「UXデザイナー募集!」 IT企業の採用情報で、こんな言葉を見ることが増えてきた。例えば検索サイトで「UXデザイナー 求人」と検索すると、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)企業やスマートフォンアプリのベンダーを中心に、求人サイトがずらりと並ぶ。 UX、つまりユーザーエクスペリエンスを一言でいえば、製品やサービスが利用者にもたらす「体験」のことである。使い勝手の良さ(ユーザビリティ)に加えて、使うことによる楽しさ、心地良さ、感動、愛着、行動の変化、はてはインスピレーションの喚起なども含まれる。優れたUXを提供するシステムを設計できる能力、それがUXデザイナーということになる。 UXの詳しい定義については、2010年にドイツで行われたUXセミナーの成果をまとめた「UX白書」(日本語訳)や、人間中心設計(ユーザー中心設計)の国際規格「ISO9241-210(ISO13407改訂版)