九州北部豪雨では、筑後地区の文化財にも浸水被害などがあり、各市教委の文化財担当者らが調査や復旧を急いでいる。【近藤聡司、松尾雅也、石戸久代】 ◇旧戸島家住宅、中山の大藤… 柳川市では、県文化財の江戸後期の武家屋敷「旧戸島家住宅」(同市鬼童町)が床下浸水し、土間や三和土(たたき)、畳などがぬれた。24日まで休館し、室内の畳を上げて床下を乾燥させる。 決壊した沖端川に近い県天然記念物「中山の大藤」(同市三橋町中山)も根元が大量の土砂で覆われた。影響が懸念されたが、市教委が19日までに土砂を撤去し、樹木医から「問題なし」との診断結果を得たという。 うきは市では、国の重要伝統的建造物群保存地区に今月9日、選定されたばかりの新川(にいかわ)・田篭(たごもり)地区が大きな被害を受けた。 同地区は平安から鎌倉時代にかけて成立したとみられる。広さ71・2ヘクタールの山間部に棚田や古民家が点在しており、古く