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ブックマーク / k-houmu-sensi2005.hatenablog.com (15)

  • 依然として見えない「電子出版権」の落としどころ - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    もうずいぶんと長く、このブログでも取り上げている電子書籍問題。 年末に小委員会の報告書が出た時点で、大丈夫かなぁ・・・という懸念はあったのだが*1、やはり通常国会が始まってしばらくたった今になっても、混迷している状況が依然として報じられている。 「雑誌など紙の出版物をスキャンしたインターネット上の海賊版対策について、法的手当ての検討が難航している。文化庁が新たに創設する予定の「電子出版権」を使えば出版社が海賊版対策を行えるものの、電子書籍を出す義務とセットになっており、出版社などが別の対応策を求めているためだ。」(日経済新聞2014年3月3日付け朝刊・第15面) 以前のエントリー*2でも書いた通り、「出版義務」の存在は、著作権者と出版者の間の利害調整のためには欠かせないツールであり、現在行われようとしている立法が、これまでの紙媒体での出版義務だけでなく、電子書籍についても出版義務を課す方

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  • ついに世に出た“真打ち”的評釈 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    昨年秋に判決が出て以降、ジュリスト、NBL、と、ボチボチ速報的な評釈が登場していた「自炊代行業者著作権侵害事件」だが、1月6日付けで、判例DB大手のWestLaw社の「今週の判例コラム」のコーナーに、北大の田村善之教授の解説が掲載された*1。 おそらく、そんなに時間が経たないうちに、会員しか読めないエリアに持って行かれてしまうことになるとは思うのだが、コンパクトにまとめられたものであるにもかかわらず、今回の2件の東京地裁判決に対する評価としては、個人的に最も共感できる内容となっているだけに、取り急ぎこの場でご紹介しておくことにしたい。 「自炊代行業者と著作権侵害の成否」 田村教授の解説は、「自炊」の問題全般に簡単に言及した上で、「タイプ毎の著作権侵害の成否」について述べていくところから始まる。 そして、今やすっかりこの分野での必読論文になりつつある、小坂準記=金子剛大「まねきTV・ロクラク

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    tsysoba
    tsysoba 2014/01/23
    自炊代行合法解釈。
  • 「違法ダウンロード刑事罰化」規定をめぐる解釈論の終着点。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    (注:記事タイトルを修正の上、加筆しました 8/4 18:30) 振り返るとちょうど1年前の今ごろは、改正著作権法の成立を受けて、様々な議論がなされていた時期であった。 立法に関わった文化庁の中の方々の講演だとか説明会だとかが、あちこちで行われて「公式の解釈」が示される一方で*1、それに対する疑義もあちこちで示されていて、果たして法施行後にどういう運用がなされるのか、担当者は軒並み困惑していた、というのが当時の空気だったと言えるだろう。 現実には、法施行後もそんなにドラスティックな運用がなされている、という話を聞かない上に*2、「違法ダウンロード刑事罰」に関しては、その後、各種改正法のコンメンタール等でも、“謙抑的な解釈”を志向する解説が定着しつつあることもあって、世の中的にはだいぶ落ち着いているように思える。 そして、そんな中、更に世の中を落ち着かせる“良薬(?)”として、平成24年著作

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  • 新しい権利制限規定は著作権法の未来を変えるのか? - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    今年は、書こうと思って温めているうちに、旬を逃して腐りかけているネタが例年に増して多いのだが、間もなく施行される平成24年度著作権法改正のネタもその一つ*1。 もっとも、さすがにこれだけの改正を放っておくわけにもいかない、ということで、ちょうどタイミング良く、ジュリスト1月号に掲載された特集「変革期の著作権法」の内容をフォローしつつ*2、これまでストックしていた雑誌記事等へのコメント等と合わせて、施行ギリギリ直前のこのタイミングでアップすることにしたい。 Jurist (ジュリスト) 2013年 01月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2012/12/25メディア: 雑誌この商品を含むブログ (1件) を見る 伝わらない立法担当者の思い? さて、平成24年著作権法改正において新設された権利制限規定は、概して評判が悪い、というのは、当ブログの読者の皆様であればよくご存じであろ

