2009年2月11日のブックマーク (13件)

  • 会議と書類の大学 - 内田樹の研究室

    ノーベル賞の物理と化学あわせて受賞者が4人出たことは慶賀すべきことであるが、いずれも20年30年前の業績についてのものであることの重大性を指摘する人が多い。 中村桂子さん(JT生命誌研究館館長)もその一人である。 今の日の研究体制であれば、20年後30年後にノーベル賞を受賞するような研究は出てこないだろうと中村さんは言っている。 「現在、ちょっと変わった新しいことを考える雰囲気がない。大学が法人化され、競争的資金と言われ、すぐに成果の出ることばかりに追われ、自由度がなくなっている。会議と書類づくりの毎日はいつか軌道修正されると思っているが。」(毎日新聞10月26日) 役人が研究をコントロールしようとすれば、必ずそうなる。 役人が教育研究活動に容喙すれば、教育研究の質は不可避的に下がる。 私の大学では「シラバスに成績評価基準を明記していない教師がいる」という理由で先般助成金が削られた。 シ

    tsumoyun
    tsumoyun 2009/02/11
    “彼らは大学に向かって「まっとうな教育研究をすることよりも、『まっとうな教育研究をしていることを証明する仕事』を優先させよ」と言っているのに等しい。”
  • ア連 - 内田樹の研究室

    世界連鎖株安が止まらない。 株価が下がるのは株式の「価値」についての評価が下方修正されているということで、下方修正されるにはそれなりの「わけ」があり、「わけ」がある以上仕方がない。 これまで株価を過大評価してきたことによってたくさん「儲け」が出た。その「儲け」を今吐き出しているのである。 問題は「儲けた人間」と「吐き出している人間」がしばしば別人だということであり、それさえ気にしなければ全体としては「とんとん」なのである。 こういう調整はどのメカニズムにおいても働く。 アメリカは公的資金を投入して金融機関を救済することにした。平たく言えば、「銀行の国有化」である。ビッグ3にも公的資金を投入した。これは「自動車産業の国有化」である。 アメリカは新自由主義のもたらした社会的な歪みを補正するために今「社会主義化」されつつあるのである。 バラク・オバマが大統領になり、保険や年金制度などのセーフティ

  • 朝の読書 - 内田樹の研究室

    卒論中間発表。 今回は2人欠席で13名が20分間ずつ発表。 正午に開始して、終了したのが6時。 うう、疲れたぜい。 どれもたいへん面白い発表だった。「裁判員制度」や「女子大の存在意義」や「おひとりさま」や「消費者参加型マーケティング」については、そのつどこのブログで自説を述べたので、今回はまだ一度も言及していないトピックについて。 「朝の読書」である。 ウィキペディアの説明を貼り付けておく。 「朝の読書運動は小・中・高等学校において、読書を習慣づける目的で始業時間前に読書の時間を設ける運動。個々の学校や担任単位で 1970 年代から各地で行われてきたものであるが、1988 年の東葉高等学校の運動をきっかけに全国に広まった。とくに小学校で盛んである。 読書時間は 10 分から 15 分程度である。生徒が持参した、あるいは学級文庫の中から選んだを読む。とくに小学生を対象として、読書教材を少な

    tsumoyun
    tsumoyun 2009/02/11
    “すでに知っていることを、もう一度「知らないふりをして」繰り返す。そこには当然ながら「既視感」と、「私はこれから起こることも全部知っているのだ(みんなは知らないけどさ)」という「全能感」が発生する。”
  • そんなの常識 - 内田樹の研究室

    西宮大学交流センターのインターカレッジ西宮というイベントに出かける。市内にあるいくつかの大学から講師を派遣して、共同テーマで講義をするのである。 今回のお題は「常識のウソ、ホント-私たちの常識を再考する」というものである。 私は人も知る「常識原理主義者」であるので(そんなものはないが)、日は「常識の手柄」というタイトルでお話をする。 「常識」についてはこれまで何度も書いているが、「そんなの常識だろ」というのは私たちがものごとを判断する上で、たいへんたいせつな知性の働きである。 まず、第一に「常識」というのは即自的に「常識」であるわけではないからである。 私が「そんなの常識だろ」と憤然と言った場合でも、言われた当人は「お前の言うことのどこが常識なんだよ。何年何月からそれが常識になったんだ。どこからどこまでの地域で常識なんだよ」とただちに反論する権利が保証されており、私はその異議に対しては絶

    tsumoyun
    tsumoyun 2009/02/11
    “私は人間社会は「真理」ではなく、「常識」の上に構築されるべきであると考えている。/私はこの「明証を以ては基礎づけられないけれど、なんとなく確信せらるる知見」を「常識」と呼ぶことにしている。” 
  • マンガがあればいーのだ。 「バクマン。」の暴露に秘められた想い

