書評に関するtsumoyunのブックマーク (71)

  • 次のAmazonレビューを確認してください: マンガで分かる肉体改造 糖質制限編 (ヤングキングコミック)

    主人公を男性に設定にする事で、『ダイエットは女性やリア充がするものだから、 男性や非リアがやるのは恥ずかしい』という、うしろめたさを破壊してくれるのは流石。 この手法は、他社のダイエット解説もお手にして欲しいです。 ただ、解説されている内容の方に問題があります。 糖質制限と一口に言っても、医師によって意見が分かれていて、大きく分けて 『ケトン体消費を起こさないリスク無しの粗・糖尿病患者系(100~130g+低GI推奨/バーンスタイン式)』 『ケトン体消費を起こして短期間に痩せる・ボディビル系(0~20g+高タンパク推奨/ライザップ式)』 『間を取ってケトン体消費が起きるギリギリを狙う(40~60gくらい/アトキンス式)』の、3つの派閥があるようです。 ここでは、便宜上ライザップ式とアトキンス式を『スーパー糖質制限』と呼びます。 (常人の糖質摂取量1日200~300g、ご飯1杯50

  • 『出ない順 試験に出ない英単語』新刊超速レビュー - HONZ

    世の中には真の意味で、役に立たないというものがある。あらゆるは役に立たない、という議論もあるが、そんな深遠なことじゃなく、見た瞬間に役に立たないとわかる、ばかばかしさやくだらなさを乗り越え、「役立たずな方向」に、全力で、一生懸命、真剣に突き進むたちのことだ。最近なら『醤油鯛』もすばらしいが、ここにまた一冊、そんな愛すべきが誕生した。 試験に出ないのである。しかも「出ない順」である。 ちなみに最初の単語、すなわちもっとも出ない単語はsalmon carpaccioである。carpaccioって英語か、というツッコミは脇に置き、例文は下記だ。 Bob laughed so hard that the salmon carpaccio came out of his nose. ボブは笑い過ぎてサーモンカルパッチョが鼻から出ました。 皆さん、大事ですから暗記して下さい。 対象は大学受験

    『出ない順 試験に出ない英単語』新刊超速レビュー - HONZ
  • メジャーリーグ打撃の神様「テッド・ウィリアムズ」の死体冷凍がヤバイらしいというお話。

    🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai 救命士をやっていた筆者が、そのキャリアを買われて「人体を冷凍し、未来に復活させる」という言葉を売り物にする財団に就職。そこには、確かに多くの学者や顧客がいた。しかし、その実態は、キチガイそのもののカルト集団であった・・・という。 2012-09-09 02:27:14 🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai 「人体冷凍」とはいえ、実際は「死体を解体して、頭部だけ冷凍」「凍ってヒビ割れちゃったり、保管が悪くて溶けちゃったりもするけど、まぁ未来の技術なら何とかなるだろ」という物で、「ファースト・ライフサイクルからセカンドライフへの旅立ちだ」と、拍手や記念撮影しながら死体解体。 2012-09-09 02:29:43 🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai で、切り離した生首は、の餌のツナ缶の上に置かれ(頭部が転がらないように)

    メジャーリーグ打撃の神様「テッド・ウィリアムズ」の死体冷凍がヤバイらしいというお話。
  • #空気本_ - 小飼弾が選ぶ最強の100冊+1 : 404 Blog Not Found

    2009年10月22日15:30 カテゴリ弾書評/画評/品評 #空気_ - 小飼弾が選ぶ最強の100冊+1 やっとAmazonでも発売開始です。 空気を読むな、を読め。 小飼弾 「空気を読むな、を読め。」はなので、当然の紹介もしているのですが、残念ながらはクリックできません。 というわけで、同書の「小飼弾が選ぶ最強の100冊+1」を以下にリンク化しておきます。 厳密には百冊ではなく百点。百というのはなかなか帯に短くたすきに長い数字なのですが、以下の観点で選別しました。 100というのは、なかなか難しい数です。全てを入れるには少なすぎ、ベストで決めるには多すぎる。ここでは今日危篤な私が明日死ぬとして、「404 Blog Not Found を継ぐ」と言った奇特な方に、「これ読んどけ」と100点渡すという状況を想定してみました。 リンクは、blogに言及があればそこに、なけ