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  • 「出版物に係る権利(仮称)」は電子出版の味方か?それとも脅威か? - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    今年に入ってから、楽天の端末発売や「キンドル」の日上陸など、「電子書籍」に関する話題には事欠かない。 16日付の日経紙には、 「電子書籍配信 官民出資の機構が始動」 という見出しとともに、(株)出版デジタル機構(http://www.pubridge.jp/)が電子書籍配信を16日から開始する、ということも報じられている*1。 そして、そんな流れを汲んだかのように、この数か月の間に一気に浮上してきたのが、「出版物に係る権利(仮称)」を議員立法で創設する、という動きである。 11月9日付の読売新聞系ニュースサイトでは、 「超党派の国会議員や大手出版社、作家らでつくる「印刷文化・電子文化の基盤整備に関する勉強会」(座長=中川正春衆院議員)は8日、電子書籍の違法コピーに対抗するため、著作権に準じる著作隣接権を出版社に与える法制度の骨子案を発表した。」 「原稿や写真、デジタルデータなど紙や電子の

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  • ブログ記事“無断転載”問題と有斐閣のファインプレー。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    「iPS臨床応用をめぐる研究成果捏造」というあまりにお粗末な話に、皆、気を取られているせいか、今のところそんなに話題になってはいないのだが、業界関係者的には、「おいおい」と突っ込みを入れたくなるようなニュースが、日経でささやかに*1報じられていた。 「租税法学会の理事長で、政府税制調査会の委員を務めた明治大学経営学部の水野忠恒教授(61)が、同学会が発行する学術誌に掲載した論文で、山美彦・大阪産業大学学長のブログ記事を無断で転用していたことが12日、分かった。水野教授は無断転用を認めて山学長や学会員に謝罪、学術誌を回収した。理事長職も辞任する意向。」(日経済新聞2012年10月13日付朝刊・第42面) 問題の論文が掲載されたのは、「租税法研究」という、かなり格調が高い学術誌で、しかも、渦中の水野教授といえば、我が国における租税法の第一人者に名を連ねられるお方だから、来であれば、“と

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  • 大学図書館危機一髪。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    そうでなくても、近年著作権者との関係で、シビアな対応を迫られている図書館。 特に、文献資料の複製依頼が頻繁に来るであろう大学図書館では、「国公私立大学図書館協力委員会/大学図書館著作権検討委員会」が、平成14年以降「大学図書館における著作権問題Q&A」というものを作成し、「著作権」との付き合い方について、関係者に注意を促し続けているようだ*1。 そんな中、関係者をヒヤリとさせるような事件の判決が、最高裁HPにアップされている。 「もし、所蔵している文献資料の中に著作権侵害図書があったら・・・?」という、関係者であれば一度は考えてみるであろう設例について、貴重な先例となるかもしれない、この事件の判決をちょっと取り上げてみることにしたい。 東京地判平成22年2月26日(H20(ワ)32593号)*2 原告:A 被告:国立大学法人東京大学、東京学芸大学、大阪大学、筑波大学、九州大学 学校法人青山

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  • とんだサプライズ? - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    日経の夕刊に、ひっそりと載っていた記事。でもこの発言が持つ意味は大きい。 「著作者の死後50年までとなっている著作権の保護期間について、川端達夫文部科学相は20日の閣議後記者会見で「ある種の世界標準である70年を念頭に、その方向に進めるべきだ。諸課題に取り組みたい」と述べ、延長のための著作権法改正に意欲を示した。」(日経済新聞2009年11月20日付夕刊・第16面) 今の内閣の閣僚は、首相を筆頭に、あまり深く考えずに発言する傾向があるようだし*1、川端文科相の上記発言にしても、どれだけ事前に事務方と打ち合わせた上でなされたものなのか、は定かではないのだが、いずれにしても、所管官庁のトップの発言だけに、軽く聞き流すわけにはいかないだろう。 この発言を受けて、「著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム」(http://thinkcopyright.org/)が早速、疑問の声を投げかけている

