奈良時代と平安時代初期、つまり八・九世紀は地震活動が活発化した時期であるとともに、火山噴火が活発化した時期である。地震と噴火がプレート・断層の運動とマグマの運動として、相互に深く関係することはいうまでもない。実際、新聞報道によれば、三月11日の東北東海岸地震の後、各地の火山が活発化している。もちろん、新聞報道の3月25日段階では、その13の火山の活動は沈静化しつつあるというが、状況をみておくことは必要であるという。 そこで、どこまで参考になるかは別として、9世紀の火山噴火についても、静岡大学防災センターから公開されている古代中世地震・噴火データベースに追加・修正できる若干の事実についてふれることにしたい。 私見では現在の地殻運動は、九世紀の地震・噴火活動と似たところはあるものの、九世紀よりも規模は小さいように思う。とくに火山活動は明らかに九世紀の方が活発である。それゆえに、現在、これから九
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