    #空気本_ - 小飼弾が選ぶ最強の100冊+1 : 404 Blog Not Found
  • スゴ本100

    いつのまにか1000エントリ超えてたので、ここらで100に絞ってみる。 このblogで「スゴ」認定されたもの、企画「この○○がスゴい」で挙げられたものを、100にまとめてご紹介。順序適当、偏見なし、ビジネス、サイエンス、エロマンガ。ブンガク、ビジュアル、なんでもアリ、啓蒙、アダルト、劇薬なんでもござれ。「ノンフィクション」、「フィクション」、そして「劇薬系・成人指定」の三立てでご紹介。番号は便宜上つけたものなので、ランキングにあらず。 こんなにスゴいに出合えたのは、すべてあなたのおかげ。いいはたくさんあるのだが、全部読んでるヒマもないし、探している時間も足りない。だからわたしは、スゴいを読んでいる「あなた」を探す。あるいはこのblogにやってきた「あなた」の言を待つ。そうしたツッコミやアドバイスをいただき、とても感謝しています。 この100リスト全て鉄板モノだが、「それをスゴ

    スゴ本100
  • 「死ぬときに後悔すること」ベスト10

    余命、数週間。不自由な体、満足に歩くこともできない。日中も寝ている時間が多くなり、頭もうまくはたらかない ──そんな人生の最終章の人に向かって、こう問いかける。 いま、後悔していることは、何ですか? 「死ぬときに後悔すること25」の著者は、終末期における緩和医療に携わる医師。現場で見聞した、「余命いくばくもない状態で、後悔すること」をまとめたのが書なのだ。得られた答えは、多様でいて一様だし、複雑なようで単純だったりする。 もうすぐ自分が死ぬと分かっている人が、何を悔いているのか。これを知ることで、わたしの人生で同じ後悔をせずにすむのだろうか。考え考え読んで、いくつかの「先立つ後悔」を得ることができた。後悔は後からしかできないものだが、これはわたしにとって「先悔」となるものを、ランキング形式でご紹介。書では25章に分かれているが、わたし流にベスト10に絞ってみた。 第10位 健康を大切に

    「死ぬときに後悔すること」ベスト10
  • 深町秋生の序二段日記

    どう感想をまとめていいのかわからなかった。 こうの史代の長編「この世界の片隅に」の下巻が発売された。「夕凪の街 桜の国」以来の衝撃を与えてくれたと思う。すでに名うてのコミック評論家たちの熱すぎる評があちこちでアップされている。私も瞼が赤くなるほど泣いた。 http://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/konosekaino-katasumini2.html(こうの史代『この世界の片隅に』下巻 紙屋研究所) http://mandanatsusin.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/post-6b07.html(オールタイムベスト『この世界の片隅に』: 漫棚通信ブログ版) http://d.hatena.ne.jp/kaien/20090507/p1(すべての漫画好きよ、『この世界の片隅に』を読むべし。 Something Orange) 物語自

    深町秋生の序二段日記
  • 「父」からの離脱の方位 - 内田樹の研究室

    『1Q84』は記録的な売れ行きらしい。 今の段階で、発売一週間で96万部。 ミリオンを超えることは確実で、『ノルウェイの森』の450万部という記録を塗り替えるかもしれない。 おそらくメディアはこれから、このの文学作品としての意味より、なぜこれがこれほどの社会的な「事件」を引き起こしたのかの方に多くの紙数を割くようになるだろう。 メディアが『1Q84』を「事件」として扱い、膨大な非文学的言説が行き交うようになる前の短い空白の間に、この作品についてまだ誰の感想も聞いていないイノセントな状態で、自分ひとりの感想を書き付けておきたい。 ムラカミ・ワールドは「コスモロジカルに邪悪なもの」の侵入を「センチネル」(歩哨)の役を任じる主人公たちがチームを組んでい止めるという神話的な話型を持っている。 『羊をめぐる冒険』、『ダンス・ダンス・ダンス』、『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』、『アフ

