「麻薬戦争」を進めるドゥテルテ政権下のフィリピンで、麻薬犯罪に関わったとされる市民が、警官や正体不明の犯人に殺される事件が後を絶たない。政府は「国家主導の殺人ではない」と強調するが、異常な殺人が続く状況を制御できていない。 麻薬犯罪の撲滅を掲げるドゥテルテ大統領の就任後、警察は、麻薬関与が疑われる人の自宅訪問捜査を続けてきた。容疑者が抵抗した場合、殺害しても警官の責任は問われないとされる。フィリピン政府によると、昨年7月から今年3月末までに2692人が警官に殺害された。 だが、警官による不正が次々と発覚した。今年1月には「麻薬犯罪に関与した」と偽って韓国人男性を連行し、警察本部内で殺害。遺族に身代金を要求していたことが分かり、警察による麻薬捜査を1カ月停止する事態に発展した。 正体不明の犯人による殺人も止…
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