沖縄県内で新型コロナウイルス「デルタ株」がまん延し医療体制が逼迫(ひっぱく)する中、各消防本部の救急搬送業務にも大きな支障が出ている。県内18消防本部で5月の連休以降、救急要請出動後に現場で30分以上待たされた事案が684件、医療機関への搬送問い合わせが4回以上を数えたのは95件に上る。コロナ患者の入院調整などを行う県医療コーディネーターの医師は「病床数が絶対的に不足しており、一般傷病者の搬送も困難を極める状況だ」と訴える。 ■救急車が30分以上待たされた事案684件 本紙が各消防本部に5月10日~8月25日の搬送状況を聞き取ったところ、那覇市消防局では現場待機が209件。浦添市消防本部も133件に上っており、全体の半数を占めた。那覇市消防は搬送先の問い合わせ4回以上も38件と特に多かった。 現場待機で最も長かったのは沖縄市消防本部の162分。理由は「コロナ患者の母親を搬送する際、家に残さ