  • 1Q84 読書中 - 内田樹の研究室

    『1Q84』読書中。 もったいないのでちびちび読んでいる。 何誌からか書評を頼まれたが、最初に『週刊文春』の山ちゃんからを送ってもらってしまったので、渡世の仁義上、あとはお断りする。 ぜんぶにそれぞれ違う内容の書評を書くというのも考えてみると楽しそうであるが、遊んでいる暇がない。 まだメディアでは書評が出ている様子がないけれど、みんなどうしているのだろう。 私はひたすら「ゆっくり」読んでいるので、今 Book 2 の中程である。あと4分の1しか残っていない。 子供の頃には、面白いを読んでいて、残り頁がだんだん減ってくると「ああ、楽しい時間もあとわずかだなあ」と悲しくなった。 どこか「ダレ場」が来たら、そこで読むスピードを落とそうとするのだが、それがないのが「面白い」の面白い所以であって、結局、「あああ」と言っているうちに最後まで一気に読んでしまうのである。 そういう残り頁数が減ってく

    tsumoyun
    tsumoyun 2009/06/06
    物語に出てくるのと「同じ体験」を私もしたことがあるという偽りの記憶を作り出す。それだけが私たちを私たち自身のままであることに釘付けにしようとするトラウマ的記憶から私たちを解き放つ
  • クリエイターが「構成」を学ぶために読むべき10冊の小説(後編) - ハックルベリーに会いに行く

    前回の記事クリエイターが「構成」を学ぶために読むべき10冊の小説(前編) クリエイターが「構成」を学ぶために読むべき10冊の小説(「その5」から「その10」) その6「積重」小説――取り分け「『長編小説』とは何か?」ということを定義付けしようとしたならば、その答の一つに必ず「小さなエピソードの積み重ね」というのがあると思う。ピラミッドが一つ一つの石の積み重ねでできているのと同じように、小説も小さなエピソードの積み重ねでできているのである。その「積重」という構造がこれ以上なくよく分かる小説が、この「百年の孤独」だ。この小説は、無数の小さなエピソードが積み重なってできている。大部の物語の初めから終わりまで、徹頭徹尾小さなエピソードを積み重ねるというスタイルで一貫している。そして、そのエピソードのどれもが秀逸なのだ。面白いのである。小さなエピソードの一つ一つが、どれもちょっとした短編小説が書けそ

  • 詐欺師の手引書、あるいは自衛のために「統計はこうしてウソをつく」

    「嘘には三つある。普通の嘘と、真っ赤な嘘と、統計だ」 マーク・トウェインのこの言葉に、笑うか納得したならば、書は不要だ(でないなら、書を読むと愕然とする)。メディア・リテラシーの基礎なので、このblogの読者なら既知のことばかりかと。統計がいかに恣意的になされ、曲解され、独り歩きしているかが丁寧に説明されている。 たとえば、恣意的な統計については、銃の規制に関する2つのアンケートが紹介されている。銃規制活動家が調べた結果では、米国民の3/4以上が銃規制に賛成している。いっぽうで、全米ライフル協会の調査によると、米国民の3/4以上が銃規制に反対しているそうな。なぜか?違いは、質問の仕方に秘密がある。 銃規制賛成者「あなたは違法な銃販売を取り締まることに賛成ですか?」銃規制反対者「誰が銃を販売してよく、誰が銃を所持してはいけないかを決める権限を警察に与える法律に賛成ですか、反対ですか?」 

    詐欺師の手引書、あるいは自衛のために「統計はこうしてウソをつく」
  • 作家を、プロデュース「小説作法ABC」

    小説を書く基技術がひととおり。 新米作家の教則として読んでもいいし、深い読書への手引書として扱ってもいい。「小説は、Why? とBecauseで推進される」とか、「読書の快楽は予定調和とドンデン返し」といった基礎だけでなく、「同じ村上でも、春樹は回想、龍は実況」や、「谷崎は変態、三島は売れない俳優」といった、著者の文学観をも垣間見ることができる。 なかなか実践的なのは、各章のおしまいに「練習問題」がついているところ。たとえば、既読の小説のあらすじを100字にまとめろという。要約することで、いわゆる「読ませどころ」へ向かわせる物語の軌跡が見えてくるんだと。さらに、要約した小説の帯コピーを50字でまとめろという。キャッチコピーを考えることで、その小説の「最大の売りどころ」を見抜けという。要は「目玉」やね。おもしろそうだとそのとき感じた作品を漫然と読んできたわたしにとって、いい刺激になる。

