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ブックマーク / jtsutsui.hatenablog.com (4)

  • 社会学と因果推論 - 社会学者の研究メモ

    8月に入ってからのICPSR統計セミナー、ゼミ合宿、データクリーニング合宿、数理社会学会という怒涛のイベント+出張シリーズが一段落したので、ひさびさに更新します。 先日行われた第56回数理社会学会の新規会長(近藤博之先生)の講演のタイトルは、「ハビトゥス概念を用いた因果の探求」というものでした。そして(すでに論文として発表されている)2年前に行われた前会長の石田浩先生の講演は「社会科学における因果推論の可能性」というものでした。近藤現会長が狙ったのかどうかは不明ですが、両者とも社会科学あるいは社会学における因果関係の位置づけについて極めて示唆的なものです。 石田先生の講演では、ラザーズフェルドのelaborationの考え方から始まり、60年代後半から70年代にかけての回帰分析時代、その後のパネルデータ分析の隆盛、そしてルービンらの反実仮想的な枠組みに至るまで、計量社会科学における因果関係

    社会学と因果推論 - 社会学者の研究メモ
  • マルチレベル分析の使い方 - 社会学者の研究メモ

    社会学研究者やその近接分野の研究者から、いわゆる「マルチレベル分析」についてよく似た質問をよく受けるようになったので、簡単な見解を示しておくことにする。 心理学や社会学でマルチレベル分析と呼ばれている分析方法は、基的には変量/混合効果モデルを使った分析のことを指している。この分析モデルの使い道には、以下のようなものがある。 変量効果の推定 観察値がクラスターごとにまとまっているときの誤差の調整 分散成分の推定を通じた要因の探索 1(変量=個体効果の推定)は社会科学ではほとんど用いられない。その理由はすでに別のところ(説明と選抜:統計学における2つの「関心」)に書いた。反復テストや信頼性の検定など、測定に関するさまざまな研究の蓄積はもちろんがあるが、個体効果の推定それ自体を最終的な目的とすることは社会科学ではあまりないだろう。 2(誤差の補正)については説明を省くが、OLS回帰分析における

    マルチレベル分析の使い方 - 社会学者の研究メモ
    turuhashi
    turuhashi 2013/03/18
    "変量効果の分散の推定のほか、複数の変量効果どうしの相関を設定することができる"
  • 「統計オタク」の分析はつまらない? - 社会学者の研究メモ

    実践としての統計学 作者: 佐伯胖,松原望出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2000/01メディア: 単行購入: 48人 クリック: 629回この商品を含むブログ (16件) を見る 第5章「統計の実践的意味を考える」(佐藤俊樹) 研究会に向けて、同じ社会学者が書いた統計分析についてのエッセイということで読んでみた。頭を整理する意味で、サマリを作ってみた。 5.1 統計解析の「意味」 SPSSなどのソフトウェアの普及のせいで、意味もわからず「ハウツー」で統計分析をする人が増えて、統計学的に間違った分析が横行している。(例:全数調査でカイ二乗検定。) なぜ「ハウ・ツー」ユーザが増えたのか。それは統計パッケージソフトが普及して、統計学の知識がなくても結果だけは出せるようになったからである。(以前はそれができなかったので、結果を出す人は手順の意味を理解していた。) いくら統計パッケー

    「統計オタク」の分析はつまらない? - 社会学者の研究メモ
    turuhashi
    turuhashi 2012/03/20
  • 説明と選抜:統計学における2つの「関心」 - 社会学者の研究メモ

    社会学者や経済学者にとって、統計学をベースにした計量分析とは、何かを因果的に説明する道具であるという側面がある。賃金を学歴で説明するというとき、それは他の条件が同じで学歴が変化したときの賃金の変化量を推定する、という意味である。 (記述的な分析手法を含めて)統計学を学ぶ人のほとんどは、この「説明(explanation)」のためにそれを学んでいるのだと考えられる。 しかし統計学には、それとは全く異なった目的が託されることもある。それは「選抜(selection)」である。統計学を選抜に使うというのは、それをアカデミックに活用している研究者からみても、実はあまり馴染みのない考え方である。というのも、あとで詳しく述べるが、選抜は学問的説明とは相容れない考え方だからだ。 しかし選抜は、実践家においては大いに意味がある考え方である。「限られた回数の耐久力テストの結果から、真に優れた個体を選抜する」

    説明と選抜:統計学における2つの「関心」 - 社会学者の研究メモ
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