情報から目を上げて、目の前の人と話す ケータイが普及し、無線LANのアクセスポイントが飛躍的に増えることで、人は新たなコミュニケーションの時代を迎えたと思っている。だが実際は、そのようなバラ色の考え方は間違っている。 IT化というのは、単に誰でも情報にアクセスできるというだけなのである。そしてそれは同時に、膨大な情報整理を自分で抱え込む結果となった。つまりコミュニケーションができるようになったのではなく、話がスラッとわかって、いらないものは瞬時にスルーするという、より高い言語能力+情報処理能力が問われるようになっただけ、なのである。ITは決してコミュニケーション能力を育てないということに、早く気付かなければならなかったのだ。 コミュニケーションの基本は、人と会って話すことである。ITテクノロジーを使ってコミュニケーションを取ることは、その代替であって、本質ではない。それで思い出すのは、80
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