    作家を、プロデュース「小説作法ABC」
  • 池谷さんの本を読む - 内田樹の研究室

    旅行中ずっと池谷裕二さんの『単純な脳、複雑な「私」』(朝日出版社)を読んでいた。 400頁を越すけっこうなヴォリュームであるが、一気に読んでしまった。 池谷さんからのかわいい(タツノオトシゴの)漫画サイン入りので、「今回のは今までで一番気合いが入っています!」と書いてあった。 池谷さんとは以前、「PHP」の企画で対談したことがある。もう2年ほど前のことである。 私は「理系の人」と話をするのが大好きである。 養老先生、茂木さん、福岡先生、どなたも話が明快で、かつ深い批評性を備えている。 池谷さんも話していて、その頭脳の機能の高さに驚嘆したのを覚えている。 人間の脳や知性の構造について考察するときには、どこかで「自分の脳の活動を自分の脳の活動が追い越す」というアクロバシーが必要になる。 「私はこのように思う」という判断を下した瞬間に、「どうして、私はこのように思ったのか? この言明が真であ

    tsumoyun
    tsumoyun 2009/05/24
    "「自分の知性では理解できないことを理解できている知性」(ラカンはそれを「知っていると想定された主体」sujet supposé savoir と呼んだ)を想定することなしに、人間の知性はその次元を繰り上げることができない。"
  • この世でいちばん面白い小説

    筒井康隆が「ひとつだけ選ぶならコレ」とベタ誉めしてたので手を出す。ジュヴナイル向け「巌窟王」で読んだつもりになっていたが、今回、岩波赤版「モンテ・クリスト伯」でブッ飛んだ。 ストーリーを一言であらわすなら、究極のメロドラマ。展開のうねりがスゴい、物語の解像度がスゴい、古典はまわりくどいという方はいらっしゃるかもしれないが、伏線の張りがスゴい。てかどれもこれも強烈な前フリだ。伏線の濃淡で物語の転び方がミエミエになるかもしれないが、凡百のミステリを蹴散らすぐらいの効きに唸れ。読み手のハートはがっちりつかまれて振り回されることを請合う。 みなさん、スジはご存知だろうから省く。が、痛快な展開に喝采を送っているうちに、復讐の絶頂をまたぎ越えてしまったことに気づく。その向こう側に横たわる絶望の深淵を、主人公、モンテ・クリスト伯と一緒になって覗き込むの。そして、「生きるほうが辛い」というのは、どういう感

    この世でいちばん面白い小説
  • 「眼の冒険」はスゴ本

    「眼の経験値」を上げるスゴ。 のっけからのろけで恐縮だが、嫁さんは料理上手だ。料理学校に行ったこともないのに、なぜ? ――訊いたところ、「美味しいものをべてきたから」とのこと。海の幸・山の幸に恵まれたところで育ったからだという。旬の素材に親しんでおり、いわば「舌の経験値」を積んでいるのだろう。 これは、眼の経験についても同じ。いいデザインを見ることで、眼が肥える。同時に素材に対し、「いいデザイン」であるとはどんな表現なのかを感じ取れるようになる。いままで「感性を磨く」という言葉で片付けられていた経験は、「書を読む/視る」に置き換えてもいい。 スーパーマンからマッドマックス、ピカソやエッシャー、ウォーホルといった実例がてんこ盛りで、絵画や写真、タイポグラフィやイラストから、デザインの手法・見方が紹介される。モノとカタチ、デザイナーはこれらをどのように見ているのかが、デザイナー自身の言葉

    「眼の冒険」はスゴ本
  • 活字中毒R。

    「このミステリーがすごい!2005年度版」(宝島社)の「行列のできるミステリー相談所」より(構成・文:福井健太) (読者の『リアル鬼ごっこ』(山田悠介・幻冬舎文庫)という作品を読んで「困惑」したのだが、プロの書評家は、このような作品をどう評価しているのか?という相談に対しての回答。回答者は、福井さんの他に、杉江松恋さんと米光一成さん。) 【司会:この件は福井さんからどうぞ。 福井:自費出版やインターネットで発表された小説が大手から刊行され、ベストセラーになるケースが増えています。これは好ましいことですが、そこで気になるのが、出版社のクオリティコントロールの問題。山田悠介の『リアル鬼ごっこ』は、2001年に文芸社から刊行され、2004年に幻冬舎文庫に入ったんですが…… 米光:文芸社版が、いいんですよ!中学生の気持ちにもどって、友達がノートに描いた落書き漫画を読むようなノリで楽しむのがコツです

