日本古来の山岳信仰と結びつき、高山に生息するニホンライチョウはかつて神の使いとあがめられていた。現在は温暖化による環境変化をはじめ、さまざまな要因により生息を脅かされているが、環境省、研究者、動物園が連携して取り組む保護増殖プロジェクトが成果を挙げつつある。 ライチョウ飼育を試みた江戸幕府 ニホンライチョウ(英名:Japanese Rock Ptarmigan)は本州中部の北アルプスと南アルプス周辺の山岳地帯に生息する。北半球の寒冷地に広く分布するライチョウの種の中では、最南端の高山に隔離分布している。冬になると真っ白な羽毛に覆われるため雪の中で姿を見つけにくいが、基本的に人を恐れず、他の野鳥と違って近寄っても逃げない。 冬場の雄(2017年3月乗鞍岳) 江戸時代のライチョウ飼育の試みを記した『震雷記(しんらいき)』(1767年/国立国会図書館デジタルコレクション) 日本には古くから奥山に
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