アンスコムやデイヴィドソンの行為論を引き継ぎ、難解といわれるデイヴィドソン哲学を再構築する。また議論を一層精緻にして新しい領域への適用を試みる。 まえがき I 基本概念 第1章 出来事という存在者――デイヴィドソニアンの視点から 1.1 存在者としての出来事 1.2 出来事の部分全体学 1.3 出来事・状態・過程 1.4 出来事の名や記述を日常言語でどう表現するかについて 第2章 行為の存在論――アンスコムの同一性テーゼ 2.1 出来事としての行為 2.2 「~によって」関係 第3章 論理形式と統語論 3.1 出来事に関する述語 3.2 副詞的修飾語の論理形式と統語論的特徴 3.3 言語学や文法学のアプローチとの違い 第4章 「対象」と「主体」 4.1 目的語と「対象」 4.2 主語と「主体」 4.3 フィードバックと行為の因果性 第5章 行為の他動性 5.1 他動的な動詞を含む行為文の論