20世紀を代表する画家アンリ・マティス 20世紀を代表する画家をこんなふうに言ってはいけないけれど、アンリ・マティス(1869年生-1954年没)は、いつも、なんともいいかげんなタッチで、しかし、なんと形容したらいいのかわからないくらい、微妙で明るく優しく親密な画面を作る。 こんなふうに絵が描けたら、どんなに気持ちいいだろう! 画面の前に立つと、きっと誰もが美術理論や歴史的価値など忘れて、ただ、こういう絵が描ける人になれたならなあと憧れる。そういう画家なのだ、アンリ・マティスとは。 そのマティスの言葉を、インタビューや取材記事、手紙から集めた、素晴らしい本がある。『画家のノート』だ。 マティスが自分の芸術観や制作方法を語っているのだから、美術に関心がある人(たとえばぼく)にはどのページだって興味深い。 では、美術に関心がない人には? それでも十分に読む価値はある。 優れた芸術家やスポーツ選