先日お知らせした田口かおりさんの連載「1966年11月4日、フィレンツェ――アルノ川大洪水の被害と復興の道のり」の「はじめに」をお届けします。著作権は田口さんにありますので、無断転載はお断りいたします。 はじめに――洪水以前、洪水以降(before flood, after flood) 1966年秋、イタリア、フィレンツェ。 11月に入ってから降り続いていた雨はやむことなく、アルノ川の水位はじわじわとあがっていた。フィレンツェの平均降水量は年間で平均823mmであるが、この頃、町に降り続いた雨は1日ですでに190mmを超えていた。1年で降る雨の四分の一以上が、24時間で降ったことになる。 11月4日、午前3時48分。 イタリアのANSA通信の報道が世界をかけめぐった。「イタリアのトスカーナ州の現状は深刻であり、悪化の一途をたどっている。雨は降り止む気配もなく、細かった水流さえ、ますます勢
動向レビュー 欧州の文化遺産を統合するEuropeana 一般社団法人情報科学技術協会:時実象一(ときざね そういち) 1.はじめに 近年、Europeanaへの関心が高まっている。文化庁の文化関係資料のアーカイブに関する有識者会議の「中間とりまとめ」(2014年8月27日)(1)においては、「文化関係資料のアーカイブの将来的な全体像」の中核が「文化ナショナルアーカイブ(日本版ヨーロピアーナ)」であると書かれており、Europeanaが日本が目指すべきモデルと取られていることがわかる。また、2015年1月20日には、国立国会図書館において国際シンポジウム「デジタル文化資源の情報基盤を目指して:Europeanaと国立国会図書館サーチ」が開催され、Europeana執行委員のニック・プール(Nick Poole)氏らが講演した(2)。アーカイブに関する書籍でもEuropeana について論
英・Jiscが、研究データ管理についての入門ガイドを公表しています。 研究データ管理に従事するための入門書であり、大学の研究者や、研究データの保存、管理、公開、アーカイブについて研究者に助言する責任を持つ研究データ管理の支援スタッフを対象にしているとのことです。 Jisc公式Twitter(2016/1/11付け) https://twitter.com/Jisc/status/686354950453084160 How and why you should manage your research data: a guide for researchers(Jisc) https://www.jisc.ac.uk/guides/how-and-why-you-should-manage-your-research-data
ニューヨーク公共図書館のデジタルコレクションに収められている67万点を超えるデジタル画像のうち、パブリック・ドメイン(著作権保護期間切れ)である18万点の高解像度データが、ウェブ経由で簡単にダウンロード&再利用できるようになりました。そのことを伝える今年1月5日付の同図書館のブログ記事には、こうあります。 Today we are proud to announce that out-of-copyright materials in NYPL Digital Collections are now available as high-resolution downloads. No permission required, no hoops to jump through: just go forth and reuse! ニューヨーク公共図書館では以前より、コレクションの低解像度データ
2016年1月12日、英国図書館長協会(Society of Chief Librarians:SCL)は、利用者による図書館体験を観察し、公共図書館のデジタル化のためのアプローチについて概説した報告書“Essential Digital Infrastructure for Public Libraries in England: A Plan moving forward”を公開しました。 報告書では、 ・今日の図書館のIT技術は概ね30年前にデザインされたもの ・図書館のウェブサイトは利用者に不満をもたらしている ・現在の図書館のデジタルインフラは、図書館が、聴衆や資源を、非営利団体や政府と、オンラインで共有しないようにしている ・現在のデジタルインフラは、図書館が他の優良事例を採用することを防止し、それを推進するよりも、改良を阻止している ・各々の図書館システムが、単一の共通語彙で
