→紀伊國屋書店で購入 日本人の多くは、9月18日や7月7日が中国人にとってどういう意味をもつのか、まったく意識していない。これらは、それぞれ1931年の満洲事変と37年の廬溝橋事件が起こった日で、中国人にとって忘れてはならない国辱的な記念日である。5月4日も、第一次世界大戦を機に日本が袁世凱政府に認めさせた山東のドイツ利権の譲渡や南満洲への権益拡大など、21ヵ条の要求の撤廃を求めた19年の抗議運動に因んだ、中国人にとっては重要な記念日である。しかし、この五・四運動が、同年3月1日に朝鮮各地ではじまった抗日・独立運動とどう関連していたのか、中国人の多くはまったく意識していない。 本書を読むと、歴史認識の問題がそれぞれの国・地域の「国史」教育にあることがはっきりわかる。その「『異なり』を理解する」ことの重要性は、「あとがき」でつぎのように語られている。「「教科書を比べる」でお分かりの通り、日本