→紀伊國屋書店で購入 本書評は、早瀬晋三著『歴史空間としての海域を歩く』または『未来と対話する歴史』(ともに法政大学出版局、2008年)に所収されています。 第4章「選挙のアナーキー」は、つぎの引用文ではじまる。 「マヌエル坊やが墓石に座って泣いていた……「どうしたんだい、マヌエル?」「この前の土曜日、父さんがここに来た。でも、ぼくには会いにこなかった」「でも、君の父さんは、もう一〇年も前に亡くなったじゃないか、マヌエル?」声をふるわせて泣きながら、マヌエルは言った。「そうさ。でも、父さんはこの前の土曜日、ここに来て、そして-に投票したくせに、ぼくには会おうともしなかったのさ!」 「これは、一九四〇年代末のある選挙風景を諷した小咄である」と、著者、中野聡は書いて、1949年のフィリピン大統領選挙の不正投票について説明をはじめる。読者は、当然、先の引用文は、フィリピンのことだと思っている。し
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