2016年1月14日、AP通信は、ロシア当局が、 ロシアのイデオロギーとは懸け離れているという理由で、50冊以上の書籍を燃やし、大学図書館から500冊以上の書籍を除去したと報じています。 書籍の大半はソロス財団の資金で出版された人文書で、11月には「望ましくない手段」と宣言され、ロシアでの活動を停止させられたとのことです。 書籍は、北西のコミ共和国の2つの大学の図書館から除去されて、その後、大学の校庭で燃やされたとのことです。 コミ共和国の教育大臣は、ソロス財団の資金で出版された書籍は流通から外すことを要求する大統領特使からの命令を実行するために燃やされたと述べているとのことです。 一方、ロシア連邦の文化大臣は、この事件は知らなかったが、書籍を燃やすことは誤りであると語っているとのことです。 Russian authorities burn books published with Sor
今回は、SAT大蔵経データベースとJapan Knowledgeが連携して便利になった、という話です。 前置きが長いので、前置きを飛ばしてとりあえずどうなったか知りたい人は、下の方にある「ここから具体的な解説です」というところから見てください。 2008年から、SAT大蔵経データベースでは、「本文をドラッグすると英語の仏教語辞典を引いて意味を英語で表示する」という機能を提供していました。これはチャールズ・ミュラー先生のDigital Dictionary of Buddhism(DDB)の見出し語と意味のデータ(ついでにピンイン表記も)のデータをいただいたことで実現したサービスでした。これは英語圏の方々には大変喜ばれているだけでなく、英語で仏教のことを書いたり話したりしなければならない世界中の(日本も含む)方々からも好評を博している機能なのですが(一方で、あれのせいで学生がちゃんと辞書を引
シンクゼロマガジン・ライト版 Creative Edge School Books の宣伝用マイクロブログギング。 企画・制作・販売している学習コンテンツのリリースやキャンペーンなどの情報をお知らせしています。 URL: http://design-zero.tv/ 公式サイトをご覧ください。 現在、ブログを公式サイト( http://design-zero.tv/ )に移行中です。 公式サイト( http://design-zero.tv/ )には活動報告や学習コンテンツの情報を掲載しています。
『月刊ほん Vol.3』では、アメリカにおいて公共図書館に『電子図書館サービス』を提供する会社として圧倒的シェア誇るOverDrive社(*1)と2014年5月に戦略的業務提携を発表した株式会社メディアドゥ(*2)の取締役事業統括本部長 溝口敦氏に日本の図書館への電子図書館サービス導入に関して、現状や今後についてお話をうかがった。(取材日:2015年11月24日 聞き手:月刊ほん 編集担当)(連載第一回) 第1回|第2回|第3回(近日中公開) ■第一回■ ・『電子図書館サービス』が日本で普及するまでに時間がかかることは覚悟の上だ ・日本に合った『電子図書館サービス』のコンテンツ価格や購入体系の構築には、年単位の時間が必要だろう ✐『電子図書館サービス』が日本で普及するまでに時間がかかることは覚悟の上だ ―御社のお話でアメリカで成功を収められているOverDrive社に関してうかがわないわけ
文/木村草太(憲法学者) 2015年9月、いわゆる安保法制が成立した。今回の法制は、基本的には、これまでの自衛隊実務を踏まえ、現場からの要請にこたえようと、既存制度の手直しを目指したもののように思われる。しかしながら、法技術的にみると、かなり深刻な問題点がある。 本稿では、その問題点を確認した上で(安保法制の法的問題点)、今後、国民がどのような議論をしていくべきかを提案したい(安保法制の是正のために)。 安保法制の法的問題点(1)集団的自衛権の行使容認 今回の法制により、集団的自衛権の行使が容認されたとされる。しかし、周知の通り、集団的自衛権の行使が違憲であることは、法解釈論としては決着が付いている。(安保法制の成立過程の問題点や、集団的自衛権が違憲である法的根拠に興味のある方は、拙著『集団的自衛権はなぜ違憲なのか』をご一読いただきたい。)それにもかかわらず、違憲の指摘が無視された点は、極
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く