元図書館司書の二川幸広さん(56)が宝塚市の自宅を使って開設した女性専用の家庭文庫(私設図書館)が、静かに人気を集めている。「女性の書斎ひとり好き」と名付け、9000冊を超える自身の蔵書を公開している二川さんは「本は人生を豊かにしてくれる財産。その魅力を伝え、本と人をつなげる伝道師でありたい」と話す。昨春のオープンからまもなく1年。小学生から大人まで幅広い世代が訪れるという。【山田奈緒】 幼少のころから本好きだった二川さんは芦屋市職員として図書館に長く勤めていた。家庭文庫の開設は職員時代からの夢だったという。「自分の書斎を持っている女性は少ないのではないか。一人静かに本を読みふけられる場所を女性にも提供したい」との思いで女性専用にしたが、土日は男性も利用できる。 大学で東洋史を専攻していたため、蔵書は漢書や史記など歴史関連の本が充実。百科事典や文学全集もあれば、高校生のころに買って大切に保