約1800年前の現在のデンマークで、戦いに勝った後、神に捧げるため沼に投げ込まれた重さ10キロの鎖かたびら。「ヴィーモーセ・コート」と呼ばれている。(PHOTOGRAPH BY M.A. WIJNHOVEN) 西暦200年頃、現在のデンマークのどこかで、地位の高いゲルマン人戦士が討ち死にした。戦いが終わると勝利者は、2万個近い小さな鉄の輪をつないだ貴重な鎖かたびらをその戦士から剥ぎ取った。そして、勝利に感謝して、神への生け贄として沼に投げ込んだ。(参考記事:「古代の蛮族ゲルマン軍、数倍規模か、定説覆す発見」) 「ヴィーモーセ・コート」と呼ばれる重さ約10キロのこの鎖かたびらは、19世紀後半、デンマークのヴィーモーセ近郊で考古学者によって発見された。沼の中が低酸素だったおかげで、保存状態はほぼ完ぺきだ。(参考記事:「有名なバイキング戦士、実は女性だった」) 投げ入れられてから1800年以上が