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  • 勇気ある反論? - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    ブログでは、以前から、教科書準拠テキストや赤に関して、著作権者と出版社の間に生じている紛争を紹介してきたところであるが*1、「中学・高校入試問題集」の分野でも著作権紛争が勃発したことが数日前の新聞記事で報じられた。 「過去の中学、高校入試問題集に作品を無断使用されたとして、小説家のなだいなださんや妹尾河童さんら40人が14日、学習教材製作販売会社「声の教育社」(東京)に計約8500万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。」 (日経済新聞2009年9月15日付朝刊・第42面) 記事によれば、今回提訴した40人以外に、「詩人の谷川俊太郎さんや脚家の倉聡さんら31人も今年1月、計約9700万円を求めて提訴」しているということで、合わせると原告計71人、請求額は1億8200万円という大型訴訟になる*2。 もっともこの記事が興味深いのは、これに続く被告(声の教育社)のコメントが比較的詳し

    勇気ある反論? - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~
    tsysoba
    tsysoba 2009/09/23
    これは今後の展開にも注目か。
  • 判例は固まりつつあるが・・・。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    チャップリン映画の格安DVD販売をめぐる訴訟で、知財高裁でも地裁の判断を支持する判決が出されている。 「チャップリン映画の著作権を保有する外国法人が「独裁者」など9作品の格安DVD販売の差し止めなどを求めた訴訟の控訴審判決で、知的財産高裁(宍戸充裁判長)は28日、著作権侵害を認め、販売差し止めと約1000万円の損害賠償を命じた一審判決を支持、東京のDVD製造会社二社の控訴を棄却した」 (日経済新聞2008年2月29日付朝刊・第42面) 詳細については、判決文がアップされてから確認することにしたいが、 「著作者であるチャップリンが死亡した77年から38年間となる2015年まで保護期間は存続する」 と、旧著作権法下における「著作者」の解釈を巧く使って、映画の公表時点から起算するのではなく、著作者個人の死亡時から起算することによって、長期の保護期間を確保する、という論理構成には変わりはなさそう

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  • 社保庁の憂鬱 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    実務的なインパクトはそれなりに大きいと覚悟しなければならないニュースがひとつ。 「社会保険庁や社会保険事務所内で職員が利用するLAN(構内情報通信網)に記事を無断で掲載され著作権を侵害されたとして、ジャーナリストの岩瀬達哉氏が国に約370万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(設楽隆一裁判長)は26日、著作権侵害を認め、国に42万円の支払いを命じた。」 (日経済新聞2008年2月27日付朝刊・第42面) 少なくとも法の原則からすれば、「社内LANに第三者の著作物を掲載すること」が著作権侵害にあたるのは疑いないわけで*1、「さすが社保庁、今さらこんな間抜けな・・・」と思う方もいるかもしれない。 だが、実際に新聞・雑誌記事のクリッピングで訴訟になったようなケースは、今回の記事が出るまで寡聞にして知らなかったし、それゆえ、今でも独自のクリッピングサービスを社内で行っている会社は決して少な

