古地図のコピーを手に話す岩尾文香さん。奥の中央分離帯のあたりに創業時の工場があった=名古屋市熱田区で(小嶋明彦撮影) 家庭用ミシンやプリンターのブラザー工業(名古屋市)は戦後長い間、正確な創業地が分からなかった。戦時中の空襲で関係書類の多くが焼失し、戦後の混乱で記憶もあいまいになっていた。ところが今年になって、社内資料の保管を担当する一人の女性社員が一枚の古い地図を手掛かりに、現在の同市熱田区伝馬の国道1号の上と割り出した。来年の創立百十周年に合わせ、ようやく見つけた「生誕の地」をホームページなどで発信する。 調べたのは、CSR&コミュニケーション部の岩尾文香さん(52)。十冊以上の社史を読んでも創業地は「現在の熱田区伝馬町付近」としか記載がなく、はっきり分かっていないことが長年気掛かりだった。二年前に今の担当に就き「うやむやのままではいけない」との思いを強くした。
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