「終端衝撃波面(Termi

    ボイジャーが離脱した太陽圏は球形ではなく、やはり彗星のような形か
  • 金星の大気現象「スーパーローテーション」維持の謎が解明される

    金星の大気では自転速度に対して最大で60倍も速く流れる「スーパーローテーション」が生じていることが知られていますが、これほど速い流れが維持される原因は発見から半世紀以上に渡り謎のままでした。今回、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の金星探査機「あかつき」による観測データから、スーパーローテーションが維持される仕組みが明らかになったとする研究成果が発表されています。 ■金星は太陽による加熱を原因とする大気の「熱潮汐波」が加速していた今回の研究成果をもとにした金星の大気循環を示した模式図。熱潮汐波が低緯度の大気に角運動量を運び込む(赤色の矢印)ことで、西向きのスーパーローテーションが維持されているとみられる(Credit: Planet-C project team)金星の自転周期は地球と比べて遅く、1回自転するのに地球の約243日を要します(自転の方向が公転とは逆向きなので、金星の「1日」は地

    金星の大気現象「スーパーローテーション」維持の謎が解明される
  • ボイジャーが到達した「星間空間」との境界とは 徹底解説

    既報の通り、NASAの無人探査機「ボイジャー2号」の観測データを用いた論文5が、11月4日付で「Nature Astronomy」に掲載されました。 史上2番目に「星間空間」に到達したボイジャー2号のデータから、太陽圏と星間空間の境界がどのような様子なのか、新たな知識がもたらされています。 ボイジャーが越えたのは、星々の世界へ向かう途中に存在する「境界」太陽圏(Heliosphere)の模式図。青が末端衝撃波面(Termination Shock)、水色の縁がヘリオポーズ(Heliopause)、その間にある領域がヘリオシース(Heliosheath)(Credit: NASA/JPL-Caltech)太陽から日々放出されている太陽風(プラズマ)は、惑星の軌道を超えて外側へと広がっていき、星間物質(星々の間に広がる星間空間にあるガスや塵)に衝突して速度を落とします。衝突後の太陽風は減速し

    ボイジャーが到達した「星間空間」との境界とは 徹底解説
  • ブラックホールはどう見える? NASAが新しいシミュレーション動画を公開

    ブラックホールの見え方をシミュレートした想像図(静止画)NASAは9月26日、ブラックホールの見え方を視覚化した一連のシミュレーション動画を公開しました。こちらはそのひとつで、ブラックホールを横から観察するとどのように見えるのかをシミュレートしたものになります。 ■見えているのは「吸い込まれかけたガス」が輝く降着円盤といっても、光さえも抜け出すことができないブラックホールを直接見ることはできません。オレンジ色に輝いているのは、ブラックホールに吸い込まれかけている高温のガスなどが高速で周回する「降着円盤」と呼ばれるもの。円盤と名付けられてはいますが、その中心にはブラックホールがあるので、実際には幅の広い輪のような構造をしていると考えられています。 動画では、左向きに回転している降着円盤をやや斜め上から見下ろしたときの様子が再現されているのですが、右からブラックホールの裏側に回り込んでいくはず

    ブラックホールはどう見える? NASAが新しいシミュレーション動画を公開
  • 銀河を高速で駆け抜ける”超高速度星”は未発見の天体が弾き出した?

    ハワイのマウナケア山にあるW.M.ケック天文台は9月9日、超高速度星「PG 1610+062」の起源に迫ったAndreas Irrgang氏らの研究成果を紹介しました。研究結果は論文にまとめられ、8月6日付でAstronomy and Astrophysicsに掲載されています。 天の川銀河のハローにある超高速度星「PG 1610+062」の想像図■超高速度星は銀河中心のブラックホールが撃ち出している?近年、他の恒星と比べて非常に速く運動する超高速度星(Hyper Velocity Stars:HVS)が幾つか見つかっています。1秒間に数百kmという高速で移動することになった原因として考えられているのが、天の川銀河の中心に存在が確実視されている超大質量ブラックホール「いて座A*(エースター)」です。 過去の研究におけるシミュレーションでは、太陽の400万倍もの重さを持った超大質量ブラックホ

    銀河を高速で駆け抜ける”超高速度星”は未発見の天体が弾き出した?