1968年愛媛県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、伊藤忠商事勤務を経て、英国ウォーリック大学大学院政治・国際学研究科博士課程修了。Ph.D(政治学・国際学、ウォーリック大学)。主な業績は、『逆説の地政学』(晃洋書房)。 上久保誠人のクリティカル・アナリティクス 国際関係、国内政治で起きているさまざまな出来事を、通説に捉われず批判的思考を持ち、人間の合理的行動や、その背景の歴史、文化、構造、慣習などさまざまな枠組を使い分析する。 バックナンバー一覧 筆者は2000年7月から2007年7月まで、ちょうど7年間英国に留学していた。それは、日本で「郵政民営化の実現」を掲げる小泉純一郎氏が首相に就任し、構造改革を断行した時期と、小泉内閣退陣後、第一次安倍晋三内閣の政権運営が混乱し、改革の結果としての「格差拡大」が社会問題となり始めた時期と重なる。当時、英国社会の中にいながら、日本を外からみて、気に