    02<< 12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>04 「もと子先生の恋人」を読んでやっぱり田中ユタカ先生はいちゃラブ悶えの達人だな、と。 この全開のラブラブ感。ピュアラブ。 「愛人-AI・REN-」や「ミミア姫」みたいな作品も勿論大好きかつ素晴らしいと思うのですが、 個人的にはこういった“普通”の中にあるラブっぷりこそが田中ユタカ先生の真骨頂なのかなぁと。 そういう意味で何か昔を思い出してしまってホロリと悶えました。 ちなみに僕の“初田中ユタカ作品”は「初夜-ヴァージン・ナイト-」だったんですよねー “らぶらぶえっち”と称するのが一番ピッタリなこの作品に初めて出会ったのは、 多分まだ高校生の頃。だからこそ、この作品は自分の中で忘れられない作品として刻まれてます。 未読の方は読んでみれば一発で理解ると思います。 こんなに

  • 命の軽重について - ハックルベリーに会いに行く

    命には軽重がある。これはきっと多くの人が分かっていることだろう。分かっていながら、言葉に出して言ってしまうと身も蓋もなくなるので、あえて口に出さないのだろう。しかしぼくはそれを口に出してしまう。むしろ、今こそそれを口に出して認めることが必要だとも思ったりする。そういうことを分かってない人も多いと思うからだ。これは良くないことだと思う。命に軽重があるというのは、みんなむしろもっと積極的に進んで認めるようになった方が、色々なことが上手く行くようになると思うし、つまらないことであれこれ悩むことも少なくなると思う。 先日、「赤ひげ」という映画を見た。ぼくは昔この映画を見たと思うのだが、あまり印象に残っていなかった。どういう映画だったっけかと、思い出そうとしてもなかなか思い出せなかった。そこへ先日、NHKのBSで黒澤明の没後10年ということで特集が組まれていて、この映画の放映もしていた。それで、久し

  • 政府紙幣と国債の日銀引き受け - 池田信夫 blog

    16日に発表される昨年10〜12月期の実質GDP成長率の速報値は「前年比マイナス二桁」になるそうだ。予定稿を書くメディアから取材を受け、電話でかなり適当な数字を答えてしまったので、少し補足しておく。 マイナス10〜12%というのは「戦後最悪」だが、絶対的水準としてはさほど驚くべきことでもない。昨年末からの統計では、輸出額が前年比1/3減といった数字が出ている。日の輸出はGDPの15%だから、これだけでGDPはマイナス5%だ。輸出産業が国内で調達している関連産業を加え、消費マインドの冷え込みを考えると、最終的に10%ぐらいマイナスになることは十分ありうる。ただ、これだけ急激にマイナスになるのは、おそらくオーバーシューティング(潜在GDPからの下振れ)を含んでおり、マクロ政策で(可能なら)補正する必要があろう。問題は、それが可能かどうかということだ。 普通の財政・金融政策が手詰まりになっ

  • 解雇規制の見直しよりセーフティーネット構築と景気底打ちが先 - 雑種路線でいこう

    解雇規制が若年雇用を犠牲にしていることは明らかだが、この景気後退局面に解雇規制を緩和したら不用意に失業率を上げてしまう。労働契約法制は次の景気回復局面で、失業率改善を加速する方策として検討すべきではないか。 自分はあぐらをかいてなどいない、ちゃんと働いている、自分は自らの能力と仕事ぶりによっていまのポジションを得ている、という自負がある人には、ぜひ解雇規制の撤廃に賛成してほしい。解雇規制こそ、多くの犠牲のもとに「あぐらをかく」人を作り出している「構造」そのものだ。 それまでに考えたいことは、誰もがキャリアの自己決定ができるほど強くないことだ。これまで定年までの有期雇用が予期されていたからこそ、企業は従業員教育投資し、自分の居場所を見出せない社員に対してケアしてきた。その誘因がなくなると却ってミスマッチが拡大する虞もある。 世の中のあるべき姿と、今どうすべきかとは分けて考える必要がある。そ

    解雇規制の見直しよりセーフティーネット構築と景気底打ちが先 - 雑種路線でいこう
  • 美女がベッドの上でアニメーション…表現は無限と思わせる映像(動画) : らばQ

    美女がベッドの上でアニメーション…表現は無限と思わせる映像(動画) クレイアニメのように、ベッドに横たわる女性の写真が、1枚1枚動いていく映像が人気を集めています。 歩いて、踊って、泳いで、電車に乗って…、とベッドの上でこんな表現が可能だったのか、と感嘆してしまいます。 とにかく一度、映像をご覧ください。 心地よい音楽とともに、風になびき、空を飛んだり、海に潜ったり、鳥や魚もそこにいるかのように生き生きして見えます。 この映像、Oren Lavieという歌手の"Her Morning Elegance"という曲のプロモーションビデオだそうです。 この映像が凄いと思うのは、デジタルカメラとPCさえあれば誰でも作ることが可能ということですよね。 美女モデルは誰でも用意できるってわけにはいきませんが…。 すでに300万近い視聴数と人気を呼んでいるこの映像、コメントも面白かったので少しだけご紹介し