    社保庁の憂鬱 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~
    tsysoba
    tsysoba 2008/02/29
    どこまでならよいのか、各企業・組織がかなり困っているのでは。
  • 軽くなったポスト? - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    ちょうど1年ほど前、荒井寿光氏がこのポストを退かれた時に、時代の移り変わりを感じて、ささやかなエントリーを記したのであるが*1、あっという間に、唐突な人事異動のニュースが。 「政府は6日の閣議で、長谷川栄一内閣広報官の後任に小川洋内閣官房知財戦略推進事務局長を充てる人事を決めた。小川氏の後任には文部科学省大臣官房付の素川富司氏が就く。」(日経済新聞2007年11月6日付夕刊・第2面) 「あの荒井氏」に比べれば、やや“軽い”感のあった前任者にしたって、曲がりなりにも現職時代は「特許庁長官」だった、という看板を持っていたことを考えると、今回の人事は・・・・といった感じである*2。 ただひとついえることは、“小泉路線”の終焉とともに、一時の知財バブルにもブレーキがかかりつつあることがはっきりしてきた、ということくらいで、それはそれで良いことだと筆者は思っているのであるが。 *1:http://

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    tsysoba
    tsysoba 2007/11/07
    知財関係の予算を図書館・博物館等のコンテンツ蓄積機関にも、という戦略はありだと思っていたけど、厳しいか。
  • 再び下された「英断」 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    以前ご紹介した東京地裁高部コートの仮処分却下決定に続き*1、 民事第29部(清水節裁判長)で映画著作物の保護期間延長をめぐる事件案判決が出された(判決文:http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20061006153228.pdf)。 東京地判平成18年10月6日。 当事者は、パラマウント・東北新社連合(原告)と、 株式会社ブレーントラスト・有限会社オフィスワイケー。 前回はローマの休日だったが、今回は「シェーン」。 件においては、 そもそも原告作品が1953年(昭和28年)に公表された著作物なのか、 というのも争われているのだが*2、 裁判所はその点についてはあっさりと原告の主張を認めた上で、 「映画の著作権の存続期間」の論点について、 じっくりと検討している。 さて、判決も「1953年著作物の保護期間は延長されていない」という 結論を出した点

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    tsysoba
    tsysoba 2006/10/07
    内閣法制局の審査についての位置づけが興味深い。
  • 立ち読み亡国論 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    日経新聞月曜日の紙面に『領空侵犯』というコラムがある。 様々な分野の第一人者が、専門外の領域の話題について 一言物申す、というコーナーなのだが、 時々、“トンでも”系の恥ずかしいコメントも 堂々と掲載されていたりして、 門外漢が軽々しく他人の芝生に足を踏み入れることの浅ましさ を読者に伝えてくれる、という点において 非常に意義深いものになっている(笑)*1。 だが、そんな過去のコメントも、 この方の前ではかすむだろう、と思えてしまうような、 想像を絶するコメントが、 10月2日付け朝刊の同コラム(第5面)に掲載された。 湯川れい子氏(作詞家、音楽評論家)による 「立ち読みが国を滅ぼす」というお題のコメントである。 同氏は、 「書店やコンビニエンスストアで立ち読みして買わずに済ませたら万引きと同じ。それは『盗み読み』という立派な犯罪です。」 という持論をお持ちのようで、 それはそれで勝手に言

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  • 「著作権」という名の病 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    先月出された『文化審議会著作権分科会報告書』。 資料もあわせると282ページにわたる超大作となる。 (http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/toushin/06012705.htm) その中には、いろいろと興味深い内容の報告も盛り込まれており、 特に、法制問題小委員会の契約・利用WG*1では、 ①著作権法と契約法の関係について(いわゆるオーバーライド問題) ②著作権法63条2項の解釈(許諾に係る利用方法及び条件の性質) ③著作権の譲渡契約の書面化について ④著作権法61条1項の解釈(一部譲渡における権利の細分化の限界) ⑤著作権法61条2項の存置の必要性について ⑥未知の利用方法に係る契約について といった、実務と密接に関連するホットトピックについて、 実務上の問題点を要領よくまとめつつ、 立法過程の調査や外国法との比較検討も含めた、 充実した

    「著作権」という名の病 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~
    tsysoba
    tsysoba 2006/02/20
    『文化審議会著作権分科会報告書』に関するコメント。
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