仙台市の芸能事務所からアイドルをめざす少女7人を描いたアニメ映画「ウェイクアップガールズ」が公開中だ。挫折から立ち直るきっかけをくれた被災地への「ラブレター」のつもりで作った。 女子高生の日常を描いた「らき☆すた」がヒット。舞台の埼玉県はファンの「聖地」になった。だが、3年前、勝負をかけた作品でつまずいた。演出の意見が合わず、中心的なスタッフが離れてしまった。「どうせ誰も分かってくれない」。引退まで口にした。 直後に震災が起きた。現実から逃れるように、縁もゆかりもない宮城や岩手、福島の沿岸を訪ね歩き、がれき撤去を手伝った。どの被災地でも、家を流された人は愚痴を言わず、お茶菓子まで出そうとしてくれた。「懐の深い東北の人が好きになった」。自暴自棄になっていた自分に、復興支援という生きがいができた。 ボランティアが一段落し、思った。「自分にできるのはアニメしかない」。被災地を聖地にして復興を後押