通信事業者が世界中に張り巡らせているバックボーンネットワークは、いくつもの経路があります。では、IPパケットが地球を1周するのに、どのくらい時間がかかるのでしょうか。 地球上の主要地点を結ぶバックボーンネットワークは、主に光ファイバーで構築されています。真空中の光の速さは毎秒30万km。赤道直下の地球の外周は4万kmです。単純計算で約0.13秒で地球を1周できるわけですが、バックボーンネットワークではそうなりません。赤道直下を1周するルートがないことが一つの理由です。 ここでは米ベライゾン・コミュニケーションズも利用している、「日本→米国西海岸→米国東海岸→英国→インド→シンガポール→日本」という地点を経由する全行程約5万kmのルートで考えてみます。このルートは主に海底ケーブルになっており、米国内だけ陸路を通ります。各中継地点は海底ケーブルの陸揚げポイントになっています。5万kmという距離