    美女がベッドの上でアニメーション…表現は無限と思わせる映像(動画) : らばQ
  • 日本の捕鯨活動妨害の「シー・シェパード」に対する海外のコメント : らばQ

    の捕鯨活動妨害の「シー・シェパード」に対する海外のコメント 捕鯨反対グループ活動家「シーシェパード」の日の調査捕鯨船に対する妨害活動がエスカレートし、ニュースをにぎわせています。 船で体当たりしてきたり、薬品入りのボトルを投げこんできたり、船に乗り込んでくるなど、その無法な暴力行為から、海賊や環境テロリストとも呼ばれ、昨年には警視庁が逮捕状を請求しました。 日の捕鯨活動妨害の「シー・シェパード」メンバーに逮捕状 世界100カ国以上で視聴されているアニマル・プラネットの「Whale Wars」というドキュメンタリー番組では、シー・シェパードによる妨害活動を好意的に伝えているため、海外でもかなり話題になっています。 日ではマスコミから聞こえてくる内容は伝わってきますが、一般の欧米人たちはこの問題にどういった反応をしているのか、あまり伝わってこないと思うのでコメントを抜粋してみました。

    日本の捕鯨活動妨害の「シー・シェパード」に対する海外のコメント : らばQ
  • 知識についての知識について - 内田樹の研究室

    毎日新聞の次は『新潮45』。 総合雑誌の廃刊休刊相次ぐ中で苦戦中の『新潮45』も12月号からリニューアルするそうである。 野木正英さんが編集部に参加する。 野木さんは旧友故・竹信悦夫と高橋源一郎さんと灘の同期である。 このトライアングルがどんな過激で愉快な中学高校時代を過ごしていたのかについては源ちゃんと私の対談(『ワインコイン悦楽堂』)に詳しい。 そういうご縁があるので、竹信への供養もかねて、リニューアル『新潮45』に一臂の力を仮すことにしたのである。 野木さん、編集長の宮さん、三重さん、そしていつもの足立さんが御影においでになる。 インタビューのお題は「呪いのコミュニケーション」。 話頭は転々で何を話したのかよく覚えていないのだけれど、その中で「知識がある」ということが今ほど無意味になった時代はないということを話した。 20年ほど前の学会では、学会発表のあとの質疑応答で「重箱の隅をつ

    tsumoyun
    tsumoyun 2009/02/11
    “私がここに書いている命題の信頼性について判断を下さない限り、このテクストを「読んだ」ことにならない。/「知識の価値評価にかかわる知識」”
  • アメリカの夢 - 内田樹の研究室

    リーマンブラザースが破綻した。 こういうときは「平川くんはこの事態をどうとらえているだろう」と思うので、さっそく彼のブログを読む。 http://plaza.rakuten.co.jp/hirakawadesu/diary/200809160000/ なるほど、そのような理解でよろしいわけですね。 そうか。 私はアイボリー・タワー(最近わりと娑婆臭くなってはきたが)の人間なので、リーマンとかメリルリンチとかAIGというのが「なんぼのもん」なのか実感としてはさっぱりわからない。 つい二週間ほど前のある雑誌(気の毒なので名を秘す)がこの外資系金融機関で働く女性たちを特集していた。 先端的ビジネスで、複雑怪奇な金融商品を捌いて、年収数千万円というようなサクセスフルな女性のアクティヴでアグレッシブな生き方を、「ロールモデル」としてご呈示したいというような内容であったかに記憶している。 間の悪い話で

    tsumoyun
    tsumoyun 2009/02/11
    “「えらそう」に見えるのは、外部評価と自己評価の差が大きいせいである/「自分の能力は過小評価されているのではないか」という不安をもつ人間は自分への敬意を喚起するために「わずかによけいな身ぶり」をする”
  • 総合誌は生き残れるのか? - 内田樹の研究室

    四日目でようやく体内時計が日時間と同調した。 やれやれ。 終日『街場の教育論』の推敲。 去年の4月に、授業ではできたばかりのサイバー大学(福岡市、ソフトバンクが出資する株式会社立大学)について「この大学はユビキタス大学の失敗例となるだろう」と予言している。 理由はビジネスマンは「師弟の対面状況」の重要性を理解していないからだと書いているが、サイバー大学が単位認定と非認定大学(学位工場)からの学位で新聞記事になるような問題を起こした後にになるので「なんだあと知恵じゃん」と思われるだろうな、きっと。 教育再生会議の批判ももうあまり新味がない(というか、これほど短期間に教育問題に対する世論が「冷めた」ということに驚く)。 一昨年暮れから去年はじめにかけては、日中が教育問題でわきたっていたのにね。 そういう言論状況のなかで、長期にわたってリーダブルであるようなものを書くというのは、なかなかむ

    tsumoyun
    tsumoyun 2009/02/11
    “「金魚鉢」を超えるためには、まず「金魚鉢の歴史と構造」についての自己剔抉から始めなければならない。”