20世紀後半、スペインは、中南米を「再征服」したと揶揄されるほどに中南米貿易に濃密なネットワークを張り巡らせ、またヨーロッパ統合への積極的な参加を通じて長期安定成長を現出させた。その後の米国発の金融危機の煽りで深刻化した現在の大不況にいたる要因もあわせ、現代スペイン経済・社会を等身大に理解するための良書。 日本で出版されている本の中で唯一「生のスペイン」を知ることができる良書と思います。(男性 64才 作家) 序章 スペインのヨーロッパ回帰と「ヨーロッパ統合」への参加 一 はじめに 【補論】国家産業公社の創設から解体まで 二 ヨーロッパ回帰の成就――EC加盟の実現 三 再始動した「ヨーロッパ統合」への参加 Ⅰ 移民の送出し国から受入れ国へ――繁栄期のあかし(その一) 第一章 ラテンアメリカへの殖民と移民 一 大航海時代の幕開け 二 一六~一九世紀初頭――ラテンアメリカの征服と殖民 【補論】