    tsumoyun
    tsumoyun 2009/03/28
    ”『リアル鬼ごっこ』の魅力を奪うな!”
  • 小説家のバイブル「小説の技巧」

    小説は自由だ。何をどう読もうと勝手だ。 けれども、小説から快楽を得ようとするなら、その技巧を知ることは有意義だ。前立腺やGスポットの場所を知らなくてもセックスは可能だが、より快楽に貪欲になるのなら、知っておいて損はないのと一緒(訳者の柴田元幸はもっと上品に、「ショートカットキー」に喩えてた)。「ヤってるうち自然と身につく」という奴には、「愚者は経験に学ぶ」という箴言を渡す。快は無限だが、生は有限。読める数は限られている。 同時に、小説書きにとってはバイブル級。読者を快楽の絶頂へ導く手引きが解説されているのだから。プロットやキャラといったハウツーを超え、マジック・リアリズムや異化、多声性、メタフィクションといった質的なレベルで語られる。しかもサリンジャーやナボコフ、ジョイスといった練達者のテクストが俎上乗っている。心してかかれ。 ただし、いそいで付け加えなければならないのは、「知る」ことと

    小説家のバイブル「小説の技巧」
  • ボリウッド的おとぎ話「ぼくと1ルピーの神様」

    ご都合主義がいっぱい。ただしハリウッドではなくボリウッド色。 流行りものにでも手を出してみるかと選んだのがこれ。アカデミー賞をはじめ、世界の映画賞を総なめした「スラムドッグ$ミリオネア」の原作。現代のおとぎ話として読めばたのしい。 映画なら、ラジニカーント「踊るマハラジャ」とシュワルツェネッガー「バトルランナー」を交配させたようなもの。あるいは、加藤伸吉「国民クイズ」にコエーリョ「アルケミスト」を混ぜるとこうなる。滅茶苦茶だって?うん、マサラムービーそのものやね。ロマンスあり、コメディアリ、アクションやスリラーといった、娯楽要素を詰め込めるだけ詰め込んでいる。 「ああ面白かった」でポイできるような一冊だが、せっかくだから、書がなぜ、世界16ヶ国語に翻訳されるほどのベストセラーとなっているか、分析してみよう。 まず、ひとつのミステリとなっていることがページをめくらせる動機となっている。巨額

    ボリウッド的おとぎ話「ぼくと1ルピーの神様」
  • 狂気の浸透圧「セールスマンの死」

    毒物指定、ただし社畜限定。 読書は毒書。とはいうものの、読者によって毒にもクスリにもなる。ローン背負って痛勤するわたしには、狂気たっぷりの毒書になった。やり直せない年齢になって、自分の人生が実はカラッポだったことを思い知らされて、嫌な気になるかもしれない。全てを捨て、人生をリセットしたくなるかもしれない。 かつては敏腕セールスマンだったが、今では落ち目の男が主人公。家のローン、保険、車の修理費、定職につかない息子、夢に破れ、すべてに行き詰まった男が選んだ道は――という話。だれもが自由に競争に参加できる一方で、競争に敗れたものはみじめな敗者の境涯に陥るアメリカ社会を容赦なく描き出している。 見どころは、このセールスマンの葛藤。 とても前向きで、強気で、ひたむきだ。人生の諸問題はプラス思考でなんとかなると押しまくる。今で言う「ポジティブシンキング」の成れの果てを突きつけられているようだ。自分に

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  • 満員電車がなくなる日

    毎日毎日ボクらは電車の中でもみくちゃにされて嫌になっちゃうよ。 会社にたどりつくまでにエネルギーの半分がた浪費しているのは、実にバカバカしい。義務教育で「がまんをすること」の大切さを教え込まれたが、こんなところで役に立とうとは(嫌だあぁぁ)… とはいうものの、いやしくもニッポンの社畜として、満員電車は避けて通れぬ。朝だけではない。終電ラッシュの方がタチ悪い。酔っ払って車内でお好み焼き(又はもんじゃ焼き)を作り出す人がいるからね(でも不思議だ、どんなに混んでいても、そこだけキッチリ空間ができるから)。 「座る技術」というがあるが、あれは初心者向け。日比谷線の「次の3列」「次の次の3列」をめぐる攻防や、東海道新幹線の「指定席車ドア→普通車座席」の反則技、次を待つフリをして発車間際に尻から入る超技がない―― っつーか、座るどころか、そもそも乗れないんだケド。あるいはホームからこぼれ落ちそうなん

    満員電車がなくなる日